あなたの『同人誌』インドネシアで広めます
始めてNoteを制作させて頂きました。ネット書店で本のバイヤーやったり、出版社で漫画とかラノベを海外に売る様な仕事をした後、名古屋で出版系のスタートアップをやってます。DouDouDoujinの水谷と申します。
<記事の目的>
漫画家の方々と仲良くなっておきたい、でも自分で作ってるサービスまだまだ未完成で何もお返し出来るものがない(困った)。となった駆け出し起業家が、たまたまインドネシア市場に出会い、同人漫画家のインドネシア展開なら、今の段階でも役立てそうだなって思い、自分の作品を海外に広めてみたいと考えている、漫画家を見つけるために書いています。
なので、そう言った人たちの判断材料になる様、なるべく役に立ちそうな情報をまとめました。ご不明点はTwitter(@DouDouDoujin_PR)の方にでもDM下されば、またお返事したいと思います。
インドネシアの人口動態
漫画やアニメと言ったコンテンツの消費は若い人が多い事に越した事はありません。そして単純に人口動態を見ると、見事なまでにピラミッド型です。インドネシアの29歳までの人口で、日本の総人口の1.257億人を抜きます。
加えて、単純な人口動態もあるのですが、私がインドネシアに注目しているのは、インドネシアに行ってみたからこそ感じた、日本への関心度の高さです。日本語学習者数で見ても、インドネシアはタイやベトナムと比べてもかなり高い事がわかります。
また、体感値ですが、日本のローソンやファミマが進出していたり、タクシーから日本の曲が流れてきたり、日本車がたくさんあったりと、親日的な感じを受けました。
インドネシア版のコミケ『ComiFuro』
「日本は人口減少社会だから、海外進出を行う必要がある」とニュースでは聞きますが、それで行動を起こせるのはまた別だと思います。私の場合もたまたまインドネシア人の知り合いができ、「良かったらComifuro来てみないか?色々な知り合いを紹介できる」と、ビジネス的にも価値が生まれそうだと踏んで、去年の5月に初めてインドネシアを訪問しました。
会場の雰囲気はこの方の動画がわかりやすいと思います。日本のコミケと同じ様な感じです。ちなみに去年の5月に初めて訪問した時は、これだけ日本の文化が浸透しているのに、日本人に一人も出会えませんでした。
数字で見る『ComiFuro』
イベントの資料を見ると、2012年から年2回開催され、私が初めて訪問した2023年5月のイベントでは42,000人、次の2023年12月は50,000人程の来場があり、コロナ後も成長しています。コミケにはまだまだ及びませんが、東京コミティアの来場者数が、15000人〜25000人と書いてあるので、現段階でも東京コミティアの2倍ぐらいの規模があります。
また、年齢層としてはメインが13~25歳。次に26~35歳と書いてあり、男性65%で女性35%とありました。購入力(BUYING POWER)としてはUp to IDR 500,000とあるので、日本円で言うと5,000円までぐらいみたいです。興味領域は、漫画、アニメ、ゲーム、コスプレ、Vtuber。みたいです。
実際に体感した『ComiFuro』
この手前がインドネシアに呼んでくれた、私の友人のブースです。常時賑わっている通りに面しており、歩き疲れたら彼のブースに座らせてもらって、また見て回ってくるみたいな動きをしておりました。
『Comifuro』で実際に販売されている同人誌
日本の漫画家の方々がインドネシアで漫画を売る際に、まず気になるのが「物価」だと思います。ただ意外にも日本と同じ金額感でした。なんとなく、首都のジャカルタまで来たり、漫画やアニメをグッズとして買えるオタクを趣味にできる人は、ある程度生活に余裕がある人ではないかと感じています。(私をインドネシアに呼んでくれた彼は、トラック物流会社の社長の息子でした)
以下が実際に同人誌を販売しているブースを正面から撮った写真です。日本語の感じがかっこいいのかタイトルに日本語をつけてますね。中身は英語かインドネシア語です。付箋で100Kとか75Kとか60Kありますが、大体0を1個つけたら日本円です。なのでこのブースなら600円〜1000円で販売されてます。
