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Double Dutch Delight Japan 2018 CHAMPION「GREIF」~5人で切り開いてきた道~ #02

(掲載:2018年10月28日)
※掲載時の内容を転載しておりますが、一部の内容・表記を改訂しております。


ダブルダッチの学生最高峰の大会「Double Dutch Delight Japan」が10月21日にカルッツかわさきで開催されました。全国各地から選出されてやってきたチームの想いが激突し、例年以上にハイレベルな戦いを制したのは、日本体育大学ダブルダッチサークル「乱縄」所属の「GREIF(グライフ)」。2位は「孔雀(クジャク)」、3位は「吼凰華(クウガ)」と、乱縄の4年生が3位までを制した大会となりました。
優勝直後の「GREIF」にお話しを伺いました。聞き手はモエが担当。第2回目は、「GREIF」がチームを作り上げる上で大事にしていたことを語っていただきました。


(▼第1回はこちらから)

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GREIFがノーミスの理由

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――これからJAPANを目指す人に伝えるなら、どんなことが大事だと思いますか?

ユウイチ
ダブルダッチで上を目指す人ならみんな必ず「練習では通るのに本番で何でノーミスでないだろう」って考えたことがあると思うんです。僕も同じことで悩まされて。それで、GREIFは今年の夏から練習方法とデモ作りをちょっと変えたんです。


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「GREIFは今年の夏から練習方法とデモ作りをちょっと変えたんです」


――そうだったんだ。どういうことにこだわったの?

ユウイチ
僕が導き出した答えは2つあります。

まず1つ目は無理をしないこと。
簡単なように聞こえますが意外と難しくて、新しく作るデモって今の自分たちが持ってる最大限のパフォーマンスをしようとして作るから、気づいたら自分たちのスキルのキャパを越えてしまって、結局無理をしてしまうことが多いと思うんです。

無理をしないというのは「3分間常に余裕を持っていられる」状態であって、一つ一つのムーブの話ではないと僕は思ったんです。
そういうデモを作ると、練習の時にオープニングとかステップなどのいわゆるパート練は簡単に通るので逆に不安に感じたんですけど、でもそのくらいが丁度いいんです。簡単に作った後は、どうやったらかっこよく見えるのかを追求したらいいと思います。結局かっこいいのが1番だと思うんですよね(笑)


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「結局かっこいいのが一番だと思うんですよね」


――なるほどなあ。2つ目は?

ユウイチ
2つ目は通しをたくさんやる事です!これもめちゃくちゃ簡単なことですよね(笑)でも僕が1番伝えたいことです。

チームでオリジナルのネタがあるとします。そのネタって1抜けや、アクロや、縄などの基礎の技の組み合わせや見せ方ですよね。基礎の技はダブルダッチを始めて何百回とやってきてるんで当然できる。だとすれば基礎を組み合わせたネタなら少し練習すればできる。っていうことは、デモも一緒なんじゃないか?って思いました。

強引になりますけど、3分間のデモ自体が、1抜けやアクロや縄の組み合わせや見せ方などの「1つのネタ」だと考えた時に、そのネタの練習をしているチームってすごく少ないと思いました。
大会前になると、チーム練の時間に集合して、タバコ吸って、1曲目練習して、ダンス練習して、ステップ練習して、ラス曲練習して、一通りデモのパート練をして、じゃあ何分に通しをやろうってなって、通してみたらノーミスでなくて雰囲気悪くなる。

パート練ではできてるのに…そんな練習の仕方をしてるチームが多いと思うんですけど、通しをやるなら通しの練習もした方がいいんじゃないかな?って思いました。
パート練で通ってるってことはもうすでにスキルは備わってるんですよね。
何が足りないかっていうと、通しをしている時の集中するところだったり、落ち着くところだったりっていう「メンタル面」が足りないんじゃないかと。

「3分間集中して落ち着いてデモをやる」っていうメンタルがみんな欠けてるのかなって。なので、スキルの練習はパート練でやって、通しの練習ではアクロや、ダンスの振りとかは全力でやらずに「ノーミス出すこと」に全力を注いでやったらいいと思います。
そうすると自然と、全力で通している時も集中力が切れなかったり、落ち着く事ができるんじゃないかと。

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「『メンタル面』が大事です」


――メンタル面、大事だね。GREIFはどういう風に練習していたの?

ユウイチ
GREIFはチーム練の時間に集合したら、まず最初は通しをやっていました!
そこではアクロもやらないし、ダンスやステップの振りもそこそこしかやらないですが、ノーミスを出す事を常に意識してました!パート練をひたすらやるんじゃなくて、時折、通しの練習をして3分間動き続けるという環境に体と心を強制的慣れさせました。
この2つのことを実践してみれば、パフォーマンスの質があがってミスが少なくなると思います。

――それがあってこその今回の圧巻のパフォーマンスだったんですね。貴重なお話をありがとうございます。




大事なのはチームメイトをリスペクトすること

――パフォーマンス中は、チームの一体感が印象的だったんですけど、どんなことを大事にしていましたか?

ユリナ
やっぱり一番大事なのは、チームメイトを信じることだと思います!


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「大事なのは、チームメイトを信じることだと思います!」


ユウイチ
練習でよくシリアスになったりするじゃないですか。そんな雰囲気を吹き飛ばすために毎回「チッチ」をしていました(笑)

――チッチ・・・・?

カナ
「いっせっせ」ともいうゲームです。練習終わった後に、縄とアンプを持って帰る人を決めるのに毎回「チッチ」をしていたんですよ。

ユリナ
雰囲気が悪く練習終わったとしても、こうやって「チッチの2」って(笑)


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「雰囲気が悪く練習終わったとしても、こうやって『チッチの2』って(笑)」


ユウイチ
もう終わったころには「いえーい」って、シリアスな空気も吹き飛んでます(笑)
2年くらいからやってますね。

ハッシー
これがカナが弱くて(笑)

カナ
「チッチ」で強くなるのも4年間も目標でした…(笑)

――強くなれた?(笑)

カナ
少し!

ハッシー
いやいや(笑)

カナ
EASTの前日もJAPANの前日も負けてアンプを持って帰ったんで、今日は私のおかげで勝てたのかもしれません(笑)


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「今日は私のおかげで勝てたのかもしれません(笑)」


ユウイチ
チームによっては、男子が片付けて当たり前でしょってチームも多いんですけど、それじゃチームメイトにリスペクトできないですからね。

――なんだか意外な答えでびっくり(笑)
今日パフォーマンスで見たGREIFの色んな姿を見れて、面白いインタビューでした。これからJAPANからNYを目指す人の指標となったら良いなあと思います。
そして、12月へのニューヨークの切符を手にしたわけですが、優勝する自信はどうですか?

一同
あります!!

――今日は貴重なお時間をありがとうございました!


(おわり)

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