容姿と好感
なんの言葉がいつ刺さって呪いになるかなんてわかんないよ。
まったく記憶にないが、告白をしたことがあるらしい。本当に記憶がないから嘘なんじゃないかと思ってる。多分嘘。確実に嘘。
小学一年生のときに告白された、という話を中学生になって本人から思い出話のように聞かされた。初めて知った。告白なんかしたことないけどなぁ…。思い当たることが無さすぎてひどく驚いたが、当時を否定する材料もなさすぎて怖い。本当なん?なんか第三者まで一緒になって肯定するのもガチさの純度が高くて嫌だった。でも第三者、お前はクラス違かったじゃん。やっぱ嘘なんかな。一生会うことはないだろうから答え合わせできない。
「流石に断るよね、見た目終わってるもん。」
昼休み教室残ってる組は確かにそれなりの距離感を保ちながら仲良くやってたから楽しかったし、一回だけ大人数で放課後家に押し掛けてWiiのスマブラをやったこともあった。スマブラ童貞卒業。セカンド童貞へ進化。そいつの母親がすげえ迷惑そうにしてて早よ帰りたかったけどオレンジジュースが美味しかったから見ないふりした。普通に小学生のときも中学生のときも同じ場にいれば話してたような記憶があるけど、過去振った(らしい)やつとよく仲良くしてくれたな。ゲームの力偉大なりや?
そしてこの第三者さん、嘘でも面白がってすぐ話し合わせるから正直信用がない。
こいつ、中学のときにこちらが思いを寄せてるみたいな勘違いをされていたのもすごくムカつく。お前話が合うからって人が簡単に好いてると思うなよ。話を合わせてやってたんやぞ、おごるな。あー嫌い、くそがお前。ほんまに嫌い。身長でかかったのも嫌い。舐めやがって。
手の甲に『黒執事』と『ライチ☆光クラブ』の契約の印みたいなやつ油性ペンで書いてたこと忘れないからな。
『中二病でも恋がしたい!』に憧れて眼帯つけてきたこと忘れないからな。
『C³ -シーキューブ-』をロッカーに全巻置いて喜んでたこと忘れないからな。
こいつとも結構仲良くやってはいたが、陽キャの悪口はもちろんぶちまけるから裏で自分も相当言われてるだろうなと思ってたら、ちゃんと面と向かっても言われたな。
「髪の毛こんな感じでぐちゃぐちゃで、肌が汚くて、太ってて、体毛はこんなん!」
あの絵が脳裏にこびりついてて嫌だ。似ているのも嫌だ。現実を理解させてくれるのにすごく役立った。人からみたらあんなにひどいのかと。怒れなかった。あの絵から未だに逃れられてない。成長しないな。捨てたとしても消えないから逆に捨てる必要すら感じない。
運動ができなかった。できない姿をよく見られていた。例えばそれは持久走。例えばそれはバスケットボール。例えばそれは組体操。
「あの荷物もっと見た目がよかったらな~!!」
「「あいつのせいで負けるのにさー」」
容姿がよかったら荷物じゃなかった?運動ができないことと見た目が悪いことは全く別の問題なのに取り違えないで頂けますか。いやたしかにそうなんだけど。容姿がよくて運動できないとかほぼ見ないからその批判は正しいのかもしれないね。
知恵袋とかでよく見る。質問者が女の子なら、回答「胸だけでも価値を見いだしてくれていることを感謝しましょう。」とか、本気で言ってるの?本気で?人を、何だと思っている?という気持ち。容姿が悪ければ全てを否定される。肉体、本能に訴えかけることでやっと認めてもらえる?そんなの認めてもらったのうちに入らないよ。認めてはいけないよ。
自分は他者に迷惑をかけるから、誰からも好かれないから自分から近づいてはならないみたいな価値観は結構ここら辺で言われたことも一因になっているような気がします。繊細。誰かに踏み込んで良いほどの立場にいるのかお前は?お前が好意を寄せたものには迷惑がかかるぞ?という思考。他者に踏み荒らされてるのに優しすぎるね。
あー激ブスだったのか!一番下なのか!そっか!じゃあ世の中の人の顔はみんな良い顔だな!!こっちが判断するなんてとんでもない、棚にあげすぎだろ!って他人を肯定できたのは容姿コンプが良い方向に向いた例じゃないかと思ってるよ。感謝(^人^)。
度重なるクローズドな場所での容姿リンチは人を化け物にする。声が大きければ大きいほどそれは正義となる。私は晴れて悪役とされ、倒されることもなくその力を強めてしまった。いつか暴君ディオニスになれることを願う。
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