春と夏、青とグレーの臨界点、輪郭が蝋みたく溶けて、微睡に沈んで夢の中へ、紫陽花の淡さが窓を蹴破って、花のような雨と踊りだした、いつか蒼い落雷に打たれ、脆く潤んだ瞳孔は、流線的柔らかさを含有する火焔、疼き出した痣は宇宙、丁寧に星屑を乱反射して、夜を越えて、朝鳥の囀りに微笑み返す。

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