たかひろ研究室

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趣味がころころ変わるおじさん。私が気になる情報を整理します。 しばらくは「両義性と循環」、「死にゆく生」、「子どもの将来」の3つをテーマに読書記録を投稿します。

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    内容は読書のメモです。 「未来の構想」「私の正体」「子どもの将来」をテーマに読んでいます。

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未来を構想する初めの一歩は本の大量購入/武器になる哲学【山口周】

武器になる哲学 人生を生き抜くための哲学・思想のキーコンセプト50【山口周】なぜ読んだかクリティカル・ビジネス・パラダイムに感銘を受け、批判的思考を習うのにのに哲学が参考になりそう。同じ著者であれば哲学の活用についてタイトルのとおりヒントがあると考えました。 何を学んだか本書は、哲学が人、組織、社会、思考の4分野について洞察があると整理し、章立てをしています。これまで4つのnoteで各章の所感をまとめてきました。 改めて全体を振り返り、総括を行います。 あくまでも私の所感

    • 小林憲正『生命と非生命のあいだ 地球で「奇跡」は起きたのか』 (ブルーバックス)

      なぜ読んだか「死にゆく生」をテーマに、生を根源的価値に据えた体系を想い描いているところ、そもそも生命とは何かについて考えたいところ。 本紹介に書かれた「生命はどこから生命なのか? 非生命と何が違うのか?」という問いは、示唆が得られるのではないかと思い、本書を手に取りました。 何を学んだか本書の主張をざっくりとまとめれば、生命と非生命は1と0で完全に区別できるものではなく、スペクトラム(連続的)なのではないかというものです。 0か1かとデジタル的に割り切ってしまいがちな思

      • カルロ・ロヴェッリ「世界は「関係」でできている 美しくも過激な量子論」(NHK出版)

        なぜ読んだか筆者の前著を読んだ時に、世界を関係として・過程として捉えるという、まさに私がとりたい方法について記述がありました。 新作である本書は、そのタイトルからしても、私にとって参考になるだろうと予想しました。 何を学んだか私の出発点である「空」の認識に、筆者は量子重力理論から辿り着いた。 量子とその関係論的な性質を理解しようと文献を読み漁っていた頃、龍樹の「中論」と出会い、「空」を知って衝撃を受けたといいます。 遅ればせながら私も「空」の認識を得ました。そして「両義

        • カルロ・ロヴェッリ「時間は存在しない」(NHK出版)

          なぜ読んだか「両義性と循環」をテーマに、主客を分別しない社会分析の手法を模索しているところ、フッサール現象学の失敗から次のような示唆を得ました。 数式、論理式のような諸学を基礎づけ得る純粋論理学が、直接経験とは無関係である可能性 我々の体験や経験を思索の基礎に据えることは「十全的明証性」が不可能であるという壁があること。 そうすると数式や論理式のような、意味内容を含まない法則を探究する自然科学的方法に手掛かりがあるかもしれません。 そのような考えから自然科学の先鋭であ

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        未来を構想する初めの一歩は本の大量購入/武器になる哲学【山口周】

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          谷 徹「これが現象学だ 」(講談社現代新書 1635)

          なぜ読んだか主客を分別せずに社会を分析する手法を模索しているところ、結局我々は主観者であり主観的情報から分析するしかなく、この点で現象学が参考になるかと予想しました。 というのも、ChatGPTに尋ねたところ「主体(観察者)と客体(観察対象)を固定的に分けず、むしろそれらの相互作用や相互構築に焦点を当てています。」として、以下の紹介があったのです。 システム理論 行為ネットワーク理論 オートポイエーシス 現象学的社会学 複雑系科学 ポスト構造主義 このうち現象

          谷 徹「これが現象学だ 」(講談社現代新書 1635)

          榛葉豊「思考実験 科学が生まれるとき 」(ブルーバックス)

