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修行のつづき その2

そしていよいよ、東京に行くことになります。
初めはチョコレートの技術を身につけたい!
そんな軽い気持ちで東京へ。
ここで初めて明かしますが第一志望だったのは日本でも知らない人はいないくらいの有名パティシエ鎧塚シェフの所へ応募して研修させていただきました。

今でも緊張して何も出来なかったことを覚えています。又、前職でレストランで一人でやっていた私はチームでお菓子を作ることから離れていたので全く結果が残せず、不採用になりました。
そのあと町を一人でフラフラ歩き、どうしよう悔しい。。。かなり落ち込みながら町を歩いていた時。
ん?ちょっと待てよ。数年前東京にいる友人とケーキ屋さんを食べ歩きした際、感動する程美味しいと感じたお店があったな。。
これまた有名店エコール・クリオロだ!!
私はそのままお店に行き、ケーキを食べここだ!!っと又勢いで決めてしまいサントスシェフと奥様の愛さんと面接へ。
なななんとっ…そのままとんとん拍子で採用が決まりました。

試練の幕開け

これからどんな技術が身につけられるのかなぁと少し浮かれていた様に思います。            

初出勤日を迎えて扉を開けると、数十人のパティシエが広いラボで集中してケーキを仕上げている光景をみて身も心も締め付けられるような気持ちでした。
なんと言っても、サントスシェフも世界クラスの高いレベルを持つパティシエですがスタッフもトップレベルの方々の集まり。

ぼぉ〜としてしまった私をみて、おいっ‼︎手を洗えよ。と言われたのを覚えています。のちにこの方もトップオブパティシエ 優勝 アジア2位の実力者。

仕事が綺麗、早い、効率的、常に状態のチェック、安定の美味しさをキープする為にこまやかな気遣いが正に世界クラスだ…。

とにかく仕事が遅くて雑

これが私が東京に来て自分自身に感じた事です。
それからと言うもののとにかく毎日予習復習練習、スムーズに仕事を進める為、良い状態であげるにはどうしたら良いのか考える日々。
チョコ場に行きたいと思っていた私は
そんなレベルじゃない。今まで6年間やってきた事が無意味なぐらいレベルが高い。。
やり直しだ、お菓子にちゃんと向き合わないと。そんな気持ちになりました。

サブレ焼き

しばらくして私の所属するチームが決まりました。
焼き菓子部門、通称 焼き場。
ここが私の今のフィーリングにかなり影響を与えてくれたと感じています。
はじめの試練はサブレ(クッキー)焼きです。
毎日40鉄板くらいのサブレを朝のケーキを仕上げながら焼かないといけなくて、ただでさえ仕上げも慣れていないのにサブレ焼き。えっ⁈40鉄板!
やばいやばい〜泣きそうになりながらやってましたね。笑
はじめはやはり焼きムラ、そもそも焼けてない焼けてるの感覚が無かったので怒られる日々。当たり前です。このサブレ焼きが終わらないと次の焼き菓子が焼けず全ての仕事が止まるわけですから。

粉にまず火を入れて、色を全て合わせるのが難し過ぎる。
当たり前の事なのでまずこれが出来ないと話になりません。

6年間積み上げたからどうこうなるわけでは無い世界なので東京へでて約2年は下積みからやり直す日々でした。

次回につづく…。

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