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designing plus nine 2020年度のメインビジュアルをデザインした話

2017年度入会のまるそうです。東大の四年生です。

今年のdp9メインビジュアル

さて、私たちdesigning plus nineは毎年(二年連続二回目)その年のグラフィックを定め、新歓イベントをはじめとした各所で使っています。

2020年度のビジュアルはこれです。新歓でサークルを探す中、見かけたりした方もいらっしゃるのではないでしょうか。

写真c

要はその一年のデザインサークルの顔となるグラフィックな訳です。

デザインサークルの顔!やばい!例えるなら「ジャニーズ事務所の顔!」やばい!

そんなグラフィックの作成を私は任されることとなってしまいました。2月半ばのことです。

方向性

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これが昨年度のグラフィックです。

昨年はこの二つの方向性でビジュアルをデザインしていました

- PANTONEの今年の色をグラフィックに入れ込む
- アナログな手法を取り入れる

「とりあえずこれをシリーズにしようぜ!」という意見の一致です。議論交わすまでもない意見の一致ほどありがてぇもんはねえ。

一応きっちりと理由をそれぞれ整理しておくと
「PANTONEの今年の色は毎年発表されるので企画フレームとして強い」「普段デジタルデザインばっかやってるので、こういう気合入れるのではアナログを取り入れて新鮮さを保ちたい」ですね。

2020年のPANTONEの色は「Classic Blue」です。だいたいこんな色。ということで色は決定ー。爆速意思決定。

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ところで今年のメインビジュアルの担当になった私は写真が得意です。自分で言うのもあれですけど、写真が得意です。二回言っちゃった。

んでもって自然とこんな方向性に定まりました

- 色はClassic Blueを想起させる色
- 手法は「写真撮影

さあ!作っていこう!

素材を探しにハンズへ

ということで渋谷ハンズに行った。渋谷のハンズ、6F建てみたいな見た目してるのに、実質20個ぐらいフロアがある。すげぇ。

あ、特に店内の写真はないのでここからは想像でお楽しみください

今脳内にあるものは「青〜青〜青いもの〜」です。青いものに飢えた目で店の棚をジロジロ見て回ります。

薄青い半透明のフィルムが売ってました。インドの布屋さんみたいに長さで切り売りで。「これを複層重ねてそのグラデーションを撮るとかありだな〜」とか言ってた。

ハンズを30分ぐらい回ったところで、突如同行者が「俺、石、砕きたいんだよね」とかジャンプ漫画の修行編みたいなことを言い始めました。駄々をこねて聞かないのでハンズのクラフトフロアに行きました。

石がありました。

小さい石がゴロゴロゴロゴロ。ジップロックみたいなのに小分けで売ってます。我々は青が欲しいので青い石を探す。

あったぜ。青メノウ。これは青い。

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こんな感じのを3つ買った。これは直線の模様が綺麗だったやつ。他に曲線感の強いものを2つ買った。

後ろはティッシュの箱の開けるところ。白くて高さがいい手元にあったもの。

撮影

さて、石を撮影しましょう。準備よくマクロレンズを持ってきていたので寄って撮っていきます。

手持ちにそこまで凝った機材がなかったのでありもので合わせていきます。ティッシュの箱が白かったので台にします。そこらへんにあった白いコピー用紙で少し光をまわしたりしました。

素直に上から光を当てたもの。Lightroomで色をいい感じに調整

写真a

表面から当てていた光を背面から当てたもの。白い部分がクリアな感じになって良さげ。

写真b

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同行者が「ちょっと俺、石砕いてくるわ」とベランダに行って砕いてた。同行者、有言実行えらいぞ。こんな感じになった。川内倫子さんリスペクトらしい。

10パターンぐらい撮る→パソコンに取り込んでLightroomで調整→掘ったら面白そうな方向を定める→10パターンぐらい撮る→...をしばらく繰り返しました

そんな撮り方でしたので、120枚の写真をゆっくり1時間半ぐらいかけて撮りました。

スクリーンショット 2020-04-26 22.27.26

選ぶ

比較検討画像

さて選ぶフェイズです。いい感じの写真をいい感じに切り取って選びます。直観的に6つのビジュアルを選び出しました。石砕いたやつは残念ながら入らなかった。

こっからが一番大変です。正直に言うとどれも僅差のクオリティ。そこから微妙なクオリティの違い、展開可能性の良さ、一年間を背負うビジュアルとしてふさわしいかをじっくりと見極めていきます。

画面だけで見ていても埒があかないので、セブンイレブンで印刷してきました。

爆烈に悩む。マジで悩む。どれでもいい気がしてきた。どれもかっけえ。

エグザイル みたいに印刷した紙の周りをグルグル回りながら眺め続け、ずーっと悩んでいました。

決定した

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さっきまで石砕いていた同行者とせーので指差してこれに決定しました。

他の候補は背面からの光当てのなか、唯一残っていた正面当て。
他と比べて画面内の変化が多く景色の広がりが広いのと、上部分のモシャモシャの毒加減、他と比べて柔らかい雰囲気なのが決め手でした。

写真d

決まったので縦の場合、横の場合、正方形の場合を用意。

完成〜やったね。

いい感じになった

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このビジュアルをベースにして新歓ビラを作ったり

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立て看板作ったりした

スクリーンショット 2020-04-26 22.49.43

本体を毎年作り直さずに済むように、紙面に雨避けフィルムを直接貼らずに、透明なフタをし密閉する仕組みにしました
フタが壊れない限りは何度か使い回せます(多分)し、シワシワになりにくいです
枠の側面にツヤ消しをしたアルミテープを貼り、枠にメリハリをつけ、紙面が目立つようにしました
足まわりは少しだけ整理しました

余談だけど、この立て看板作った後輩、さては天才だな?ええ、彼は天才です。

文:まるそう(東大, 2017入部)

designing plus nine / 公式Web: http://designingplusnine.com / Twitter: https://twitter.com/dp9_official / お仕事のご依頼や入部希望は公式WebもしくはTwitterよりお願いします。

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