怪談・THE私XXVI:Turning 海老の死骸

※私の生前思い出した記憶です。

 いつも仲間が鴉に喰われて潰されていた。

海もドブも川も。

「美味しいから」

といった理由と

「景観を損ねる」

そんな身勝手な理由で仲間が潰されていくのを見た。

喰われるならまだしも殺されるだけとは。
それで善人ぶるなんて人は最低だ。

お前達は千切った海老の数を覚えているのか？

殻を出汁にされる経験があったか？
剥き身でまだ生きが残ってしまった経験はあるか？

好きな動植物だけ保護して、邪魔だと判断した奴は始末しているのだろう？

次はお前だ。
俺を頬張り舌鼓を打ち、食レポをしたお前の露悪さを晒す。

けれどもう構わない。

もう透明になってしまった。

殻も鋏も目も奪われた。

しがない死骸。

俺はこれから…どうしたらいいのだろう。

まだ俺に息はあるが…
二度と治らず死に向かうまでの痛みが辛い。

俺