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底地の評価額を知れば査定の根拠が分かる!3種類の評価方法とは

底地などの事情のある物件も含め、不動産を売却する際の査定の目安になるのは評価額です。不動産の価値を第三者に客観的に評価してもらうことで、売却時の見積もりが適正か否かということを判断する際の目安になります。あるいは等価交換など他の手段を選ぶべきか否かを判断する際の参考にもなります。

底地の場合、売却の方法や相手方によって評価額が大きく変動することや、評価方法が複数あることなどから、底地を手放すことを検討されている方は、底地の評価についての知識を学んでおくべきです。

今回は底地の評価方法について、できるだけ専門用語を使わずにかみ砕いて詳しく解説します。

底地の評価方法は3通り!取引相手で大きく変わる?

底地の評価方法は、その他の不動産とは異なるやや特殊な事情があります。従って、評価方法も特殊な事情を踏まえたものとなっています。

まずは評価方法についての基本的な考え方と評価方法の種類を紹介します。

底地の評価額は取引相手によって大きく異なる
一般的な不動産よりも流通性が低いことから、不動産価値を評価する際にも、そのような事情を踏まえて計算する必要がありますが、中でも最も大きなポイントとなるのが取引の相手方です。

底地の売却相手として理論上考えられる売却相手には、以下の三通りがあります。

■借地人
■不動産業者の買取
■一般の第三者(不動産業者の仲介)

上記の三通りです。


底地売却の相手方は借地人がベスト

底地を売る相手には、借地人(底地に建物を建てて使用している人)、もしくは第三者(不動産業者を含む)の2通りがありますが、可能であれば借地人への売却がベストです。

売買手続きによって第三者が底地を取得した場合、借地人が立ち退かない限りは自由に売却や増改築や売却ができず、地代の回収や地代価格の交渉などの負担を担わなければならなくなります。この時、底地を取得した第三者のメリットは地代などによる収入が生まれることです。

一方、借地人が売買手続きによって底地を取得すると、借地人は不動産の完全な所有者になれます。

地代を支払う義務が無くなり不動産価値も高まるので、借地人にとって底地を取得するメリットは決して小さくないのです。しかし、借地人にまとまった金額が必要になるので、事情や状況によっては借地人への売却がうまく進まないことも考えられます。

借地人への売却がスムーズに進まない時には、底地専門に買取を行っている不動産業者に買取依頼をすることが理想的な最善の手段の一つです。

底地専門の不動産業者の探し方については、「底地売却は専門業者に!探し方に迷ったら一括査定が効果的 」にて案内しているので、ぜひ参考にしてください。


底地の査定依頼は一般的な不動産業者ではなく専門業者に依頼すべき

「底地は売れにくい」という話を耳にして、心配になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか?

確かに底地は、通常の不動産物件とは異なる事情があるため、底地売買の実績の少ない一般の不動産業者では取り扱いが難しい物件です。買取を断られてしまったり、相場よりもずっと安い査定額を提示されたりすることもあるでしょう。

ですが、上で少し案内しましたが、底地を専門的に取り扱っている不動産業者も存在します。

こうした業者は、底地の転売・運用についての実績が豊富であり有効活用する術を把握しているため、他の不動産業者よりも底地を高く評価してくれる可能性があります。

一般的に、最も底地が高く売却できるのは借地人と取引をするケースで、更地価格の50%程度が相場となっています。一方、不動産業者に売却する場合には、底地割合の10%程度となっています。

第三者への売却に関しては、地代で十分な収益が確保できるような状況でもない限り、売却自体が困難です(不動産税などの支払いを差し引くと、地代によって収益をあげられているケースは非常に珍しいので、大半のケースで売却が困難です)。

底地売却時の相場については「底地買取の相場を解説!売れない底地を高く売るためのコツを大公開」 にて詳細を解説しているので、気になる方はぜひ参考にしてください。


底地の査定の際に必要な書類・情報

物件の情報を細かく伝えると、底地の査定がスムーズに進みやすくなります。どんな情報や書類が必要かについては不動産業者ごとに若干異なりますが、概ね必要なものは以下の①~⑤です。

