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2024年版【キマイラ(幻想魔族)】解説

《はじめに》

こんにちは。どつです。
関東で遊戯王しています。

最近は公式の大会も充実してきた事もあり中々CSに出れていません。
とは言え、ACSやDKC、日本選手権、YCSJも控えており、これまで使用していた【炎王スネークアイ】以外での選択肢拡大のために様々なデッキを考えていました。
ある程度自分の中でデッキチョイスへの判断基準があり、その中でも今回紹介する【キマイラ】は現環境において様々な強みがあると感じ、3月中に使用していました。4月以降の制限改訂にも引っかかってらず、先攻の理不尽、後攻の捲り能力も高いためこれからの時期オススメのデッキでもあります。

特に大きな結果は出していませんが、久しぶりに時間をかけてプラン・構築を練っていたため共有したい事、一応日本選手権予選はこれで突破出来た事、改訂後の大会で使用を考えている方もいると感じたのでこの度解説記事を執筆させて頂きました。どこまで実装されるか次第ですがマスターデュエルでの登場も控えていますのでMD勢の方も是非読んでみて頂ければ幸いです。


3月大会結果
●3/10 RAM杯 ベスト16
ユベル○ レスキューエース○ スネークアイ○ キマイラ× スネークアイ○ アダマシア×

●3/30 日本選手権店舗予選
RR○ センチュリオン○ ユベルホルス○ 天盃龍×

●3/31 日本選手権予選
御巫○ 魔術師○ 天盃龍○ 天盃龍○

回数としては全然出れていませんが、とりあえず次のステージには繋がりました。


本記事の前半部分では、今回使用した最新構築をベースに解説していきます。大型大会の結果ではなかったため特にXに投稿しておりませんでしたが、いくつか問い合わせ頂いていたのでレシピ公開致します。

前半部分は【キマイラ】自体の動きがよくわからないので敵として知っておきたい方、興味があってこれから組もうと考えている方へ向けた”基本的な動き・メインデッキのカードの役割・採用枚数・採用理由”を解説しており、こちらは無料で読んで頂けますので皆さん是非ご覧ください。

後半部分はプレイ面の意識や勝率に直結するサイドチェンジに加えて、各対面でのプレイ、やられて厳しい点等も部分も含めているので有料とさせて頂きました。

※今回の記事の投稿から1週間程度経ったら前回のキマイラの記事は無料公開に変更致します。(共通部分はこちらにも記載+情報が古くなるため)

※既に長い間キマイラを使用している方向けではありません。

※また、本記事は私が使用したレシピや考えについての内容なので全ての展開ルートを網羅している訳でも未発売のカードを考察している訳ではありません。あくまで図鑑ではなくプランを売りにしています。動きについてはXやYoutubeで無料で投稿されている方も多く、勉強になるためそちらも併せてご覧下さい。

それでは本編へ!

《特徴》

【有翼幻獣キマイラ】(以下、キマイラ)は主に幻想魔族の効果で融合素材となる『幻爪の王ガゼル』または『大翼のバフォメット』にアクセス。
上記2体の効果で『合成獣融合』を手札に加え、『幻獣王キマイラ』を融合召喚し、アドバンテージや妨害を獲得していく融合召喚デッキです。
融合素材がサーチ・リクルート持ちなので損失を補うことができ、また合成獣融合自体も墓地からオートでサルベージ可能なため、一度回ると手札が減る事なく自分・相手ターン中に展開・妨害が可能な点が特徴です。

加えて、1体のモンスターを起点に展開していく事も可能です。初動にアクセスさえ出来れば少ないハンドから妨害と後続を構える事が出来ます。
”自由枠豊富な1枚初動ミッドレンジデッキ”でもありつつ、融合するカード・されるカードの組み合わせによって手札のパワーがガラッと変わるので”融合召喚によくある3枚コンボデッキ”の側面も持っています。

派手な展開も行わず、また特殊召喚が相手ターンにも分散しているため『増殖するG』や『原始生命態ニビル』等の強力な手札誘発の直撃を受けない事も強みの1つです。発売当初は『ミラー ソードナイト』が1枚初動である事を活かした構築でしたが、後述の『幻惑の見習い魔術師』の登場により展開ルート、手札誘発への耐性が大幅にUPしました。
そのため、現在はミラー ソードナイトでの1枚初動を保険に据えながら、組み合わせで展開する方針にシフトしています。

