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ふざけたやつら

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書いたことさえ忘れていたりする文章です。
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2023年9月の記事一覧

むかし話

* 昔々、おじいさんとおばあさんが犬を食って暮らしていました。二人は昔、可愛い娘を野犬に食べられて以来犬を見つけては殺してその肉をくらい、その皮を剥いでは太鼓をつくって売っていました。太鼓はたいそう良い音がすると評判で祭りがあるたびによく売れました。今夜もどこかの祭りで二人がつくった太鼓の音は山を越えて町まで聞こえてきます。都会の青白い窓に響くのは百年前の犬たちと一人の娘の歌う歌なのです。 ちなみにおじいさんとおばあさんは九十九年前にスイカを喉に詰まらせて死にました。

Y◑U KN●W WHΛT I L◐VE😂

* * * 何度でも、何度でも、俺はお前を机に叩きつける。  お前の髪に手をかけて首が三メートル伸びるまで後ろにひっぱり、思いきり机に頭を叩きつける。やがて机にはお前の顔の形をした穴があく。張り付いた、ミッキーマウスみたいなお前の笑顔。机は重くて硬い声で鳴き地平線の彼方に走っていった。オレンジ色の半月に机は食われてしまうだろう。お前の笑顔も食われてしまうだろう。 どうだ、悲しいか。  再び髪に手をかけて新しい机に叩きつけえる。歯を剥き出して無防備に笑うお前の顔が黒い机