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怪談・THE私XXV

※久しぶりの怪談を投稿しようと入力する準備を整えておりました。
その久しぶりはとっくに終わってしまいましたが。
気が速いかなあと考えましたが怪談の旬は冬という事なので、温室と天然の怪談を投稿する価値ありと判断致しました。
温室はよく舐められますが良い環境で育った食物は美味じゃないですか。
都合の良い部分だけ切り取って煽るなんて遅れてるんですよ。
では、始め!

バイオフォトグラフィー


 死者のマッドサイエンティスト達が呪いや恨みと称して生者を霊体とハイブリットさせられないか実験を繰り返している。

本当に憑依された人間はただ空になるだけだ。
そこに霊が入っているのに。

霊界隈も技術と発展がないと地球が亡くなった時に困るから忙しい。
勿論、食事も欲望も競争もいらないから実験に没頭できる。

そして機械では出来ない。

憑依能力を持つ霊によって眠らせた人間を浮かばせて運搬。

手術する必要もなく憑依した霊から細胞を採取する。

まずやる内容は「写真」

心霊写真家だった幽霊に頼み、憑依した人間の思い出へ憑依した幽霊から記憶を再現し写真へ変換。
元は生きている人間の記憶だがそこへ幽霊が脚色し、本物の得体の知れない存在を現像する。

そんなシンプルなやり方で不思議なフォトグラフィーは完成する。

報酬も食事も見返りもできず、適度に生前恨みがあった人間の個人情報を探れるので弱みも握れる。

有体写真

そう名付けた。

何名か人間に手渡すのはサンプルの人間から採取した些細な記憶の加工だ。
誰が生きている人間を信用するのだ。

人間が心霊写真を産み出したのなら
幽霊はバイオフォトグラフィー。

これで釣り合ってるよねえ?
人間よ。

今日もまた怯える人間を見つけて憑依し眠らせて実験する。

繰り返す毎日は楽しくないが仕事でもなく役割なので性に合う製作陣だった。

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