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春の中で

砂場で光る粒を探し出すかのように、
君から貰った言葉を遡っては宝物だと再確認して心にしまうの。

愛おしいものに触れた私はどうすることも出来ず、
君の心の美しさに泣くことしか出来ない。

あどけなくて可愛い声は私の心を掴んで離さなくて、
この声が聞ける日々がどれくらい続くのか不安がよぎる、それくらい愛おしいの。

君を失うことが怖いから、
君とのこれからを始める勇気のない私を
どうか許して欲しい。
少なくとも君を見る私の目が愛おしいと想ってることくらいきっと気づいているよね、多分。

私は君を騙せないから、自分のことも騙せないから、きっといつか耐えられなくて君の名前を口にして、伝えてしまうだろうな。
多分その時は、希望と絶望の間で泳ぎ疲れているから、何も言わずにありがとうだけ言って欲しいな。

幼い頃、一生懸命シロツメクサで花冠を作っては大事な人へあげていた。
君が花に詳しかったら、バレるけど
本当は君にもあげたかったんだ

拗れた強がりは残雪を溶かして最後に残ったのは意気地無しの私で、春になっても寒いままだ。
強がりなんてするもんじゃないと私は初めてそこで気づくの。
春の暖かい日差しで呼吸ができないなんてばかばかしい。

こんな一人よがりの私を
春の中から見つけ出して欲しかった。

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