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怪談・THE私Ⅻ
※過去の記憶ほど怖い話は無い。
みぞ
人間というのは未知に興奮する生き物だと自分は解釈している。
未知に遭遇した時に、若手は止まるのだ。
自分もそうだった。
隙間というのは意図的に作れるわけではないのかもしれない。
そこにいつも現れては睨む、いつも人の姿をした魔の存在。
鳩尾。
人間の急所だ。
そこを狙うような卑しい人間も何処か毎日に恐れを抱いているから狙うのかもしれない。
見なかったことには、出来ないよなあ。
ある時は『せい』
またある時は『くら』
次に見るときも『みぞ』
自分は三回も見ちまった。
側溝も秘密基地も、もう見たくない。
そこには必ず『なにか』がいる溝がある。
次会う時はいつになるのだろうか?
はん。
もう逃げらんねえよ。
タイミングは神のみぞ知る。
されど神なんていない。
覗いている奴が抱いてる感情は、自分には恨みじゃなくて好意だと思いたい。
それも嫌だけどさ、
逃げられないんだもん。
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