学習性無力感について
人生とは、諦めていく過程のことである。
そんな台詞を吐いたのは、大学生ながら起業をし、少し泡銭を稼いだ人間だった。私は、向上心が高く、有り体にいえば成功者の部類である彼がそんな事を言うので、びっくりして思わず尋ねた。
「でも諦めずに色々頑張ってるんじゃないの?」
すると、彼は何とも言えない笑顔を浮かべた(彼のよくする愛想でも本気でもないもの)。
「色々試したからこそ、出来ないことを知ってる。頑張ればもしかしたら出来るかもしれないけど、やりたくはない」
じゃあ一体この人は、今までどれだけ挫折をして、物事を諦めたんだろうか。これからずっと、出来ないことを避けて生きるのは、大人になったって事なんだろうか。
幼い子どもの未来に可能性を感じるのは、まだ彼らが諦めていないからなんじゃないか。そんなことを思った。
きっと当の本人は、コスパが良いからとか言うんだろうけど。