宇宙飛行士の試験関連の本3冊

最近、宇宙関連のニュースが多くて、これからは宇宙かなと思い、色々と調べていくと、今年宇宙飛行士が募集されるらしい。

宇宙飛行士か〜、と色々と調べていくと、前回の選考の過程を描いた本を3冊見つけ、それがそれぞれ面白かったので紹介することにする。ほんとおもしろかった。

1冊目が「ドキュメント 宇宙飛行士選抜試験」

前回の試験は、初めてNHKの取材が入ったそうである。

人生を左右するセンシティブな試験の現場に入るのは、試験を開催する側もそりゃ躊躇するよね。それをなんとか取材クルーの熱意と粘り腰で実現した。

放送後は試験開催の主体であるJAXAには、いくつものメディアから苦情が来たそうである。

放送の様子はNHKオンデマンドで見ることもできるのでぜひご覧ください。

ちなみに、宇宙兄弟で選抜の様子が描かれますが、読んでた時は作者の想像の世界と思ってましたが、あれって結構リアルだというのがよく分かる。取材力すごい。当然か。

特に1週間くらい、閉鎖棟の中に閉じ込められるというのも本当。

(宇宙兄弟のワンシーン)

2冊目は、「宇宙飛行士選抜試験 ファイナリストの消えない記憶」

これは前回の選抜試験で最終選考まで残ったものの、惜しくも宇宙飛行士になれなかった人の本。

冒頭が選抜試験の結果発表当日の様子で、ここでの作者の様子がいたたまれない。

勝者と敗者が明確に分かれ、勝者は記者発表など光の当たるスポットに行き、敗者は打ちひしがれる。どんな試験でも合格発表で落ちるのは嫌なもの。でも、だからこそドラマにはなるんでしょうけど。

作者はこの時の心の傷が何年も癒えず、引きずったそうです。

ちなみに、試験の経過を一次試験から事細かに記述しているのと、試験の前の対策の立て方、考え方がしっかりしていて、さすが最終選考に残るだけのことはあるなと感じました。

そんな作者も今ではすっかり立ち直られていて、宇宙飛行士挑戦コミュニティを立ち上げていて、宇宙飛行士に挑戦する方のために尽力しています。

3冊目は、「宇宙飛行士という仕事 選抜試験からミッションの全容まで」

これは今までのものとは毛色が違う。

今までのは宇宙飛行士試験そのものに焦点を当てた本だが、この本は、宇宙飛行士試験も描いているが、焦点を当てているのは宇宙飛行士の仕事だ。というよりも、宇宙飛行士を支えるスタッフとして、国際的にどのような役割を果たしてきたかという話だ。

実は日本にはまだ人を宇宙に運ぶロケットがない。ということはNASAに宇宙飛行士をロケットに乗せてもらうことになる。

当然ながら、日本人宇宙飛行士が宇宙に飛び立つためには、NASAに対して日本が宇宙戦略に対してどのような役割を果たすかの政治力が必要になってくる。その政治的な話が80年代からわかりやすく語られていてためになる。

宇宙飛行士の募集がどうして不定期なのか、世界の宇宙政策がどうなのか、それに対して日本がどう関わるのかがすごい重要で、その中で日本人宇宙飛行士が必要とされるかどうかを見極めながら募集をかけなきゃいけないというのが難しいミッションというのが分かって面白い。


ということで、毛色の違う3冊を紹介してみました。でもどれも面白いです。

本は苦手という人もNHKオンデマンドでドキュメントを見て欲しい。それだけでも宇宙飛行士にかける熱い思いを感じられていいですよ。



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