          なぜ読んだか私は、「両義性と循環」をテーマに、主客を区別しない思索を進める方法を模索しています。 この世界観は量子力学と通ずるところがあると思っており、思考実験に方法論の示唆があるのではないかと想像して読みました。 何を学んだか思考実験とは何か 思考実験は、仮説演繹法による検証であるとのこと。 仮説を立て、演繹法によって仮説から生起する現象を予測し、観察事実と一致するか比較する。 仮説が反証されれば新たな仮説を模索し、反証されなければ暫定的に正しいと仮定して研究を進め

          榛葉豊「思考実験 科学が生まれるとき 」(ブルーバックス)

          両義と循環の思索(これからの方法)

          これからのテーマ「私の正体」に対して存在論への私の答えに一定の着想を得た今、 私が行いたいのは言語化できない生の価値に関する言語化と、 両義性と循環の思索です。 前者は、善悪はないがそれでも根底に見える「死にゆく生」について、私が抱いている感覚を言語化したい、というテーマです。 こちらはニーチェ、ハイデガー、ドゥルーズという当てがあります。 後者は、両義性と循環を軸に社会を解き明かす、思索の手法を見出したいというテーマです。 現象学にヒントがあるかもと見ていますが自信

          両義と循環の思索(これからの方法)

          両義性と循環と私

          前提私は実在を疑っています。 その後の読書によって、実在でも観念でもない、関係でとらえるという認識と分析手法を示され、思索の進め方の示唆を得ました。 両義性と循環社会と個人を関係の網として捉えると、諸構造の両義性と循環が見えてくるように思います。 例えば、人が貨幣に価値を感じるから交換が生まれ、交換が生まれるから人は貨幣に価値を感じる。王が税として徴収したからと歴史学は説明しますが、王が価値を認めるまでのプロセスは不明です。どこかの誰かが貝殻をきれいだなと思って拾ったの

          両義性と循環と私

          【読書記録】小坂井敏晶「社会心理学講義 ──<閉ざされた社会>と<開かれた社会> 」(筑摩選書)

          小坂井敏晶「社会心理学講義 ──<閉ざされた社会>と<開かれた社会> 」(筑摩選書)なぜ読んだか私は、「私の正体」をテーマに「自己とは「他者」である」という経験的確信から思想を構築しようと試みています。 最近は脳科学で触れた知識から、私の意識に「能動性」や「主体性」があるのか、すなわち「自己」をコントロールすることが可能なのか疑っており、この結果によって思想・哲学や社会規範を見直さなければならないと考えています。 この考察が何をもたらすのか。社会学系の研究に先に触れること

          【読書記録】小坂井敏晶「社会心理学講義 ──<閉ざされた社会>と<開かれた社会> 」(筑摩選書)

          ドーナツの穴のような私

          私の正体少し前に脳科学の本に触れ、次のような知識を得ました。 心は脳のフィードバック機能によって生まれる。 自分を考えることは回帰を生み、情報が無限化する。 豊富な情報が統合される視床-皮質系に意識が生まれる(統合情報理論) これらを合わせると、次のように思えてなりません。 統合の機能が生む単一性をフィードバックによって多数認識することで、単一の根本である何かがあるはずだと、私という区別が生まれるのではないか、と。 知覚情報に対する脳の反応が実際に起こっていること

          ドーナツの穴のような私

          【読書記録】佐藤義之「レヴィナス 「顔」と形而上学のはざまで 」(講談社学術文庫)

          佐藤義之「レヴィナス 「顔」と形而上学のはざまで 」(講談社学術文庫)なぜ読んだかいくつかの哲学入門書に紹介されたレヴィナスの「他者」の説明(理解不能な他人的なもの)を受け、自己とは「他者」であるという私の経験的確信から思想を構築していこうと試みています。 そうであればレヴィナスについてはしっかりと研究しなければと思い、本書を手に取りました。 何を学んだか緻密な論証を1歩1歩丁寧に進める、非常にわかりやすい本でした。 レヴィナスの2つの主著である『全体性と無限』及び『存

