在日韓国人のルーツを持つ日本人女性として
小学3年生くらいの頃、「お雑煮」が何のことか全くわからなかった。「○○ちゃんの家のお雑煮は何味?」と訊かれて戸惑ったけど、みんなと違うのが嫌で、なんとなく流した。帰って母に尋ねてみると、私の家で言うところの「トック」だと言った。薄いお餅と豆腐と鶏肉が炊かれた卵スープみたいな料理で、お正月や法事の時にいつもおばあちゃんが作ってくれる。
その後、毎年お正月が近づくのが少し億劫になっていった。自分の家は少し違うのだと、気付かないふりをしきれないからだ。なぜか、みんなが聞き慣れない