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「ピクサー 世界一のアニメーション企業の今まで語られなかったお金の話」を読んで感じたこと

今回紹介するのは、ピクサーの本です。


この本はかつてピクサーで最高財務責任者をつとめた方の著書です。

ピクサーというと、どうしてもアニメーターとかエンジニアとかのクリエイター側に注目が行きがちだけど、裏方とも言える財務の責任者の話です。

でも、多分今ピクサーがあるのは多分この人のおかげ。

やっぱり、裏方がしっかりしている会社、組織はいいね。それは当然か。

この本は94年から2005年のピクサーがディズニーに売却されるまでがメインの話。

一番この本で感銘受けたのが、映画トイストーリーが公開された直後にIPOしたところ。

IPOって株式公開のこと。上場と行ったりもするけど。株式市場から資金を調達するってことだけど、一番いいのは無名の会社がこの会社いけてんじゃんと評価が爆上がりの時にIPOするのが一番いい。ただの紙っぺらが数十倍数百倍の価値を生むことになるからね。

ただ、それが一番難しい。無名の時はなかなか協力者が得られないので、準備が進められないし、また、いつ評価が爆あがりするのか事前に見極められないからね。

ピクサーが有名になったトイストーリーが公開されたのが、95年なんで94年というと、まだ全然知られていなかった時代。

作者もスティーブ・ジョブズから一緒に仕事やろうと電話かかってきた時、ピクサーを知らなかったという。(ピクサーはアップルの創業者のスティーブ・ジョブズが買収した会社)

そんな会社なものだから、取締役の選任、投資銀行の剪定など色々すべきことがあるもののなかなか進められない。しかも、オーナーのジョブズは頑固でわがまま。従業員との仲も良くないという状況。

笑ってしまうぐらいうまくいかないんだけど、粘り強く準備を進めて、トイストーリーがヒットし、莫大な資金調達に成功する。

初めの苦しい状況から一転して、状況が好転するところが本当にスカッとする。ここがこの本の読みどころだと思う。

現状は評価はされていないんだけど、きっかけがあれば世間から評価されるもの、言うなれば売れないアイドルを応援するファンのような気持ちが重要だよなと、例えがちょっと違うかな。でも、今の評価ではなくて将来の評価、本当の価値を信じることが重要だなと感じる。こうしたことを大事にしていきたい。

で、さらにすごいのが、その資金をこれから継続的にアニメ映画を制作できる体制を整えるために、採用や教育といったエコシステムに投資したり、設備の増強といった必要な対策を次々と打っていたこと。これによって、その後のバグズライフ、トイストーリー2、モンスターズインクなどのヒット作を連発できたと感じた。

そういう意味で、この本ビジネスとしても参考になるし、読み物としても面白いので、ピクサーのヒット作を思い浮かべながら読むのいいと思う。

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