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記事一覧
博報堂キャリジョ研『働く女の腹の底 多様化する生き方・考え方』(光文社、2018年)
主題…女性が結婚後に専業主婦になるという選択が一般的とは言えなくなりつつある。そうした中で今日の働く女性は仕事や結婚、趣味や生活スタイルについていかなる考えをもっているのか。子どもをもたない働く女性への調査をもとに考える。
1章では、働く女性の仕事と恋愛に対する意識について取り上げられている。
働く女性は、かつては結婚後のプランとして専業主婦になることが多かったが、今日の調査によれば結婚
『夢、死ね! 若者を殺す「自己実現」という嘘』/中川淳一郎
主題…仕事は「自己実現」や「夢」の実現を可能にする手段として語られる。しかしながら、そうした語られ方は正しいものなのか。「自己実現」や「夢」と仕事の距離を離して考えることで、凡人にむけた仕事論を展開する。
1章では、世の中で「夢」はどのように語られているのかや、その語られ方による問題などが述べられている。
中川氏によれば、ネット上などで「夢」は崇高なものとして語られる傾向にあるという。そう
『「生きづらさ」について 貧困、アイデンティティ、ナショナリズム』/雨宮処凛 萱野稔人
主題…周囲からの評価や視線が常に気になり、自分の存在に価値があるのか不安に苛まれる。大多数の人がそうした「生きづらさ」を経験する。とりわけ経済的資源が乏しい状態にある人々は、より深刻な「生きづらさ」を抱えることになる。そうした「生きづらさ」の正体を知り、それと向き合う方法を検討する。
1章は雨宮氏が中高生の頃に経験したいじめの実態をもとに、現代の社会における「生きづらさ」の起源について議論が
『排除の空気に唾を吐け』/雨宮処凛
主題…日本の年間自殺者の数は約3万人にも及ぶ。これは16分に1人が自ら死を選んでいるという計算になるという。この数字が表していることは、社会の「生きづらさ」や「排除の空気」が人々に少なからず影響を与えているということだろう。その「生きづらさ」や「排除の空気」について、事件や事例をもとに検討を深める。
1章では「秋葉原無差別殺人事件」と「派遣労働」の関連性について取り上げられている。
2008
『ルポ 保健室 子どもの貧困・虐待・性のリアル』/秋山千佳
主題…誰もが一度は行ったことがある「保健室」生徒達が「困った時に来る場所」としての「保健室」は、現代の子どもたちが抱える「生きづらさ」が目に見える形で現れる空間だった。大人なってしまったら入ることができない「保健室」の姿に迫る。
1章では3つの中学校における「保健室」の姿をエスノグラフィー形式で描いている。そこでは「保健室」が生徒たちの貧困・自尊心の低下・発達障害などが垣間見られる空間である
『いまどきの「常識」』/香山リカ
主題…社会にはさまざまな「常識」があり、それを我々は常に意識しながら生活している。時としてその「常識」は世間の目となり命令として働く。しかしその「常識」が正しいのかどうかは誰も答えを示せない。さまざま社会の「常識」について、一つ一つ考え直す。
1章では「私」をめぐる社会のさまざまな流れについて語られている。
香山氏は「自分物語」を語ることによって、無意識のうちに他者に危害を加えている場合が
『戸籍のない日本人』/秋山千佳
主題…日本には「戸籍」を有さない「無戸籍者」が一定数存在する。彼ら彼女らは日本社会において、普通なら当然に認められることが無戸籍という事実から認められない。このような事態が許されていいものなのか。事実としての問題を知ることから考える。
1章は母親のDV被害の経験から、無戸籍状態で過ごしてきたある女性の人生から、「無戸籍であること」とはいかなることか経験をもとに明らかにされる。
民法772条