見出し画像

KESHIKIの日記

ASILIS主催イベント「KESHIKI」に行ってきた。
ASILISは、PERIMETRONの西岡将太郎さんと、音楽家で俳優のHIMIさん、音楽プロデューサーでダンサーのDr.Payさんによって2020年に立ち上げられたクリエイティブ・レーベルとのこと。
「翌日、会社が休みで良かった!」というくらい疲れたが、楽しかった。

今回行ったライブ

・5/26(金) KESHIKI@LIQUIDROOM(東京)

タイムテーブル

18:00-18:30 Gliiico
18:45-19:15 鋭児
19:30-20:00 Duende
20:15-20:45 HIMI
21:00-21:30 小原綾斗とフランチャイズオーナー
21:45-22:15 Dr.Pay
22:30-23:00 どんぐりず

ライブの感想

17時開場、18時開演。ポスターに書いてある終演時刻が23時30分で、体力的に最後までいられるか不安だった。あと23時30分にLIQUIDROOMを出たら、終電に間に合わない気がして。
そんな開演前の心配は杞憂に終わり、どんぐりずのステージが終わるまでいることができた。

Duendeと小原綾斗とフランチャイズオーナー(以下、FCO)以外、ライブを観るのははじめてだった。
一番手のGliiicoはファッションが素敵で、演奏する前から見入ってしまった。
私自身はファッションに興味がないというか、興味を持てる範囲が100までだとすると、おそらく75くらい読書とTempalayとぬいぐるみで埋まっているので相対的にファッションへの興味が低くなってしまう。無限に興味を持ちたくても無理じゃない?時間が足りない。
一日にたくさんの人の音楽とお話を聞いたので、いつも以上に記憶があやふやなのだが、ボーカルのKaiさんが何かの(ブランドの?)服が好きでつくったって仰っていた曲があったような……。何かを好きって、それを音楽で表現するくらいって良いなと思った。全くそんな話をしていなかったらすみません事案すぎる。

鋭児もはじめて観た。Spotifyで聞いたことはあったものの、ライブを見るのははじめてなので楽しみにしていた。ボーカルの御厨響一さん……み、御厨って!かっこいい名前に憧れのある私が羨ましいと思う名字だ。人の名前を書く時に下の名前で書きがちだが、名字がかっこいいと名字で呼びたくなるね(脳内で)。話が逸れた。
御厨さんは片足を骨折中のため、椅子が用意されていた。てっきり座って歌うのかと思ったら、椅子に骨折した足で膝をついて、もう片方の足で立って歌っていた。なんなら片足でぴょんぴょん跳ねながら歌っていた。
音源しか聞いていないからどんな人なのか全く知らなかったけれど、なんというか生命の衝動が擬人化したような方ですごかった。
音楽はベースがすごくかっこよくて、気持ち良くて、ずっとベースの音を聴いていた気がする。ベースの菅原寛人さんは、Dr.Payさんの時にも出ていたような?

Duendeは、2022年3月5日に行われたsaccharinとの「超存在感 vol.6」以来に観た。その時は確かNAGAN SERVERさんがコントラバスを弾かれていて、かっこよすぎて震えた記憶が……この日は演奏はされていなかった。
たまにオーケストラコンサートへ行くと、コントラバスの音に注目(注耳?)しがち。また機会があったら演奏している姿も見たい。
曲から音楽が好きで、楽しんでいるのだろうなって感じが伝わってきて良かった。

HIMIさんもはじめて観た。この日に出演した人の中で一番会場の空気に溶け込んでいた気がする。溶け込むというか、会場の空気になる?
本を読んだり、映画を観たりする時にあらすじを読まずに作品を読む/観ることが多い。HIMIさんの名前を目にしたことはあったけれど、それ以外は何の知識も入れずにライブを観た。
御厨さんは生命が生きている感じがして(変な日本語)、HIMIさんは音楽が生きている感じがした。HIMIさんが音楽自身といったような……私は自分自身に対してすごく意識的だと思う。だから空気を吸うみたいに自然な行為として生きられない。HIMIさんは音楽が自然な行為の一つって感じがした。素敵なステージだった。

