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全日本吹奏楽連盟

 数日前から、全日本吹奏楽連盟の不正着服問題が話題になっています。以下毎日新聞より転載。

 「全日本吹奏楽連盟(東京都千代田区)は27日、50代の男性事務局長と40代の男性事務局次長が2010~19年度の10年間、給与・賞与を不正に水増しし、総額約1億5200万円を着服したと発表した。決算報告書を改ざんしており、監査でも見落とされた。連盟は2人を懲戒解雇した。丸谷明夫理事長は「吹奏楽に取り組む中高生や大学生をはじめ、皆さんの信頼と期待を裏切った」と陳謝した」

 実は、僕はそんなに驚いていません。アメフト、テコンドー、ボクシング、そして高校野球など近年の「連盟」と名の付く組織の相次ぐ不祥事、そして全日本吹奏楽連盟の古い体質を見ていれば、何があってもそれほどの驚きには値しないと思っているからです。驚いたのは金額の大きさ、そして丸谷理事長の記者会見に母校・東京音楽大学の理事長が同席していた事くらいでしょうか。東京音大の理事長は本職が弁護士ですから、本業として内部調査を担当したのかもしれませんね。
 全日本吹奏楽連盟に対して個人的には、以前コントラバスコンテストに協賛、後援をして貰えないかと連絡をしたところ、全く相手にされず断られた経緯があるので「そんな金あるならコントラバスコンテストに少し協賛してくれても良かったじゃないか」とか思ったりはしましたが、これはまあ小さい話。他にも連盟に対して思うところはたくさんあります。
 
 で、この問題、とりあえず事務局長と事務局次長が解雇されてこれから裁判等になっていくのでしょうが、トカゲの尻尾切りの可能性だってゼロじゃない訳で、公式発表で着服したとされる2名が「理事長から承認を受けていた」と話している(理事長は否定)事からも、まだ真相ははっきりしていないと考えられます。正直、報道されている内容の信憑性すら疑われる現時点では、突っ込んだコメントは差し控えたいところです。

 この報道を受けて「コンクールはもう止めるべきだ」とか「部活は廃止」とかの意見も見かけますが、これは全く的外れも良いところ。吹奏楽部の子供たちには何の罪もないのですからコンクールはやるべきだし、ブラック部活の問題とは全く話が違う。むしろ組織をこれからどう改善していくのか、その点に焦点を当てるべきです。
 ただ、もし自分の子供が吹奏楽部にいてコンクールに参加していたなら、「ふざけるんじゃねえ」となるでしょうね。参加費はお前らの懐に入っていたのかと。そうした意味ではあまりにも多くの人に対する裏切り行為だとは思います。
 
 「理事長はなぜ退任しないのか」との意見も多いですね。トップの管理があまりにも杜撰過ぎるとは思いますが、即辞任が正解かどうかとなると難しいところ。もしかしたら理事長は一連の騒動の決着がついてから辞任するのかな、という気もしています。もともと吹奏楽連盟は理事長自身のコンクール出場や審査方法を始め多くの問題を指摘されている組織ですから、ここらで若い人に任せて空気の流れを変えた方が良いのではないか、とは思いますね。

 連盟と名がついて組織が大きくなると自浄能力が薄れてしまうんだなあ、というのが今回の感想。でも、今の総理大臣を始めとする政府に比べれば、この件を揉み消す事無く、資料を廃棄せず、台本を棒読みする訳でもなく、きちんと逃げずに記者会見で認めて謝罪をするだけマシなのかなあと感じてしまうのは僕だけでしょうか・・・。
    

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