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怪談・THE私Ver.XIII

※美しい嘘まみれ。

人造

 概念から生まれた肉体のない念。
その恐れの伝承は、少しずつ形を変えている。

もし私がアプリで全く見た目では心霊的な要素が分からないものを作ったとする。

遊べば失踪したくなる程の冒険欲を掻き立てる機能。

最初はそこまで凝るつもりはなかった。
だが、のめり込んだら最後。

コンテンツとして手を離れたアプリは独り歩きし、模倣アプリもいくつか出たが結局私のアプリが一番失踪しやすいそうだ。

誰かが後ろにいる感覚。
それは消して人でも獣でもない。

憑依する霊の時代も終わった。
今は、ハマることで探したくなる時代。

何を隠そう私も森に来ている。

何だか、アプリを作るきっかけはこの森にある気がした。

側のトンネルには誰かが立っている。

しかも、会ったことがある記憶が何故かある。

え?

確認すると自作のアプリの為に描いたモンスターだった。

そうか。
知らず知らずのうちに元に出会えたんだ。

私はただ、その誰かに近寄ろうとする。
離れる理由がないから。

するとその誰かはこういった。

お か え り

その場にはスマホが残される。

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