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《Q&A》楽器の管理、付属品について

ホームページでも公開しているQ&Aをこちらでも掲載しておこうと思います。質問などがあれば随時更新します。

【ワンポイントアドバイス】

・練習が終わったら弓の毛は緩めて、弦は緩めないでください。
・タオルを用意して弦と弓の棹についた松ヤニを掃除しよう。
・松ヤニはビニールや布で包んでからケースに入れよう。
・弦交換、弓の毛替えは心得のある人か楽器屋さんにお願いしましょう。
・弦交換、弓の毛替えをしたら、表を作って記録を残しましょう。

※注意!!
楽器の管理方法についてはアドバイス出来ますが、破損した場合などの対処については楽器屋さんに相談して下さい。私は演奏の専門家ですから、自分の楽器に不具合があれば、やはり楽器屋さんにお願いしています。

《1》練習が終わったら弦を緩めるように言われました

  《回答》弦は絶対に緩めないで下さい。開放弦のピッチが安定しないばかりか、駒、魂柱が倒れる原因となり、最悪の場合修理が必要になります。

《2》弓の毛は普段から張りっ放しで良いのですか?

 《回答》弦とは逆に、弓の毛は練習が終わったら少し緩めましょう。張りっ放しだと棹の反りが無くなり、弓のコントロールが難しくなります。

《3》松脂が溶けてケースから出なくなってしまいました

 《回答》一度溶けてしまうと綺麗に出すのは難しいです。そうなる前に、購入後すぐコンビニの袋を丸く切って、松脂を包むようにして容器に入れてみて下さい。多少溶けても袋をつまんで引っ張りだせます。また、眼鏡を包む布が適しているという意見もありますのでご参考まで。最近は最初から溶けても良いような容器に収納されている物も多いですね。

《4》弓の棹や弦に松脂がついてしまって落ちません。

 《回答》普段から雑巾を用意して、練習後や演奏後は弓と弦をそれぞれ拭くようにしましょう。松脂用の専用オイルを販売しているお店もありますが、普段の心がけで予防出来ます。

《5》 松脂はどれくらい塗れば良いですか?

 《回答》これは文字にするのが難しいです。レッスンを受けて先生に塗ってもらって、その感触を肌で覚えるのが一番です。それから、松脂に頼りすぎない右手の技術を身につけましょう。特に吹奏楽では「大きな音を出したい」という気持ちから松脂を塗りたくって右手を弦に押し付けてガリガリ汚い音で弾く人をよく見かけますが、これでは遠くに音が響きません。吹奏楽でのコントラバスは「音量よりも響き」を求められているはずです。松脂をうっすら塗って、弓を弦に軽く置いて弾くだけで音は響くはずですから、その感覚を研究してみて下さい。

《6》 松脂に使用期限はありますか?

 《回答》専門店で「3年が目安」と言われた事があります。確かに3年ほど経過すると乾燥でひび割れて、成分が飛んでしまって効果が薄れるような気がします。しかし、《3》に書いたように、布やコンビニ袋で包む事で年数を伸ばす事は出来ると思いますし、最近は松脂ケースの中の湿度を一定に保つことで松脂の状態を良好に保つことのできる「ロージンセーバー」という商品も発売されています。ちなみに、私が使用しているコルシュタインはもう25年近く使用していますが、未だに感覚は一番しっくりきています。

《7》お薦めの松脂は何ですか?
 
 《回答》松脂は人それぞれ好みがありますので難しいところですが、吹奏楽でよく使われているのはカールソン、コルシュタイン、ポップスです。私はポップスが好きではなくて、コルシュタインをメインに塗り、環境によってはベスポークやカールソンを上塗りしています。私の教則本「吹奏楽パワーアップシリーズ」に各松脂の特徴を掲載した一覧が付属していますのでそちらもご覧ください。

《8》松脂を塗り過ぎました。どうすれば良いですか?

 《回答》 硬めの歯ブラシで梳かしてあげると多少はマシになると思います。一番の予防策は「そもそも塗り過ぎないこと」です。楽器と弓を出していきなり松脂をゴシゴシ塗る人が多いのですが、まずは5分くらい弾いてみて、それでも足りないと感じたら初めて少しずつ塗るようにしましょう。

《9》楽器はどれくらいの湿度、温度で管理すれば良いですか?

 《回答》数値で現すのは大変難しいのですが、高温多湿を避けるように、というのが無難な答えです。あえて数値を挙げるなら温度は15~25度、湿度は40~50%くらいでしょうか。但しこれが絶対とも言えません。私は乾燥時はダンピット+加湿器、湿度が高い時は除湿機で上記数値を保つようにしています。

《10》楽器はケースに入れて保管しなければいけないのですか?
 
 《回答》木で出来ている楽器ですから、ちょっとした接触で簡単に削れたり傷がついたりします。何より、楽器は家族のような存在だと思って大切に取扱うべきですね。楽器を持って移動する時は、赤ちゃんを運ぶような気持ちで周囲に細心の注意を払って運搬しましょう。先日、台風で指導校の楽器保管庫に雨が入ってしまい、楽器が濡れた事がありますが、ケースに入れていたおかげで被害が小さくて済みました。   

《11》楽器の弦、弓の毛の交換時期はどれくらいですか?

