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棋王戦第1局は引き分けだけど、今後の将棋界に与える影響は大きいのではないかという話!

こんにちは、サカモトです。

今回は毎週月曜日と木曜日の2回投稿しています。今回は木曜日の記事となります。

さて、今回は将棋の話題です。将棋界は藤井八冠の話題一色ですね。相変わらず藤井八冠強すぎます。

そんな藤井八冠の強さに暗雲が漂ってきたと言ったら言い過ぎでしょうか、でも、そんなことになってもおかしくない話を書きます。

まず、タイトルにあるように棋王戦第1局は2月4日に行われて、持将棋指し直しとなりました。つまり、分かりやすくいうと引き分けです。

棋王戦は五番勝負なので、3勝した方が勝ちのタイトル戦です。その第1局が引き分けとなったわけです。ここまで読んだ方はふーん引き分けなのね、と思うだけかもしれませんが、ただこれがただの引き分けではありません。

藤井さんの対戦相手の伊藤七段がはじめから持将棋狙いだったようなのです。これに対しては、引き分け狙いなんておかしいとSNS上では非難する声がありました。

しかし、これは二重の意味で深い意味を持つ結果となったと見ています。

まず、一点目は藤井さんに対して、持将棋狙い(つまりは引き分け狙い)も有効な一つの作戦として認識されたのではないかということです。

二点目は、もしかしたら将棋のルールを変えるかもという話です。

それぞれ説明していきます。


まず、一点目について、説明するにあたって、藤井さんの成績に触れないわけにはいきません。今年度藤井さんの成績は圧倒的で、2月4日の対局を含めて、40勝6敗1持将棋で勝率なんと8割7分です。

藤井聡太を忖度なしで応援するブログより
https://fujiisouta.xyz/sente-gote.html

これまでの年度勝率の最高成績が47勝8敗の8割5分5厘なので、その記録を更新かと話題になっています。八冠をとった年に記録更新になればまさしく空前絶後です。

これだけではありません。さらにすごいの先手番の成績です。

藤井聡太を忖度なしで応援するブログより
https://fujiisouta.xyz/sente-gote.html

なんと、2月4日までで23局対局があって、なんと1敗しかしていません。勝率なんと9割5分5厘です。すごすぎませんか。

10局指しても1敗しなくて、20局指してやっと1敗するかどうかという成績です。つまり、藤井さんは先手番になればほぼ勝ちが確定という状態です。もちろん、対局の内容を見れば負けそうになったこともありますが、結果として見ればほぼ勝ちという状況です。これだから八冠独占するわけですけどね。

一方、伊藤七段は今勝ちまくっている若手で、竜王戦で挑戦者となりました。その時は気を衒わず、真正面からぶつかっていきましたが、結果は4連敗でした。

内容的には、例えるなら伊藤七段が160キロの豪速球とキレキレの変化球を投げたものの藤井八冠がホームランを打ち返したような将棋でしたね。

その他のタイトル戦でも色んな棋士が色々試行錯誤して、藤井八冠に向かっていきますが、全部打ち返されている状況です。後手番も大変ですが、先手番をどう打ち破るかが、藤井八冠の対戦相手のテーマです。

そこで、出てきたのが伊藤七段の持将棋作戦です。これまではいかに勝つかでみんな作戦を考えてきたわけです。でも、ここは考え方を変えて勝つことをやめて、引き分け狙いにすればいいのではと考えたんだと思います。

まあ、引き分け狙いも簡単ではないのですけどね。

今後の戦いを見ていく必要はありますが、もしこの持将棋狙いが有効だとしたら、藤井八冠が先手の時は持将棋狙い、後手の時に勝負を挑むということになっていくのではないかと想像するわけです。

そうすると、さすがの藤井八冠も勝率が落ちていくのではないかと想像するのですね。果たしてどうなるのか、これは今後の結果が楽しみになりました。

ちなみに、棋王戦の第一局の結果には、一般人はともかくとして、プロ棋士を含め、関係者はざわついております。

例えば、AI将棋界で今一番強いと言われている水匠の作者のたややんさんはこんなツイートしています。角換わり(将棋の戦法の一つ、藤井八冠の得意戦法)は持将棋が結論になったのではないかと。

これが本当だとしたら、この影響は限りなく大きいように思うのですが、どうなんでしょうか。

ちなみに、このツイートにある「24点法持将棋」の部分が二点目の将棋のルールが変わるかもねの話に関わる部分です。


それでは、二点目の将棋のルールが変わるかもの説明をします。

それは持将棋のルールです。持将棋とは、どういう状況かというと、双方の王様が相手の陣地に入って詰ますことができなくなる状態のことです。

その場合は、持っている駒数によって勝敗が決まります。大駒(飛車と角)が5点、そのほかの駒が1点になり、プロ棋戦だと24点以上あればよく、24点ないと負けというルールになっていて、両者が24点あると引き分けということなのですね。

これがアマチュアの棋戦やAI将棋だと、27点法が取られていて、もっと厳しいことになります。実は将棋の駒は全部で54点であり、両者が同じ駒数だと27点ずつで、どちらかが1枚多くなればそちらの勝ちとなるわけです。さらに、両者27点で同数だと後手番の勝ちとなり、27点法は必ず勝負がつくわけです。

プロ棋戦がなぜ24点法かというと、これまでも色々と議論があったようですが、将棋とは相手の玉を詰ますゲームで、駒の数だけで勝負を決めるのは良くないといった考え方のようですね。

しかし、今後持将棋狙いが多くなり、持将棋が多くなってきたとしたら、(持将棋を成立させるのは至難の技だけですがね)もしかしてプロ棋戦も27点法を採用ということになるかもしれませんね。

あとですね、今中継を見ているとAIの勝率表示がありますが、あれってAIは持将棋ルールが27点法だからということがあるらしいです。そのようなことを渡辺九段もツイートしています。


ということで、長々と書いてきましたが、棋王戦第1局の結果は引き分けということになりましたが、将棋界に与える影響は大きいんじゃないかという話を書きました。

まあ、将棋って深いので、簡単に結論を出すことはできませんが、引き分け狙いで行くよと相手が来た場合にそうはさせないといくのか、それとも引き分けを許容するのかといった難しい選択を迫られるわけです。

この事によって藤井八冠が大きく調子を崩すことがあっても不思議ではないと思います。どうなるんでしょうかね〜。


最後に、藤井さんが八冠を取った王座戦を特集したこちらの本が面白かったので、リンクを貼っておきます。対局者の永瀬さんと藤井さんの話だけでなく、取材した記者などにもインタビューしていてかなりの読み応えです。

間違いなくおすすめです。


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