デッキとしての特殊召喚の制約(縛り)が付くのは『大翼のバフォメット』による『合成獣融合』と『獣族レベル4モンスター』の2枚サーチ使用後です。そのため理想的な展開ムーブとして『永遠の淑女ベアトリーチェ』をエクシーズ召喚してからリクルートしたバフォメットのサーチを目指します。
下記にデッキとしての強みを記述します。


◎展開が無限妨害に近い形なので「展開完了=勝ち」が成立しやすい
展開例は後述しますが、『幻獣王キマイラ』によるランダムハンデス、幻想魔族である『原罪のディアベルゼ』による魔法罠発動への干渉、及びセット時の『ガーディアン・キマイラ』での破壊。加えて相手ターンに『深淵の結界像』や『王虎ワンフー』を蘇生・帰還させる事で特定デッキの封殺など、決まった時のリターンが非常に大きいです。
特に手札誘発を貫通して相手の手札総数が減っている場合や『三戦の才』が通った場合は相手のハンドに応じて展開する事で実質全ハンデスのような状況に持っていく事が可能です。
ディアベルゼの成立により『禁じられた一滴』、『超融合』、『拮抗勝負』を無力化し、魔法罠による捲りをシャットアウト。
また、流行りの【天盃龍】が後攻を得意とするデッキなので先行で理不尽を押し付けやすい【キマイラ】は環境にマッチしていると思います。


◎組み合わせにより多数の手札誘発貫通が可能
前提として『増殖するG』に対しては融合1回で幻獣王キマイラを出し、『合成魔獣融合』を構える事で相手を1ハンデスした状態で止まる事が可能です。『原始生命態ニビル』についても盤面に残すモンスターで妨害能力を持つのはディアベルゼくらいであり、各種融合モンスターは墓地効果で妨害やリソースを獲得するため重く受けない強みがあります。
『無限抱影』、『エフェクトヴェーラー』は速攻魔法である合成魔獣融合で回避でき、『灰流うらら』は融合成功時のチェーンの組み方で回避可能です。もちろん手札によってはどの程度回避出来るかは変わってきますが、理論上は上記のような耐性があります。

《構築》

2024年4月頭の最新の構築です。
炎属性デッキが多いため先攻展開成立時に捻出するモンスターとして悪魔族の深淵の結界像を選択。また上記の強みであるディアベルゼギミックを採用しています。

◎採用カード
採用しているカードたちの採用理由・役割についてです。汎用カードで文字数稼ぎたくないので一部省略して記述します。

【モンスター】

◎『ミラー ソードナイト』
(コーンフィールド コアトル)

役割:初動
明確な1枚初動です。
リクルート先は大翼のバフォメットが基本となりますが、融合縛りがついてしまうため今回の理想展開では初動として使用しません。
幻惑の見習い魔術師やガゼルの素材効果を絡めてサーチし、ベアトリーチェ成立後に通常召喚する流れが理想となります。
また1枚初動として使用する場合、灰流うらら、無限抱影(バフォメットに対して)を重く受けてしまうため、妥協展開用のカードの立ち位置として認識しており、今回はサーチ先としてミラー ソードナイト自体は2枚採用です。コアトルはガゼルにも触れるためフル投入です。
また、キマイラ融合体がフィールドにいる場合に使用出来る墓地効果も侮れません。

◎『幻爪の王ガゼル』

役割:組み合わせ初動。後続確保
単体で動く事は出来ませんが召喚した場合はパーツの不足分の供給。
素材として使用した場合は幅広いサーチ効果と多くの仕事があります。特に融合魔法を引かないと話にならない点、狙って出したい幻獣王キマイラの素材に獣族が必要な点を考慮し最大枚数積んでいます。


◎『大翼のバフォメット』

役割:単独で融合可能
上級モンスターで登場時に2枚までパーツを拾えるアドバンテージ源となるモンスターです。当然アドバンス召喚は割に合わないので基本的には上述のミラー ソードナイトからリクルートすることになります。融合素材となった効果も嚙み合いが良く、使用したミラー ソードナイトをそのまま蘇生する事が出来ます。
素引きしてもデッキが回れば腐るカードではありませんが、基本的にはリクルートされる前提の採用である事、素材用の悪魔族としては『エッジインプ・チェーン』も採用しているので今回は2枚投入に抑えています。

