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コロナ重傷者数は参考値に過ぎません。その理由をお話します。

久しぶりの投稿です。

大変な世の中ですが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。


以前記載した通り、コロナ患者数が増えて業務が倍増し、腰を据えてnoteを記載する時間が取れませんでした。

時折、口語的で簡便なtwitterで発信をしていましたが・・・結構頭に思いついたことを綴るだけでした(笑)

しかし当然現在も、コロナウイルス打破の目標不変です。

さて、ここ最近の報道では、緊急事態宣言後から感染者数は減り、重傷者数はあまり変わらず、といったところですよね。


ファイザー社のワクチン効果は高く、日本でも本日から摂取開始。なんだか明るい展望が見えていそうです。


しかし実際の現場ではどうなのか。今回は、私がコロナ診療して日々痛感し、皆さまにお伝えしたいことを綴ります。



今日お話しするのは、日々報道される重傷者数について。

コロナ重傷者の定義は

・集中治療室(ICU)で治療していること
・人工呼吸器の使用
・ECMOの使用

これらの、いずれかを満たすことです。

2020年12月7日の、日経新聞にも記載があります。

https://www.nikkei.com/article/DGXKZO67063780X01C20A2NN1000/

確かに現場で働いていて、この定義に該当する方は多くありません。

しかし重傷者数が少ない=死者が少ない、ではありません。


理由を説明します。
端的に言うと、上記3つの延命治療を望まない方が多いのです。

延命治療に関しては、こちらを。

個人的な経験では、コロナ感染者で上記の延命処置を希望する方は、約2割です。勿論施設で差異はあると思いますが、報道の重傷者数は参考程度にしかならないのです。


コロナ感染による死亡例でよく経験するのは、「高齢者が、軽い肺炎とPCR陽性で入院。入院初日は食事もしていて元気だったが、数日後に突然呼吸苦と意識障害を認めた。家族に連絡して、延命措置はしないで欲しいとのこと。酸素投与を続けたが数時間後に死亡」というケース。

勿論、これは重傷者にカウントされません。


重症者が死の危険が高いと考えられていますが、コロナ感染者は全員危険なのです。

特に高齢者や基礎疾患がある方は、より注意しなくてはいけません。


なので、再三繰り返しますが、

重傷者数が少ない=死者が少ない、ではありません。


従って、日々報道される数の推移に一喜一憂せず、継続した感染対策をして、大切な人を守ってあげてください。


写真は、東京都大田区、羽田空港です。

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