怪談・THE私94 キリキスの場合
※この物語、怪談はあるキャラ視点です。
歌い続ける
何度解散したんだろう。
何度仲間が消えていったろう。
何度喧嘩しただろう。
何度憎んだのだろう。
人間の娯楽じゃ私を満たしてくれなかった。
いや、本当は一人で楽しめればよかった。
いつも誰かと一緒でないと不安だった。
死ぬまで気がつかなかったけれど、今の私は一人で霊体アイドル地方公演をやらされることもある。
それはどのメンバーもやっているのに、私は最初は不安だった。
方向性も何もかもが違ったからだ。
『相槌 水中じゃ無理!
金槌 泳げない
お前の首から下を
古風な風呂に押し付ける』
最初はメンバーも驚いていたのだが
「これが噂のパンクってやつ?」
と話が進んだ。
これでいい。
組んでも許されるし、ソロも平気。
私はここで歌います。
『エレメント・ダークネス』
キリキス霊生より。
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