FCOは感情が爆発してしまうので最後に書く。

FCOの次はDr.Payさん。こちらもはじめて。DJかと思ったら踊り始めてびっくりした。
小学生の時点で、音楽・体育のように身体を使った教科は無理だと悟り、切り捨てた私。体育の授業は、如何に仮病を使って休むか考えていた記憶しかない。
自分がやることは一生なさそうだって思っているけれど、観るのは別だよね。あんなに近くでダンスを観たのははじめてかもしれない。
途中で御厨さんも入ってきて、すごく賑やかなステージだった。私の切り捨てた世界はこんなにも眩い世界だったのか……という感じがした。

最後はどんぐりず。2022年のFFKTで気になりつつ、スチャダラパーと時間が被ってて観られなかった二人組。
お隣がどんぐりずファンの方で「はじめて観るんです」って言ったら、「すっごく楽しいですよ」って教えてくれた。お隣さんの言葉通り、ライブは楽しくて、そしてめちゃくちゃ疲れた。家に帰ってお風呂に入り爆睡した。どんぐりずのライブの翌日は学校や会社を休まなければならないという学び。
ライブとは関係ないけれど、どんぐりずの黄色い背景の宣材写真がすごく好き。TwitterのTLに流れてくると目立つ。色も好き。変えないでほしい(?)。

順番が前後した。FCOのライブの感想を書く。
このイベントは、FCOの出演が発表されてから取った。一番の趣味が読書で、可処分時間のうち読書の割合が一番高いと思われる。日本語を聞きながら日本語を読むことができないので、読書中に聞くのは坂本龍一さんや、エリック・サティなど、ピアノの音楽が多い。あとホワイトノイズとか。
日常的に幅広く音楽を聴くわけじゃない、あまり漁ったりしないから、FCO出演のおかげで色んな音楽を知ることができてうれしい一日だった。

人間はいつ死ぬか分からないし、急に解散とか有り得るし、仕事や体調や色んな都合でライブに行けないことなんてざらにあるので行けるライブには行っておきたいという気持ちが強すぎる。
よく「真面目に聞かないでください」って仰る人に対して、重すぎる感情を抱えており申し訳ございませんって感じであるけれど、この日の30分も食い入るように観てしまった。
綾斗さんがライブ中に観客席を見ていないって、てんぱれい祭りのMCで仰っていたが、とても安心する。「あいついつもいるな」って少しでも思われる可能性があったら、いよいよ私はマッドサイエンティストにでも頼んで、透明人間になる手術を受けなきゃいけなくなる。
なお、綾斗さんは観客席にいるアラタさんは目に留まるらしい。

セットリストの参照先は脆弱な私の記憶に拠るので、盛大に誤っている可能性があるが書いておく。

01.BAD FAMILY
02.BAD BOY
03.伴侶が泣いてんよ
04.鮭
05.とびだせトマソン~俺たちのEvery Little Thing
06.おさんぽTOKIO
07.SO-ZO
08.おかしな気持ち

えっ!30分でこんなにやったっけ?順番に自信はないが、書いた曲は全部やった気がする……30分の破壊力すごい。

普段からよく聴いている曲なのに、その曲の良さを急に再認識する時がある。「『鮭』、良すぎるのでは?」という電流が体内を駆け抜けた日にライブで聴けるなんて、とても幸せだった。
壁打ちアカウント状態のTwitterで朝から良すぎツイートを連投してしまった。ただTwitterは検索性が高すぎて怖いので、最近は控えめにしている。つもり。できているのか?
Twitterのリンクからnoteに飛んで読む酔狂な人は(酔狂って言うな)殆どいないので、そういう意味でも日記をはじめて良かった。

この日、綾斗さんの声が掠れていた気がする。心配な気持ちもありつつ、『鮭』や『おかしな気持ち』では、一層胸が締め付けられるようで良かった。
音源の『鮭』でも「オーバーキルみたい」とか、「ピンクトゥナイト」の部分がなんて良いのか……ってため息をついて頭を抱えたくなるくらいなのに!
綾斗さんの声の出し方と、歌詞と、メロディーの相乗効果というか、合致というか、語彙力も表現力も足りなくて「素晴らしい」って言葉に頼りがちなのだけれど、今日も素晴らしいって日記に書く。素晴らしいことには違いないので。