◎『大陰陽師タオ』

役割:展開強化、補助輪
新メンバーです。墓地に落とす手段としてはベアトリーチェか『幻獣魔王バフォメット』(以下、融合バフォメット)になります。
妨害に使用したい場合はディアベルゼを蘇生、展開に使用する場合はミラー ソードナイトや幻惑の見習い魔術師を蘇生する事で消費を抑える事が可能です。ある程度デッキが回ってから機能するカードのためサーチ、落とし先として1枚採用。また守備表示で蘇生するため追撃には使えない点、縛りが付くので相手ターンに融合体の墓地効果と併せて使う際は注意が必要です。

◎『幻惑の見習い魔術師』

役割:強力な展開札
革命的な1枚です。自身の効果または融合素材としたタオ、バフォメットの効果で蘇生し展開に繋がります。単体(+コスト)でも特殊召喚し

A:サーチコアトル経由ミラー ソードナイトから妥協展開へ

B:サーチコアトル経由ガゼル召喚から融合バフォメット、成功時融合バフォメットでタオを落とし、見習い魔術師を蘇生+ガゼルでディアベルゼをサーチすることでベアトリーチェをエクシーズ召喚しモーリアンを落とすことで、
【ベアトリーチェ+ディアベルゼ+モーリアン+回収した融合】
のような盤面を形成出来ます。
※単純なパワーはAの方が強いですが、ベアトリーチェ専用札を採用している場合はその限りではありません。

C:サーチコアトル経由ミラー ソードナイト召喚から光闇素材の
『カオス・アンヘル-混沌の双翼-』をシンクロ召喚する事も可能です。
※こちらはリソースと召喚権を捨てているので対面や増殖するG等を受けた場合の選択肢です。コアトルを経由しない事で『ドロール&ロックバード』をケアする事が可能です。

基本的には他のモンスターも引いている場合が多いので上記の展開はあまり使用しません。
単体でも【妥協展開】、【ディアベル+ベアトリーチェ】、【完全カオスアンヘル】が出るよと言う覚え方をして貰えれば幸いです。

◎『エッジインプ・チェーン』『融合』
(魔玩具補綴ギミック)

役割:潤滑油
魔玩具補綴でサーチするカードですが、このデッキは素引きしても正規融合の素材として活躍出来ます。その場合、魔玩具補綴をサーチする事で連続して融合、盤面を強化する事が出来ます。融合可能な時とそうでない時の評価が180度変わる珍しいカードになります。魔玩具補綴ギミック自体は必須ではありませんが下記の目的で今回は採用しました。

①融合回数の追加=妨害が増える
②エッジインプや余剰の魔玩具補綴を捨てることで幻惑の見習い魔術師を実質ノーストで特殊召喚可能
③エッジインプを捨てた場合チェーンの組み方で手札誘発のケアを狙える
④『融合』の存在によるガーディアン・キマイラのパワー底上げ

魔玩具補綴は最大枚数、サーチ先は2枚ずつですが他の採用カードの比率に応じて3枚に増やすことも検討出来ます。

◎『原罪のディアベルゼ』『微睡の罪宝-モーリアン』
(ディアベルゼギミック)

役割:サーチ、蘇生が可能な展開成功時の蓋
自信が幻想魔族のためサーチ手段が多く、ベアトリーチェでモーリアンを落とす事で自己特殊召喚が可能です。
また墓地に存在する場合もバフォメット、タオ、幻獣王キマイラで蘇生するためディアベルゼ情報公開当時に意見として飛び交っていた「強いけど出張として使うならアクセス出来ない」部分をクリアした形になります。
罪宝カードは何でも良いのですが素引きしても妨害、1度だけ復活可能なモーリアンが一番妨害カードとして強力と判断し採用しました。
敢えてモーリアンのセット効果を自ターンに使わず相手ターンに発動する事で裏側にする効果は使えませんがディアベルゼの破壊効果を能動的に使用可能です。魔法罠を伏せない相手やモーリアンが効かないデッキには有効です。

◎『深淵の結界像』

役割:蘇生が可能な展開成功時の蓋
悪魔族のため『幻獣魔王バフォメット』やベアトリーチェで墓地へ送り相手のターンに幻獣王キマイラの墓地効果で蘇生します。ディアベルゼがいれば『墓穴の指名者』も怖くありません。
各種【スネークアイ】、【粛声】、【天盃龍】等に対して一撃必殺級の縛りを押し付ける事が可能です。通常召喚や『黒魔女ディアベルスター』のような闇属性に対してはガーディアン・キマイラで牽制可能。
『ユベル』ギミックや今後登場するテーマの流行にもよりますが、現状ではかなり拘束力のある悪魔族モンスターと認識しており、結界像が強いからキマイラを使用したと言っても過言ではありません。

