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避けられぬ懐疑〈06-オーバーオーメンズ-〉

※お祓い済みかつ息抜き回かも知れません。

我々は心霊確認班。
この世には様々な事情が交錯し、パラレルワールドのような事象が巻き起こる。
ただ一つ言えるのは、我々の世界はたった一つだけということ。

浦泉奈冨安うらいずなとみやすは言う。
「豊かさと幸せをイコールにしたものはたちまち遅れて孤独に導かれる。」

と。

前回

◎気取らないでくれよ

今日も避けられぬ懐疑で仕事を終えてきた。
この仕事を理由に高校生活で「あっ、こいつやばそう。」と判断した相手との誘いも断れるので満更でもない。

偏差値ちゃんとした所選んだ筈なんだけれど。
都内だからと油断した。
それと前に連れとオールで歌ったからかその反動で一人カラオケがやりたくなった。

友達はいる。
兄やジムでの関係も好きではあるが、やっぱり同世代がいい。
けれど一人で居たい時間を大切にしたい。
地上波やネットでの仕事は疲れるのに、試合じゃ今は勝ててるけど次勝てるかは分からない。
暗い事ばかり起こる現実も嫌だし。

「それでは一曲歌ってしまいましょう!
浦泉奈冨安で06-オーバーオーメンズ-」

ここは兄の力でCD化か、俺の力でサブスク化かを試してみたい。
問題は作曲者が欲しいところだ。
ファイトマネーで採用したい。
最も楽器は持っていて練習しているが思う通りにメロディが作れない現状。
そんなこともあってここで歌うのさ。

「不吉な予感 的中するはずが

相手はそう 呪い耐性

対戦カードを眺めては 俺の生まれ そらすら

黒い六の数字から 滲み出す 潔癖症

不穏と不眠 不埒な負担を

是非 奴に押し付けたい

不満だが 俺も 我慢はしてるの

吐き出せない事実で

あんた今日も 歩くその道の先

棒に注意よ 裏面から 手が 差し招いてるから」

我ながら良い歌詞が書けた。
いつのまにか熱が入って異様な空間が部屋に充満している。

中性的で、ある程度筋肉を鍛えた俺でもバンドマンとかやれば文化祭でモテたりするのかな。

その日に試合がないといいなと思いながら友達から連絡が入った。

さっ、そっちへ遊びにいくか。

この物語は、浦泉奈冨安のひと時である。

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