          【読書記録】佐藤義之「レヴィナス 「顔」と形而上学のはざまで 」(講談社学術文庫)

          【読書記録】慎改康之「ミシェル・フーコー 自己から脱け出すための哲学」(岩波新書)

          慎改康之「ミシェル・フーコー 自己から脱け出すための哲学」(岩波新書)なぜ読んだかこれまでニーチェやハイデガーの思想を軸に「私の正体」をテーマとして人生について問い、「自己とは他者である」と考察しました。 この考察を、社会についての問い、「未来の構想」に繋げたい。 他人との関係、社会や正義といった概念をどのように問うか。この点について、現代思想に先駆的考察や示唆があるのではないかと目論んでいます。 何を学んだかフーコーの哲学者的一生について、非常にわかりやすい本でした。

          【読書記録】慎改康之「ミシェル・フーコー 自己から脱け出すための哲学」(岩波新書)

          【読書記録】宇野邦一「ドゥルーズ 流動の哲学」(講談社学術文庫)

          宇野邦一「ドゥルーズ 流動の哲学」(講談社学術文庫)なぜ読んだかこれまでニーチェやハイデガーの思想を軸に「私の正体」をテーマとして人生について問い、「自己とは他者である」と考察しました。 この考察を、社会についての問い、「未来の構想」に繋げたい。 他人との関係、社会や正義といった概念をどのように問うか。この点について、現代思想に先駆的考察や示唆があるのではないかと目論んでいます。 何を学んだかあまりにも難解。 私の浅学のためとは思いますが、あえて難解に書いているのではない

          【読書記録】宇野邦一「ドゥルーズ 流動の哲学」(講談社学術文庫)

          【読書記録】デリダ 脱構築と正義【高橋哲哉】

          高橋哲哉「デリダ 脱構築と正義 」(講談社学術文庫)なぜ読んだかこれまでニーチェやハイデガーの思想を軸に「私の正体」をテーマとして人生について問い、「自己とは他者である」と考察しました。 この考察を、社会についての問い、「未来の構想」に繋げたい。 他人との関係、社会や正義といった概念をどのように問うか。この点について、現代思想に先駆的考察や示唆があるのではないかと目論んでいます。特にデリダの「脱構築」は、土台のような思考法に当たるのではないかと想像しました。 何を学んだか

          【読書記録】デリダ 脱構築と正義【高橋哲哉】

          【読書記録】意識はいつ生まれるのか 脳の謎に挑む統合情報理論【ジュリオ・トニーニ】

          ジュリオ・トニーニ「意識はいつ生まれるのか 脳の謎に挑む統合情報理論」(ブルーバックス)なぜ読んだか 先日、「私の正体」というテーマは答えが得られないという結論を脳科学の本から得ました。 この本が講義形式だったため、引用しにくいこと。また様々な研究から先の結論を検証したいということから、引き続き脳科学分野の本を読みたいと思っています。 意識について有望視されているという「情報統合理論」から、「私とは何か」に対する示唆が得られるのではないかと考えて読みました。 何を学ん

          【読書記録】意識はいつ生まれるのか 脳の謎に挑む統合情報理論【ジュリオ・トニーニ】

          【読書記録】単純な脳、複雑な「私」【池谷裕二】

          池谷裕二「単純な脳、複雑な「私」 」(ブルーバックス)なぜ読んだか脳科学の研究成果は「私の正体」や「愛の条件」など、私のテーマにとって示唆に富むだろうと期待して読みました。 何を学んだか示唆に富む本でした。部分的に列挙します。 直感:訓練によって身につく 共感:疎外感や相手を思いやる温かい気持ちは痛覚から生まれる) 自由:欲求はゆらぎから生まれ、私たちの「自由」と言えるものは、欲求に対してやらないという否定、ゆらぎのパターンを決める訓練と記憶であるという指摘 ノイズ

          【読書記録】単純な脳、複雑な「私」【池谷裕二】