 《回答》使用量、環境によるので一概には言えませんが、毎日数時間弾くとして弦は1年に1回、弓の毛は半年に1回が目安でしょうか。ただ、学校の部活だと予算も限られるでしょうから、弦なんかはバラ売りのものを購入して少しずつ替えるというのも手段だと思います。弦は普通に買うと非常に高価ですが、格安で購入出来るインターネットサイトもあります。顧問の先生や提携の楽器屋さんに了承頂き、そちらで購入してコントラバスの先生に交換して貰えばかなり安く済みます。

【こちらのサイトは弦が格安!】→ ウッドベース・ジェーピー
※コントラバスの弦には「オーケストラチューニング」「ソロチューニング」の2種類があります。吹奏楽などで演奏する場合は「オーケストラチューニング」を選ぶようにしましょう。

 弓の毛は「松ヤニをたくさん塗らなければ音が出ない!」「松脂を塗っても毛がツルツルする」という状態になったら替えどきです。

 ※「いつ、何の弦を張ったか」「いつ弓の毛を替えたか」の記録を必ず残しましょう。

《12》おススメの弓や楽器のメーカーはありますか?

 《回答》これは個人の好みと相性があると思います。弓は何本か変わりましたが、これまで全てPfretzschner(プレッチナー)を使ってきました。楽器もいろいろ変わってきましたが、あまりメーカーには左右されません。太くて柔らかい響きのものが好きです。ただ、ソロを弾く時には肩が張っていない楽器のほうが良いかもしれません。

《13》お薦めの弦は何ですか?
 
 《回答》どんな音を出したいのか、どんなジャンルで演奏するのかなど環境によっていろいろだと思います。個人的な好みで言えば、ベルカントの音色が好きです。太くて柔らかい音色がします。以前はフレクソコアもよく使用していました。室内楽ではフレクソコアのソロ弦をオーケストラチューニングにして弾く事もありますが、パワーが落ちるので吹奏楽には向いていません。私の教則本「吹奏楽パワーアップシリーズ」に各弦の特徴を掲載した一覧が付属していますのでそちらもご覧ください。

《14》弦を張り替えたらピッチがすぐに下がってしまいます

 《回答》弦を替えてからピッチが安定するまで数日かかります。こまめにチューニングをしてあげること、それから一度《軽く》弦を引っ張ってから調弦するようにすると安定し易いです。

《15》弓の毛は何色が良いですか?

 《回答》好みの問題です。柔らかい音色を求めるなら白、硬い音を好むなら黒が良いと思います。カラー毛のバリエーションも増えていますが、カラーは黒毛と同じです。白黒ミックスも可能ですし、楽器屋さんによってはモンゴルやシベリアなど白毛の種類を何種類か取り揃えて選択させてくれるところもあるので、相談してみましょう。

《16》弓の毛がすぐ黒ずんでしまいます。
 
 《回答》楽器屋さんに聞いたところ、①毛替えをしていない、②松脂の塗り過ぎ、③弓ケースの中の生地が古いといったところが原因のようです。③については、雨の日にデパートなどで配布されている、傘を入れるビニール袋に弓を入れてから弓ケースに片づけると予防になります。

《17》カーボンの弓をどう思われますか?
 
 《回答》木を使用している弓と比べてカーボンは感触が違いすぎて、私は苦手です。

《18》吹奏楽部でコントラバスをやる事になったのですが、とりあえず弓を買うなら何がいいですか? 

 《回答》楽器や弓の購入については必ずコントラバスの先生にご相談してください。先生がいらっしゃらなければ僕にメールでご相談ください。

《19》プロが仕事で使っている楽器と弓の値段は最低いくらくらいしますか? 

 《回答》様々だと思いますが、個人所有となると、楽器で200~300万、弓で30万くらいが最低ではないでしょうか。   

《20》チューナーは何を使用していますか?
 
 《回答》私は駒に挟める「Flanger FT-12C Clip-on Chromatic Tuner」というクリップチューナーを使っています。価格も1000円しなくてお得なうえ、とにかく低音の反応が良いので使いやすいです。中学・高校などの吹奏楽部では「譜面台に乗せた四角いチューナーから長いマイクのコードを引っ張って駒につけている」という風景をよく見ますが、コードをつけたまま移動しようとしてチューナーを落としたり何かと不便です。クリップチューナーは駒に付けたまま移動も出来ますし、練習中もすぐにピッチを確認出来るので便利です。

《21》楽器を野外で演奏しても問題ないですか?

 《回答》正直おススメは出来ません。楽器に太陽光が直接当たるのは悪影響です。どうしても野外で演奏しなければならない時は、可能な限り外に出す時間を短くする、屋根の下に配置するなど楽器に負担をかけないように心がけましょう。

《22》なぜオーケストラでは楽器の左側を下に向けて椅子に置いているのですか? 

 《回答》楽器の右側を下にして置くと魂柱が倒れたり、それにより板が割れたりする事があるからです。      

《23》楽器を弾くと「ビー」という雑音が鳴ります

 《回答》多くはヘッドのネジのどれかが緩んでいる事が原因です。全て締め直してみて下さい。それでも改善しない場合はヒビや剥がれ、またはヴォルフトーンを疑いましょう。そうなったら楽器屋さんでの修理が必要です。また、学校などの教室では蛍光灯などが共鳴する事もあるので、どこから音が鳴っているか確認してみましょう。

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