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健康食は、単一食材ではなく組み合わせで考えよう


健康的な食事が脳の萎縮を防ぐというのは、もはや当たり前のように言われています。

オランダで行われた4213人の研究で、野菜、果物、ナッツ、魚の摂取量が多く砂糖入り飲料を飲まない人は、そうでない人に比べて脳の容積が大きいことが明らかになっています。この研究グループがこれらの食事を地中海食に置き換えてみたところ、やはり同じような結果が出ました。地中海食とは、野菜、果物、ナッツ、豆類、全粒粉、ヨーグルト、魚、赤ワインなどを含む料理です。(Croll PH, et al. Neurology. 2018 May 16)

地中海食 イラスト

「〇〇が脳に効く」と言った単一の食材ではなく、多数の健康的な食品の組み合わせが脳の健康に影響する可能性がこの論文で示唆されています。ここがとても大切なポイントです。赤ワインが良い!ヨーグルトが良い!などとひとつに着目しすぎると、複合的な作用が見落とされてしまって結果的に効果が得られないばかりか、過剰摂取によるデメリットも発生します。

私たち日本人の和食も、素晴らしい健康食として世界から注目されてきました。と言っても現代の和食ではなく元禄時代以前の食事です。1977年すでにアメリカのマクガバンレポートで最も理想的な食事として紹介されたのが1700年代の日本の食事でした。マクガバンレポートとは、2年間かけて3000人の疾患と栄養に関する調査を行って5000ページにまとめられた研究資料です。

和朝食

元禄時代はまだ精米技術がなく、玄米、あわ、ひえ、麦などが主食でした。穀物は精製することで食物繊維、ミネラル、ビタミン、酵素などの貴重な栄養素失われます。

また、調理法も現代とは全く違いました。生、茹でる、煮る、焼く、が基本です。食用油が庶民に流通するようになったのは明治時代中期頃からなので、炒め物や揚げ物を一般の人が食べるようになったのは比較的最近のことなのです。

そして、白米や揚げ物が食卓の定番になるにつれて、昔からある漬物などの発酵食品の出番が少なくなりました。魚介類の摂取量は減って、肉類が増えています。野菜は季節に関係なく摂れるようになったので、旬のものを食べる習慣も減ってきています。
 世界から注目される理想の食事をしていた日本に住む私たち。精製されていない穀類、旬の野菜、お魚、発酵食品を活用して、未来の自分に元気な頭と体をプレゼントしましょう!

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