もう一点参考です。現地で仲良くなったサークルの方から参考に商品ラインナップをもらいました。オリジナルと二次創作がありますね。サイズもA5やB5、ページ数も24~36ページで、500円〜800円と大体日本の同人誌と同じです。ちなみに「DOUJINSHI」と書いてありますが、インドネシア人のオタクにとって、「DOUJIN」は普通に知ってる単語みたいなので親日感があって嬉しいです。売れ行きとしては、このJDMGサークルで一度のイベントで200~300冊が売れるみたいです。
『Comifuro』の出展サークル概要
Comifuroでの調査レポートも頂く事ができたので、参考になりそうな物を一部公開します。調査チームから調査分析方法まで記載されておりました。OverViewの所の、登録サークル数1084。Non Fandom Originalsのサークル数が352という所で、1/3がオリジナル作品を作ってきており、インドネシア人は単なるファンというより、自分自身もクリエイターになりたいという気持ちが強い事を感じます。
※Non Fandom Originals:「ファンダムに依存しないオリジナル作品」という意味で、特定の既存のアニメ、マンガ、ゲームなどに基づかない、独自のキャラクターや世界観を持つオリジナルの作品を出展するサークルを指しています。これには、独立したストーリーを持つオリジナル漫画や、作者独自のイラストなども含まれる。
Fandom(作品ごとのコミュニティ)としては、Genshin Impactや、Honkaiと、中国発のゲーム原作のIPがTop1位2位と人気が高く、その次に呪術廻戦、ホロライブ、にじさんじ、チェーンソーマン、ブルーロックと日本発の漫画原作とVtuber原作が並んでいるので、日本は多様性で戦っていく感じになるのかと考えました。ちなみに、Mobage(たぶんモバゲー)もインドネシアのオタクの言葉として定着しているのかと少し嬉しくなりました。
以下では、オリジナル作品、Fandom1位(原神)、漫画1位(呪術廻戦)、Vtuber1位(ホロライブ)の商品を取り扱っているブースに色をつけた物をまとめました。おそらくWebカタログからの手入力に加え、Researchチームがそれぞれのブースを訪問し、何を販売しているのか、目視で確認しながらまとめたのだと思います。この配置図でオリジナルがここまで多いのを見ていると、海外で漫画家志望者が増えているという話の実感が湧いてきます。
今後のまとめ記事
こんな調子でインドネシアに関しまして、全4回で書いていこうと思います。今回はできるだけ、主観的にならない様に、日本人の知らないインドネシアのオタク事情を同人誌に絞って、紹介させて頂きました。次回は私が去年の12月に実際に雑誌を作ってComifuroに出展してみたので、実際に出展するとどんな感じだったのかと言った体験を、今後出展を検討する人の参考になりそうなTipsも含めて記事を書いて参ります。
3/28(木):あなたの『同人誌』インドネシアで広めます
4/4(予定):インドネシアの出版&書店概要
4/9(予定):インドネシアのVtuber概要
掲載作品を募集します
海外展開に興味があって、きっかけを探している漫画家向け。
今年の5月もインドネシアのイベントに出展し、許諾を頂いた漫画を英訳し、雑誌にまとめてPRしてこようとしています。この記事を読んで、インドネシアに興味を持ち、自分の作品も掲載してみたいという方がおりましたら、コチラのStep1の掲載枠の確保にご入力ください。(所要時間1分)
(枠が埋まった場合、上記は締め切りましたという表記に切り替わります)
前回ご一緒頂いた漫画家の方(大変楽しかったらしく、今回もご一緒頂く)から、お金を払ってでも掲載して欲しい方はいるはずという事で、今回は新しい取り組みとして雑誌の中で80P分、募集も募りたいと思います。(掲載枠埋まり次第終了)
4P掲載なら5000円、8P掲載なら1万円で、翻訳、雑誌掲載、現地での販売、現物を郵送させて頂きます。募集が遅くなって申し訳ないのですが、翻訳や印刷の関係もあり、4/15 23:59(月)を期限とさせてください。書き下ろしでなくても、既存のSNS等で公開済みの作品でも問題ございません。
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