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つながる知と知の響き合い 『MIRATUKU FORUM ARCHIVES 2016-2019 ミラツクが500人と考えた未来のこと つながる知と知の響き合い』

 さすが、ミラツク! 素敵な装丁の素晴らしい本が刊行されました。

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紹介文を書こうかと思ったら、以下にすでにありました。

さすが、写真も素晴らしい。光の入り方で、この本の装丁の美しさがさらに際立っています。

 私も2019年12月にフォーラムに参加しました。それが本書の中に収められています。

・稲場圭信、杉下智彦、内野加奈子、佐分利応貴「未来をより良くしていくために。社会の盲点とどう関係性を築き直すか?」pp.533-554.
 ライターの平川友紀さんが担当してくださいました。ありがとうございます。以下で公開されていました。

 私の発言をいくつかピックアップ。

日本社会は、自覚的な宗教者が非常に少ない国です。各種意識調査や価値観調査をして、宗教を信じていますかと聞くと、イエスと答える人は20%ほどです。逆に言えば、8割が無宗教だと思っています。ところがそうであるにも関わらず、お寺や神社に行ったらみんなが自然と祈っている。ご先祖様、仏様、おかげさまっていう感覚を多くの人がもっているんですね。これを私は「無自覚の宗教性」と呼んでいます。
これが、利益効率中心で、人を物のように切り捨てていく後期近代社会の大きな動きの中で、別の視点を日本人に与え続けていくのではないかという気がしています。(p.543)
先ほど、GDPや偏差値などの指標の話が出ました。表情の数値化を、多くの人が気持ち悪いと思いながらも科学はどんどんそちらに進んでいきます。なぜかと言うと単純に、わかりやすいからですね。(p.549)
でも数値化は今後もどんどん進んでいくだろうし、AIの力でいろいろなものが勝手に動くようにもなります。だからこそ人間は、意識的に別の視点を持たないといけません。一部の物差しで、数値的に上の人だけを集めていったら、たぶん社会は終わります。
丸ごとのあなたが大切なんです、今ここにいるあなたが大事なんです。これができない、あれができない、そういうものを丸ごと認めていく多様性が、社会をもっと強くしていきます。そういう多様性を担保していく社会をどうつくるかということが第一なのかなと思います。(pp.549-550)

 600頁をこえる知と知の響き合い。是非、手に取ってください。以下のオンラインサイトで購入できるようです。


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