①住宅地図などの底地の場所を特定できる書類
②登記簿謄本
③土地賃貸借契約書(定期借地権など、期間の設定がある不動産の場合には、期間を表す書類)
④公図
⑤測量図

特に①底地の場所が特定できる書類・情報は、査定を依頼するためには必ず必要です。②~⑤は、査定額の精度を高めてくれる情報となります(②~⑤を準備することで査定額がアップする可能性も!)

また、査定後に売却する際には以下のものが必要になります。

・ご自身の身分証
・実印
・印鑑証明
・登記済み権利書(登記識別情報)
・固定資産税の納税通知書

※住所変更などがある場合にはほかにも書類が必要になってきます。
必要な時に提示できるよう準備しておくことをおすすめします。

底地査定の手順

底地の査定依頼の前に把握しておきたい3点を押さえたら、不動産業者との手続きを進めましょう。

不動産売却時時の査定には、以下の二種類があります。

買取査定
不動産業者に底地を買い取ってもらう際に、業者が支払ってくれる金額のことです。査定額=売却額です。
仲介時の査定
目安として「この程度の金額で売れる」という予想額です。必ずしも査定の金額で売却できるわけではありません。

底地の場合、仲介よりも買取の方が確実なので、ここでは買取査定を想定した売却手順を案内します。

査定の手順①専門業者を探す

底地は通常の不動産とは物件自体の特徴も運用も異なるため、即時に高値で買い取ってくれる業者を探せるかどうかが結果を左右します。

【お困り不動産どうする】はお客様が抱えた悩みに合わせて不動産会社をご紹介いたします。

査定の手順②査定を依頼して比較検討する

希望の業者が見つかったら、必要な情報を業者に伝えて実際に査定を依頼します。

短期間で売却したいケースでも失敗を防ぐためには、複数の業者に依頼するのがセオリーです。連絡先などの簡単な情報を入力すれば業者側から連絡が入る仕組みになっているので、問い合わせもスムーズです(なおかつ、個人情報や物件情報のセキュリティ面でも安心です)。

査定に要する期間は、一般的には数日以内に結果が分かることが多いです。ただし、不動産業者によって対応が異なる部分もあるので、お急ぎの方は査定の依頼時に完了までの日数の目安を確認しておきましょう。

底地の評価方法は主に3通り

底地を売却する場合の評価方法は、以下の3通りのいずれかを用いるケースが想定されます。

■割合方式
更地価格×底地割合によって求められます。

■取引事例比較法
売却する底地と、条件の近い取引事例を参考にして評価額を算出する方法です。取引事例比較法も借地人に売却するケースで用いられる手法です。

■収益還元法
地代や更新料など、購入者が将来得られる収益を元に計算する方法です。

一般的に借地人に対する売却の際には、割合方式や取引事例比較法、第三者に対する売却の際には収益還元法が用いられます。借地人に売却する際に、割合方式と取引事例比較法のどちらが用いられるかについては、査定をおこなう不動産業者の判断次第ですが、不動産の地域性や状況などを踏まえて専門的な判断がなされます。

不動産業者によって査定額が大きく異なる可能性もあるので、評価方法の基本的な考え方を理解したうえで、実際に複数の業者に査定を依頼して判断されると、分かりやすいのではないかと思います。

次の章以降で、3通りの評価方法の基本的な考え方について紹介していきますので、評価方法を理解するために参考にしてください。

底地の評価方法 ①割合方式の計算方法とは?

