資格取得 ITパスポート編

ITパスポートとは

IPA主催の情報処理技術者試験のうち、スキルレベル1(最も易しい)の試験です。
旧制度では初級システムアドミニストレータ(通称:初級シスアド)という試験がありました。
当時は基本情報・ソフトウェア開発技術者(現在の応用情報)がITエンジニア(開発者向け)、初級シスアドがITユーザー(利用者向け)となっていました。
しかし実際は基本情報の下位扱いで基本情報の踏み台や実力試しで受験する方も多かったようです。
こうした状況から明白に基本情報の下位資格となるよう平成21年に再編成されてITパスポートが始まりました。
合わせて基本情報・ソフ開も見直しし、利用者向けの内容も出題されるようになりました。
初級シスアドはITパスポートと基本情報・ソフ開に分割されて部分吸収が正しいかもしれません。
なお、上級シスアドはシステムアナリストと共にITストラテジストへ吸収合併されました。

ITパスポートと初級シスアドの違いは以下の通りです。
・ITパスポートは利用者・開発者共通、初級シスアドは利用者向け
・ITパスポートは午前試験のみ、初級シスアドは午前試験の他に午後試験もあり(基本情報等と同じ)
・範囲が広いのはITパスポートだが、初級シスアドは利用者としての知識はレベル1の枠を超えていたため世間一般論の難易度は
初級シスアド>ITパスポート と言われている。
(ちなみに 上級シスアド<ITストラテジスト と言われている)

取ろうと思ったきっかけ

取ろうと思ったきっかけは下記の2点です。
基本情報技術者を取りたいと思ったが、その前に実力試しをしたかった。
・父に初級シスアドの取得を勧められた。
※父はIT企業勤めで旧制度の第一種・第二種(現在の応用情報・基本情報)を持っています。
 旧制度の特種(現在のシステムアーキテクト)、オンライン情報(現在のネスペ)も受験したが取得できず、レベル4の取得は諦めたようです。
 当時はまだITパスポートは始まったばかりですから「初級シスアド」と言ってしまったのも無理はないかと思われます。

事前勉強

結論から言うとなんと全く勉強しませんでした。
一夜漬けどころかゼロです、ゼロ
そもそも参考書すら持っていません朝の直前確認すらできません
一応、当時私は高校3年生で学校で情報を多少は学んでいたとは言え、元々は電気科だったものを数年前に電気情報科に改変したほどなのでカリキュラムや科目数などは明らかに電気に偏っていましたでした。
「情報処理試験がどんなものか試しに受けてみよう」という舐め腐った態度でした。

試験当日 噂の起床試験

受験会場はとある大学。広島区佐伯区にあります。
広島区佐伯区…うっ…頭が…
そう、広島免許センターと同じ広島市佐伯区です。
「情報処理試験はレベル3までは起床試験」なんて言われますが、遠いので確かに起床試験かもしれません。
でも集合時間は9時免許センターは8時30分
そもそも試験会場は駅から歩いて行ける距離です。免許センターは歩いて2時間
そう、運転免許試験が最強の起床試験となっている広島県で免許を取った私に取っては起床試験などまさに朝飯前

真面目に考察すると「基本情報」と「起床」で韻を踏んでいるのと、下位レベル試験は常識の範疇で答えればある程度わかるという意味で揶揄を込めて「起床試験」と呼んでいるのだと思われます。
情報処理試験は受験会場が各都道府県にあり、さらに複数個所あるところもあるとのでぶっちゃけ数ある国家資格の中でもゼロ次試験である起床試験の難易度は低いほうだと思われます。
(政令都市でしか実施しない国家試験も多いのでそちらの方が遠方の会場になりやすく起床試験の難易度は遥かに高い。前述の通り広島県だと運転免許のほうがまだ難しい

それに今は原付がありますから原付で簡単に行けます。途中までは免許センターと共通の道です。
受験票には車・バイク・自転車で来ないでください」と書いてありますが田舎でいくらでも停められるだろうと思い原付で出発。最悪の場合でも駅なり隣駅なりに停めればだろうと思ったので。
実際、受験会場近くの空き地に止めてる人続出でした。どころか大学構内に「自転車やバイクはこちらです」と案内しているじゃありませんか。来年同じ会場だったら次はバイクで大学まで来ようと思った瞬間です。
ちなみにこの時人生で初めて「大学」というところに来ましたが広くて綺麗な設備で驚きました。いいなぁ大学…なんて思ってました。

さて、いざ試験開始。
もう何年も前のことなのであまり覚えていませんが、分かった問題も分からない問題も半々くらいでした。
「(さすがに勉強ゼロでは無理か、これは落ちたかな)」というのが当日の感想でした。

自己採点、そして結果発表

情報処理試験は模範解答が当日中に出るので自己採点。
自己採点では58/100問。6割必要なのにあと2問足りません
惜しかったが全く勉強してないわりにはかなり健闘した。
次はどうしようか、もう一度受けるか、それとも飛ばして基本情報を受けるか…

と考えながら数週間経過、試験結果発表当日になりネットで成績照会をしてみる。
受験番号 〇〇の方は合格です。
得点:600/1000点
あれ?合格じゃん。
点数調整なのかよくわからないけど合格だった。

そういえば合格証には点数が書かれるという噂だ。
あっ…私の合格証には600点って書かれちゃう?ギリギリがバレる、恥ずかしい…

数日後に郵送で届いた合格証には点数の記載はありませんでした。
(前年度は点数が記載されていただとか…)

私「やったー、合格だったよ」
父「やったじゃん、次は基本情報受けるの?」
これはもう受けるしかないですね。元々本来の狙いは基本情報なわけですから。

資格取得後

この資格の使い道ですが

就活時に資格欄に記載してアピールできた。
当時は運転免許以外にろくな資格を持っていませんでしたので少しは役に立ったかもしれません。
就活時は基本情報技術者は試験は済んでいましたが合格発表待ちだったため備考欄に「自己採点では合格(合否発表待ち)」と書くことしかできませんでした。

上位資格の踏み台になった。
問題の形式や当日の雰囲気、時間配分など最下位資格ながら踏み台としては役に立った気がします。

・会社のeラーニングが免除となった。
私の勤務する会社では全社員に向けてIT基礎のeラーニングが実施されましたが、初級シスアドやITパスポートを持っている人は免除になりました。

表彰金がもらえ…なかった
入社後に取れば表彰金対象でしたが、入社前に取った人は残念ながらもらえません。一括払いの表彰金制度ではなく資格手当として給料自体が増える会社ならよかったのですが。
ITパスポートは比較的簡単な資格なので取ってから入社してもらえないと嘆いている人は多いようです。「採用試験時に評価されるから有利だったでしょう」という定なのかもしれません。
一方で簡単に取れるし発行手数料も要らないわりに表彰金がそこそこなのでうちの会社では多くの社員の小遣い稼ぎに使われているだとか…

余談ですが今はITパスポートはCBT試験(指定の受験会場にあるパソコンでやる試験)になっています。
私はCBT試験になる前の最後の試験でした。
毎月受けられるようになって敷居はさらに下がっています。
自分の取った資格の価値が下がってしまうようでちょっと悲しい気もしますが、多くの人が受けやすくなったことは好ましいことでしょう。
比較的簡単に取れる資格なので高校生・大学生で就活でアピールしたい方、資格手当が出る方、表彰金が出る方はぜひ取得してみてはいかがでしょうか。

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