というわけで今日も『鮭』ばかり聴いていたが、リピート再生していたら4~5年前から読もうと思っていた本のことを思い出した。
赤坂憲雄先生の『性食考』という本。数年前に京都へ旅行した際、恵文社一乗寺店で平積みされていたのを見掛けて気になっていた。今日調べて赤坂先生の本だったんだって知った(著者名まで見ていなかった)。
『鮭』に「その鱗の艶美も笑みも完食したい」って歌詞がある。『性食考』の内容説明にも「食べちゃいたいほど、可愛い」って表現がある。冷静になって考えると、食べちゃいたいくらい可愛いってよく分からない。「目に入れても痛くない(ほど可愛い)」という表現もあるが、何故そんなに体内に取り入れたがるのか?食べることと愛すること。すっごく気になるテーマ。読もう。

日記にたくさん書いても、書ききったって気が全くしないくらい綾斗さんの曲や歌詞が大好きなのだけれど、よく分からない歌詞もとても多い。
『鮭』も何を歌っているんだ?って感じがする。何かで「歌詞に意味はない」って仰っていた(気がする)から、ただ、"Shake it up baby."の"Shake it"の部分が、鮭(しゃけ)っぽくて面白いという理由で生まれた曲なのかなと考えたりした。音源未発売の頃のライブで聴いていた時は曲名も知らなかったので、まさか「シャケなBabyよ」と歌っているとは思わなかったな。英語じゃなかったのか。

あと、「滝登り」って歌詞が気になる。

鯉の滝登り
1.鯉が滝をのぼること。また、勢いのよいことのたとえ。
2.《黄河の上流にある滝、竜門を登ることのできた鯉は竜になるという「後漢書」党錮伝の故事から》立身出世することのたとえ。

goo辞書「鯉の滝登り」

「滝登りと言えば鯉!」って思っていたのだけれど、鮭も滝というか川登りをする生き物だった。滝登りもするのかな?

鮭が川の流れに逆らって登ってゆくことを「遡上」というらしい。どうして遡上するのか気になって調べた。

鮭が生まれた川に帰ってきて遡上する理由は、鮭が産んだ卵を安全に孵(かえ)すためといわれています。

川で生まれた鮭が1匹で産む卵の数は、3千~4千粒ほど。何万、何十万粒の卵を産む海水魚と比べると、鮭の卵は非常に数が少ないことが分かっています。

もし鮭が海で産卵した場合、わずか3千粒ほどの卵はほとんど流されてしまうか、他の魚に食べられてしまうでしょう。
貴重な卵を守るため、鮭は生まれた川に戻り遡上して、他の魚に食べられないように砂に穴を掘って卵を産み、また砂を被せるという方法で子孫を残しています。

大迫力!鮭の遡上が見られる場所・観察ポイント」より部分引用

産卵のためとは知っていたものの、そういう理由があったとは!生まれた川に戻ってきているというのは知らなかった。「まわる」に「回る」ではなく「廻る」という漢字が使われているのも良いなと思う。
えんにょうの付いた「廻る」は「輪廻」の「廻」だからか、巡り巡る感じが強まる。鮭が産卵のために生まれ育った川に戻るため遡上してゆくことを思うと、「廻る」の良さが強まる。

作品の『鮭』じゃなくて、生き物の鮭の日記になってきた。そうだ、私はライブの感想を書いていたんだ。ライブ、そう、『鮭』が良かったってこと。

『おかしな気持ち』を毎回最後に演奏してくれるのがうれしい。「夏が終わってしまう」の後の大樹さんのドラムが良かった記憶。
『おかしな気持ち』は好きすぎて、音楽の教科書に載せたい。後世にこの曲を遺さなければならぬという気持ち。文部科学省に頼めばよろしいのでしょうか。いや、私が頼まずとも、教科書に載らずとも、素晴らしい作品はずっと伝わってゆくものなので大丈夫と、一人脳内会議を開いてしまうくらい良い。
この日、泣きそうな顔をした後にへにゃって笑って片方の口の端を吊り上げて笑うの「それはいかん」って気持ちになってしまった(?)。それはいかん!

LIQUIDROOMに行くの何回目?って感じなのに、またしてもドリンク交換を忘れて家路についた。LIQUIDROOMでドリンク交換を忘れるの通算5回目くらいなので、次もまた忘れちゃうかもしれない。一生ドリンク交換は忘れても良いけれど、ライブのことはちゃんと覚えていてね。頼む、私の脳味噌!