◎『手札誘発』
汎用性の高い『増量するG』、『灰流うらら』に加え、ガーディアン・キマイラの素材になり、後引きした時に使用出来、一応『魔法族の里』の事も考え『エフェクト・ヴェーラー』をフル投入しています。

【魔法罠】

◎『合成獣融合』

キーカード。自前で手札に帰ってくるので自ターン展開札として使用、相手ターンに妨害として機能します。このカードをサーチするモンスターは多数いますがそこに受ける『無限抱影』や『エフェクト・ヴェーラー』が重いので素引きの可能性を上げるため3枚投入しています。上記の対象を取る効果無効系であればチェーンして融合する事で回避する事が可能です。獣か悪魔を含む必要があるのでベアトリーチェや幻想魔族を巻き込んでガーディアン・キマイラ出す際は注意が必要です。

◎『三戦の才』 

ギミックに絡まないカードではありますが、現環境での手札誘発採用枚数は9〜15枚と非常に多く、ほぼ飛んできます。誘発を貫通した時の追いハンデス(誘発貫通、三戦、幻獣王キマイラで3枚以上)、止められた時にパーツをドローして貫通。など他のデッキよりも通った時のリターンが大きいです。
3枚は被った時に事故になるため2枚採用。

◎『金満で謙虚な壺』

事故回避カードです。動けない時は勿論、手札誘発により素材、または融合カードへのアクセスが遮られた場合に足りない方をサーチするために採用しています。後攻時はガーディアン・キマイラの都合、扱いが難しいですが先行時の勝率を確固たるものにするための採用です。

一例
動けない場合:すぐに6枚。
共命の翼ガルーラ、幻獣王キマイラ、マグナムザリリーバー、幻想魔獣キマイラ、災厄の星ティフォン、カオスアンヘル

手札誘発により動けなくなった場合も同様に6枚除外し、不足したパーツを探しに行きます。
バフォメットか魔玩具補綴(エッジインプ)のみモンスターを引いている場合、ガルーラを使うパターンがあるので、その場合は捕食植物ドラゴスタペリアやガーディアン・キマイラを除外しましょう。(詳しくは魔界特派員デスキャスターの項目へ)

展開完了後:3枚
幻獣王キマイラ、(使わなかった場合)共命の翼ガルーラ、災厄の星ティフォン

どこに妨害を貰うかは回してみないとわからないので何かしら動ける場合は展開前に発動せず貫通札として使用したいです。


【エクストラデッキ】

◎『幻獣王キマイラ』

効果だけ見るとランダムハンデスで妨害は特になく令和にしては控えめなステータスに見えます。しかし素材と魔法が強力なため、このカードを融合召喚するにあたり、後続のサーチ、蘇生、対象耐性、モンスター効果無効、速攻魔法融合の回収、墓地から好きな獣・悪魔・幻想魔族を蘇生可能と、実際はテキストに書いてある以上のパワーがあります。基本的には先攻でこのカードによりハンデス+レベル6モンスター+相手ターン蘇生効果を構えます。返しのターンにも出す事があるので2枚採用しています。

◎『幻獣魔王バフォメット』

相手に損失を与える幻獣王キマイラと比較すると素材がかなり緩い分、自分のデッキを回せるようにデザインされており、墓地効果も除外からの特殊召喚(以下、帰還)なので若干使いにくいです。幻獣王キマイラ+幻惑の見習い魔術師でベアトリーチェを目指すのがベストですが、このカードしか融合出来ず、ベアトリーチェの旨味がない場合敢えて盤面に残し、墓地のミラー ソードナイトやコアトルの妨害効果を活用してからガーディアン・キマイラの素材にし帰還させるプレイも重要です。また、自分・相手のリトルナイトを活用して帰還させる事も可能なため、自身の効果で制圧用のモンスターを墓地へ送り、リトルナイトで除外しておく事でフリーチェーンで帰還させる芸当も可能です。
先攻展開と返しのターンに必要なため2枚採用。

◎『幻想魔獣キマイラ』

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