どうして効かない?皮膚科で出される「かゆみ止め」
アトピー性皮膚炎の人が、「皮膚科でかゆみ止めをください。」と伝えると必ず処方される抗アレルギー薬(=抗ヒスタミン薬「H1ブロッカー」)
その薬でたちまちかゆみがピタッと止まって、ほとんど掻かなくなりましたと答える人が、果たして一人でもいるのでしょうか。
皮膚科医も、患者さんも、「わかっちゃいるけど、かゆみ止めといえばこれしかないんだから、しょうがないじゃないか。」と、半分あきらめているのが、正直なところではないでしょうか。
そこで、アトピー性皮膚炎の痒みについてもう一度、考えてみましょう。よい比較に「じんましん」があるので、そのかゆみとの違いを考えます。
全身にボコボコしたじんましんが生じた場合,耐え難い痒みに悩まされることになりますが,この場合の痒みはヒスタミンがほぼ100%かかわるため,抗アレルギー薬=抗ヒスタミン薬により,症状のほとんどが改善してしまいます.もちろん,飲んでいる間は,効いているということですよ.
それに対してアトピー性皮膚炎のかゆみの種類は複雑です.勝手に自分のアトピー性皮膚炎のイメージを表すと,上の円グラフのようになっているため,抗アレルギー薬をしっかり内服したからといって痒みがほとんど治まるということはなく,飲まないよりはいいかなという程度(感覚として1-2割くらい?)にとどまるのです.だから、痒み止めといって処方されて,言われた通り飲んでいるのに,全然痒み治まらないということは,よく経験されることなんです.
しかしながら,ここはひとつ考え方を変えて,痒みの強いとき強くなりそうなときに,症状緩和のために内服するってくらいが丁度よいのではないかと思います.「頭が痛いときに頭痛薬を飲んで仕事にいく」のと同じように,痒みが強いときに内服するという使い方と似ています.
そして,最近出てきた新しい薬は、複雑だったアトピー性皮膚炎のかゆみの大部分を抑えてくれる(9割くらい)感覚です.例えばIL-4,13というサイトカインを抑えただけで、かゆみの9割が治まるということから,サイトカインとプロテアーゼのところは、互いに関係しあっていそうですね.
ちなみに,私が今内服しているは、JAK阻害薬という薬ですが,デュピルマブと同じか,それ以上に素早く,かゆみ自体を抑えてくれています.
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