シェア
登るはやさの 違いが分かる 老いの楽しみ
飽きもせず 森の移ろい 浸かり居り
山懐に 抱かれて 薄伸ぶ
墓の前 野芝剥がして 汗滲む
雨上がり 秋の風受け 踊る華
寺の柿 枝曲がる程 すずなりに
野菊咲く 陽光あたる 庭先で
鹿葉喰む 午前二時前 窓下にて
清々し 作務終えての 達成感
秋空に 薔薇一輪の 贈り物
先を観る つまらぬ癖が 抜け切らぬ 今此処在るに 不足無からむ
往く秋を 惜しむかのよに 法師鳴く
山に在り 暮らしし窯の 跡遺し
十六夜の 未明ぽっかり 顔を見せ