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いつまで働くか 55歳、60歳、65歳

サラリーマンを引退しても
自営・フリーという働き方が残っているので、
正確には、いつ「サラリーマン組織」を離脱するか、という話。

年功序列組織、終身雇用組織、いわゆるサラリーマン組織で
長年働いてきた人向けの話であって、
もともと独立自営でやってきた人向けの話ではない。

「55歳定年」「60歳定年」「65歳定年」の時代を経て、
2021年現在、「70歳定年」(努力義務化)の時代を迎えた。
年金の「75歳繰り下げ受給」が可能となり、「定年75歳」も視野に入る時代となった。

サラリーマン生活にストレスを感じている人や
いつかは好きなことにもっと時間を費やしたいと思っている人は、
サラリーマン組織からいつ離脱するかを考えることが、これから多くなると思う。

定年フリーの時代、
定年という概念自体から「フリー」になる時代、
形式的には組織に従属しつつも「フリー」を志向する時代、
組織を離脱後は文字通り「フリー」に仕事をする時代

そんなことを考えていたとき、
NHKアナウンサー大越健介氏が60歳で定年退職し(2021年6月30日付)、
55歳、60歳、65歳のNHKアナウンサーの辞めどきパズルが完成しました。

1.55歳辞職パターン:池上彰氏

池上彰

・1950年8月9日生まれ
・1973年NHK入局
・55歳で早期退職(2005年3月)し、フリーに。
この時代は、60歳定年が普通なので、脱サラとも言える早期退職。理由は、本人談として、「NHKでジャーナリストとしてのキャリアを全うするため解説委員になることを望んでいたが、解説委員長から「解説委員というのはある専門分野をもっていなきゃいけない。お前には専門分野がないだろう」と言われたとされている(単純にこれだけの理由ということはないと思うが・・・)。

2.60歳辞職パターン:大越健介氏

大越健介

・1961年8月25日 生まれ
・1985年NHK入局
・60歳で定年退職(2021年6月30日付)し、フリーに。
この時代(今の時代)は、60歳定年を形式的に維持しつつも、65歳まで再雇用で働く人が大半なので、実質的に早期退職と言える。
退職の理由は、本人に聞かなければ分からないが(単純に1つの理由ということはないと思う。)、重要なのは「定年退職」には対世間向けの理由の表明が不要ということ。

3.65歳辞職パターン:三宅民夫氏

三宅民雄


・1952年7月13日生まれ
・1975年NHK入局
・65歳理事待遇で退職(2017年7月末)し、フリーに。
この時代は、60歳定年を形式的に維持しつつも、65歳まで再雇用で働く人が大半なので、実質的に再雇用満了の定年退職と言える。対世間向けの理由の表明が不要

三者三様と言える。
20代、30代、40代という、もっと早い時期にフリーになるNHKアナウンサーもいるが、上記の3人は、サラリーマン生活をほぼ満喫・堪能?(退職金、厚生年金などは世間並み以上)してフリーになった。そういう意味で、サラリーマン生活をほぼ貫徹しつつある人にとって、上記の3人の辞職年齢は、1つの参考になるのではないか。

三者三様、それぞれの本当の理由(種々の理由)があるとしても、
シンプルに考えれば、
人生あと何年残されているのか、
もう1勝負するための体力と気力の残存度はいか程か、
という視点も3人にはあったのではないかと思う。

ちなみに、私(現在65歳)も
55歳、60歳、65歳のいずれで離脱するかを種々考えた人間である。
選択したのは、60歳離脱であった。
理由は種々あるが、新しいことをやり始めるには60歳が限度かな、という
個体的な体力・気力の残存度が影響していたことは確かだ。
一方、個体的に体力の残存度も気力の残存度も高い人は、
70歳定年まで働いて、なお、70歳からでも新しい環境に身を置くことができる。そのような人は実際いる。

55歳、60歳、65歳、さらに今後は70歳又は75歳のいずれの年齢で
サラリーマン組織を辞するか、
定年制度が延長されるにつれ、悩む期間もまた長くなりそうである。

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