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人外なんだよ!そうだよなあ!

前回

※この物語はフィクションです。

 前回はダチ公が世話になったな。
え?ダチ公って誰?

 前回いた「カ」ってやつさ。

 俺はメ。
冷えてないし、泳がないと沈むスタースクリームな軟骨魚類。

 最もお前達人間や他の生き物が知ってる軟骨魚類とはだいぶ違う。

 そんなことよりも俺と怒カの話が丁度聞きたいところじゃないか?
会話なんて確かに意味がない。
どうせ通じ合えないからな。

 だから俺達は噛みつき、絡みあい、ちと競技から外れたコミュニケーションとも縄張り争いとも違う付き合い方をしている。

 この前も漁船がやってきて仲間達の身を守ったさ。
だが怒カの身体構造には敵わない。

 俺の泳ぎと牙と肌。
それだけじゃ限度があってな。
嫉妬したから怒カの触手を噛んでやった。
するとカウンターで殴ってきやがってよ。

 これでお互いフェアな関係だ。

 人間じゃそれができないらしいから。

 文や芸術や生殖や会話なんかで発展してねえんだから『学習だけはしとけ』

といつも怒カと特製の海墨を呑んで笑ってる。

 働く必要も変なポリシーも俺達は持たない。
それがいい。

 気がつきゃ殴って呑んで天敵を脅かしている。

 人外?だっけか。
最近海に落ちた同人誌って奴を読んで知ったよ。

 触手って人間の間じゃコアなファンがいるのか。
実際にやられると意識が遠のくだけなのに。
そういうくだらない事だけは取り入れてこちらも楽しもう。

 冷メって言っても暮らしはこれだけさ。
もっとドキュメンタリー式で捕食シーンを語った方がいいか?
それは人間がやっていることだからよしておくよ。



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