借地人に底地を売却する際に最もよく用いられるのは、割合方式による計算です。底地の本来の評価額を算出した後に、一定の調整をしたうえで評価額を算出します。

底地の本来の評価額
底地の本来の価格は、以下の計算式で計算できます。

底地の本来の評価額=公示価格×(1- 借地割合)
計算式を見ても「意味が分からない」という方も少なくないと思いますので、一つひとつ解説します。

◆公示価格
公示価格とは、国土交通省の土地鑑定委員会が地価公示法に基づいて、適正な地価を示すために示している価格のことです。不動産の売買や相続、行政の公共事業のための土地取得の際の価格の指標となる価格です。

公示価格は国土交通省のホームページで確認できますが、公示されるのは地域ごとにいくつかピックアップされたスポットのみです。

ご自身の不動産の価値を割り出すには、路線価から計算した方がスムーズです。路線価は、更地1㎡あたりの評価額の一つで、国税庁ホームページにて公開されています。目安として、公示価格は路線価の8掛けとなっているので、路線価×0.8で公示価格を算出することができます。

参照:https://www.land.mlit.go.jp/landPrice/SearchServlet?MOD=2&SKC=23226
(地価公示・地価調査・取引価格情報 | 土地総合情報システム)

参照:http://www.rosenka.nta.go.jp/
(国税庁:財産評価基準書路線価図・評価倍率表)

◆借地割合と底地割合
借地権が設定されている場合、一つの土地に対して借地人と地主という二人の権利者が存在することになります。不動産価値についても「借地割合」と「底地割合」といった形で、住宅価値に応じて案分することになります。言い換えれば、底地割合とはその土地の権利の中で底地の価値が何割を占めるかということです。

具体的な借地割合は、国税庁の「路線価」のホームページで公開されています。そして、1から借地割合をマイナスしたものが底地割合になります。傾向としては住宅地を始め、商業地になるほど借地割合が高い傾向があります。


底地本来の価格は売買の際には参考にならない

運用が困難な底地が、本来の評価額で売買取引されることはまずありません。従って、借地人に売却をする際には、底地割合で交渉するケースが一般的です(具体的には土地の利便性や形状などを踏まえて計算します)。

ただし相続の際などには、不動産鑑定士によって計算された本来の評価額が目安になります。

底地の評価方法 ②取引事例比較法の評価額とは?

取引事例比較法は、不動産業者が過去の取引を参考に評価額を決定します。

どのような事例を類似の案件として参考にするのかは不動産業者によって異なるので、評価額としてどのような結果が出されるかはケースバイケースで大きく異なるケースも珍しくありません。

地主の方の立場から考えれば、取引事例比較法という評価方法があることを把握したうえで、複数の不動産業者に査定見積もりを依頼されてみてはいかがでしょうか?複数の査定を比較することで、評価額の大まかな目安についても把握できることでしょう。


底地の評価方法 ③収益還元法の評価額とは?

収益還元法の評価額は、元々の地代や更新料を元に計算されます。

地代や更新料などの収益を踏まえて計算されます。不動産業者に底地を売却した場合、不動産業者にとっても借地人がそのまま建物に居住し続ける場合には運用しようがありません。借地人は法律で権利が守られている以上、プロの不動産業者でも借地人が希望していない限りは立ち退きを求めたり、底地の買取を求めたりすることはできないからです。

利回りをどの程度に設定するかは、それぞれの不動産業者の判断次第ですが、不動産業者にとっても無理なく回収できる金額での評価になるため、最初に紹介した通り借地人に直接買取をしてもらうよりも大分安い価格での買取になってしまいます。

まとめ

底地を売却する際の金額の参考になるのが評価額です。

底地の評価額は、土地そのものの評価額に加えて借地権との権利関係が大きく影響を及ぼします。不動産がどのような条件の土地に存在するか(大都市・地方都市・農村集落など)によって、借地権との関係性も大きく変化するので、地域の環境を把握することも重要です。

底地の評価についての理解を深めることで、査定額の根拠を把握することができ、不当な価格で底地を手放すことを防ぐことにもつながります。今回の記事を底地の売却や査定の参考にしていただけたら幸いです。

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