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こだわりの商品開発エピソード『イワシ缶〈菊詰め〉』

はじめまして。
株式会社ピュアボックスの穴吹です。
わたしは商品部で商品開発をしています。
今日はわたしが開発を担当した「ドットにゃん」の商品について紹介したいと思います。

〈ドットにゃんの商品〉
「ドットにゃん」は、質のいい天然食材をシンプルな製法ながらも手間暇かけて人の手で仕上げる点にこだわり、素材そのものの香りや旨みを活かし切ることで猫の本能と嗜好性にとことん訴える商品ラインナップを展開しています。よく食べるだけではなく、原材料や加工方法など、“安心・安全”に提供できる商品を自信を持ってお届けしています。

〈はじめての商品開発〉
8月16日にドットにゃんに新しく登場した缶詰の商品開発を担当しました。
缶詰は今まで「ドットにゃん」にないジャンルの商品かつ、私にとってはじめての「ドットにゃん」の商品開発でした。まず時間をかけたのは、開発の軸となる「ドットにゃんとして目指す缶詰」のイメージをしっかり固めること。目指す商品像がしっかりしていれば、横道にそれた時や細かいことで迷った時の道標のようになるため、とても大切な時間と考えしっかり時間をかけて考えました。

〈開発の軸〉
お店でよく見かけるネコ向けの商品の調味料や添加物の多さ、そしてそれは何だろうといういち消費者としての疑問や不安がありました。飼い主様が安心できるってなんだろうか?を考え、ただよく食べるだけでなく、その商品について少しの疑問や不安のない納得して与えられる商品こそ「ドットにゃん」に求められているものであり、私たちが届けられるものではないか、と考えました。「飼い主様が安心して与えられる安全なごはん・おやつ」を軸に、最後の最後まで妥協なくこだわり続けました。

〈見ため以上の魅力〉
今回開発するのは水煮の缶詰。何社かにサンプルを依頼し、社内で試食会を開きました。フレークにするのか切身にするのか、あくや香りはどうかなど、意見を集めました。「ドットにゃん」として、飼い主様とニャンコの本当のお気に入りになるには、どれがベストか話し合いました。
どのサンプルも魅力的でしたが、今回は品質の良さや、“安心・安全”がお客様で判断できる切身タイプの缶詰サンプルを提供いただいたお取引先様にお願いすることにしました。

ご提供いただいた切身タイプの缶詰の中でもひときわ異彩を放つ缶詰がありました。缶を開けた時に切身がぎっしりきれいに詰められた見た目、あくが少なく煮汁が透き通り、生臭さが感じられない上品な味わいが試食会で高評価だったこの缶詰。一番の特徴はこの見た目です。 

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缶詰というと、切身が無造作に煮汁につかっているのが私の缶詰のイメージだったので、これまでは見た目に注目したことはありませんでした。この花のようにみえる詰め方は〈菊詰め〉と呼ばれているそうです。
試食会後に、その缶詰会社様に取材しておはなしをきくうちに、この菊詰めの奥深さと魅力に惹きつけられました。
ただ花のように詰められていて綺麗なだけではなく、このようにぎっしり詰めることで缶蓋に身がひっついて皮と身がはがれたり、煮崩れが起こりにくくなるそうです。実際に切身を取り出してみると納得です。

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そしてこの切身こそポイントです。
切身を缶にぎっしりびっしり詰めるには、身がスカスカだったり小さい魚体だと美しい菊詰めにならないとのこと。つまり、菊詰めができるということは魚体が大きく身がしっかりしたものが使用されていることを示し、品質の良さの証明になります。

「切身タイプ+菊詰め」
お客様に素材の良さを伝える方法はたくさんありますが、素材の品質の良さをお客様の目に見えるかたちで伝えられる菊詰めは、お客様に「安心・安全」を感じて信頼していただける商品になると、改めて確信しました。

〈さかな本来の味〉
今回の缶詰はシンプルな水煮。
調味料で味付けはせず、素材の品質・味を頼りに魚と水だけで仕上げます。
一方で魚の缶詰は生臭さがネックになることも。
ですが、今回選定したサンプルは、試食会の時に
「あくが少ない」「生臭くない」「煮汁がきれい」といった意見が多く集まりました。実は、今回の開発にご協力いただいた缶詰会社様では相当なこだわりをもって魚の下処理をされているのです。下処理を丁寧に行うことで、調味料や添加物でごまかさずとも魚特有の生臭さが抑えられるとのことでした。特に他社ではやっていない「血抜き」はとても時間と手間がかかる工程です。でも、その時間と手間をかけるからこそ素材、の味を最大限に活かせる缶詰になります。

〈開発担当のこだわりポイント〉
今回の缶詰はニャンコにぴったりの小さめのサイズの缶を選びました。
このサイズに私がこだわった理由は、私の日常的な経験が関係しています。
私はビールがとても好きで常に缶ビールはおうちにストックしています。
缶ビールといえば、ロング缶やサンゴー缶をイメージする人がほとんどだと思いますが、私の冷蔵庫のストックのうち9割はミニ缶です。なぜミニ缶を好んで飲むかというと、缶ビールってほんとに一口目のうまさが格別でたまらないからなんです。ミニ缶ならこの格別にうまい恍惚とする一口目が、ロング缶と同じ量を飲むとしたら、なんと4回も楽しめちゃうんです。
この開けた瞬間が一番美味しいというのは、缶詰でも同じだと思います。
事実、缶詰は開けた瞬間から酸化がはじまり、2・3日を目安に使い切らなければなりません。
今回開発した缶詰は主食でなく副食で、一度にそんなにたくさん食べないにゃんこのことを考えると、大きなサイズより、開けた瞬間、そして開けてから味が落ちない間に使い切れる小さめのサイズにどうしてもこだわりたかったんです。
ですから、試食会の時にいただいたサンプル缶のサイズが180g缶と大きかったため、小さい80g缶で試作をお願いしました。
大ぶりで身がしっかりしていないとできない菊詰め仕様を小さい缶で実現してほしいという非常に難しい依頼をしました。缶の蓋がうまく閉まらなかったり、切身が増えることで水が少なくなり、缶詰加工をする際に焦げてしまう可能性があった中、何度も意見交換して試作を繰り返し、こだわりの80g缶が完成しました。

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〈まとめ〉
今回の開発にはたくさん人が関わってくださり、たくさんの思いとこだわりが詰まったひと缶を完成させることができました。担当者として、ひとつの商品が完成するまでには、本当に多くの人が関わって成り立っていて、仕事はひとりではできず、たくさんの方々の力が集まって、はじめてカタチになると改めて学びました。お客様に自信を持って届けられる“安心・安全な”こだわりある商品づくりを軸に、これからも多くの皆様に愛される商品を開発していきたいと思います。
最後になりましたが、この度開発にご協力いただいた缶詰会社様、試作品についてご意見をいただきましたにゃんバサダー(※)の皆様、ご指導いただいた先輩方にお礼申し上げます。ありがとうございました。
                            商品部 穴吹


(※)にゃんバサダー・・・コミュニティサイト〈https://www.neko-earth.jp/〉で積極的に投稿をしてくださっている飼い主様を「にゃんバサダー」として認定し、サイトの運営や商品開発にご意見・ご協力をいただいています。

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