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”要求が高い”についての言語化と妥協点の境地

「ボスの指令引けなかったわ~要求低かったのになぁ~~~~」

本当にその要求は低いのでしょうか?当記事はそんな内容です。            

自己紹介

山口県でポケカをプレイしているドットと申します。
2015年にポケカを始め、2016年からオーガナイザーとして活動しています。
Twitterにて突発的にデッキの解説や戦術の解説を発信していましたが
自分の思考整理と見直しやすい記録を残すためにNoteへ投稿しはじめました。駄文しか書けませんのでお見苦しいですがどこかの誰かのためになれば幸いです。


要求とは

まず、カードゲーマーの言う”要求”とは何でしょうか。
言葉に含まれる意味としては「ゲームを自分の優位に進めるために、必要なカード(もしくは盤面)」あたりでしょうか。

”必要枚数”

必要枚数は”要求”を判断する上で分かり易いパラメータです。
必要なカードが多ければ多いほどゲームを優位に進めることが困難になり「要求が高い」と表現されますね。一般的には要求=必要枚数と考えている方も多いのではないでしょうか。

”満たしやすさ”

一方で、その要求が”満たしやすいか”というパラメータも存在しているのではないかと自分は感じています。
例えば最後のターンにボスの指令を引ければ勝ち(要求1枚)の盤面を想定します。満たしやすさは採用枚数や使用した枚数などで差はありますが現物の枚数よりも構築や採用カードによって大きく左右されます。
ネオラントVを採用していればネオラントVそのものに加え、ハイパーボール・キャプチャーアロマ・スーパーボールがボスの指令に変わります。
構築上最後のボスの指令を満たしやすい構築としては、
ネオラントVの採用>ポケギア3.0の採用>ボスの指令の採用枚数
になると思います。
プレイングでボスを1枚温存したかどうかより、ネオラントVを強く使えるデッキの方が要求を満たしやすいという事です。
つまり、”満たしやすさ”はデッキの性質に依存したパラメータだと定義できます。

満たしやすさは見えにくい?

先述した通り、要求には”必要枚数””満たしやすさ”の2つのパラメータがある事が分かりました。
前者に関してはポケモンカードゲームは手札の入れ替わりが激しいカードゲームなので通常の対戦によって気付ける機会が多いと思います。
後者はデッキを本当の意味で理解していなければ分からない・理解しにくい部分かなと思います。カードゲームそのものの理解度・知識・考えるだけの時間がなくては気づく機会が少ないので無いでしょうか。

プロの考え方

さて、僕のNote恒例、マジックザギャザリングのお時間です。
今回この「要求の言語化」に至るきっかけとなった八十岡翔太プロのツイート(ポスト)です。
カードについては分からない方が多いと思うので無視して頂いて結構です。
大事なのはこの部分。

デッキ制作者の意図をキチンと考えられてるか、スタンダードの環境を理解しているか

https://twitter.com/yaya3_/status/1752275920419979474

他の方が集計した結果、正答率は23.2%。3/4のプレイヤーがデッキの理解が出来ていないという事になります。ちなみに僕は不正解(スクーナー船)を選びました。ダメじゃん。

カードゲームは基本的にお互いに”要求”を満たし合うゲームです。
自分の要求を満たすためにデッキを構築し、プレイングの精度を上げます。
同時に相手の要求を上げるために妨害手段を用意し、どこに使うのが最適か練習・検討します。
しかし、これだけ多くの人間が一番最初の行動を間違える以上はどこかに見落としがあるのではないか、自分が言語化できていない隠しパラメータ的な要素があるのではないかと思い至りました。

満たしやすさから見える「妥協点」

さて、この”満たしやすさ”を理解すると新しく見えてくる境地があります。
それが「妥協点」です。要求を必要枚数のパラメータだけで見ていた場合、一次的な判断基準に頼るため、判断の境界線やどこまで上振れを目指すべきかが分かりにくいと思います。

一次的な判断基準

”満たしやすさ”をパラメータに加えると、二次的な判断基準を得られるため
○必要枚数が少なく、満たしやすい(安定択)
○必要枚数が少ないが、満たしにくい(妥協点)
○必要枚数が多いが、満たしやすい(上振れ)
○必要枚数が多く、満たしにくい(起きたら奇跡)
という4つ判断基準に増えます。

二次的な判断基準

二次的な判断基準を持つことで、選択肢への情報量が増え、妥協点の精度が高まります。
特に一次的な判断基準に比べて、妥協点と上振れが対角線上分かれているため目指すべきゴールがはっきりと分かれるかと思います。

最初の例に戻りますが、ボスの指令を1枚引けば勝ちの盤面でも、サーチ手段の無いデッキの場合は安定択ではなく「妥協点」でしかありません。
必要枚数の少なさというイメージに引っ張られてただのギャンブルに手を染めている可能性が高いのです。

最後に

昨今、”強いデッキ”は直ぐに出てきます。しかし”なぜ強いか”は自分で考えなければ理解出来ません。勝率はプレイングに紐づいていますし、プレイングは判断基準に紐づき、判断基準は情報に、情報は思考に紐づきます。

今回、題材にした”要求”にはまだ隠しパラメータが存在している気がします。明確に言語化までは至りませんでしたが「攻守」のような気もしています。サイドと盤面の総HPとゲームプランが明確なデッキを使っていると見える瞬間があるのですが上手く表現できず、力不足を実感します。
誰か言語化お願いします(他力本願)

2024.2.3 Dot


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