銀杏が金木犀が彼岸花が、天球を染めていく、何故か?だってね、時間軸は逆行しているんだ。もう、帰る時間だよ。然して電灯は付けたまま、消したらそこでお終いだと思ったから。指が震えるのを、呼吸が止まりそうなのを、何でもない風に繕って、平気な風を装って、微笑した。或いはそれは苦笑だった。

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