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いきなり失恋
久しぶりに虚無と向き合う日々がやって来ることがあります。
幼い頃でした。
好きだった保育士が厳しくて、涙を隠せなかった嫌な記憶ばかり蘇る魔の園。
コートの中には魔物が住むと言われているが、入ってもいない段階で強制的にその場へ放たれるのは理不尽じゃないかい?
そこである子と仲良くなった。
記憶はほぼなくて、そんな恩人の記憶も薄らとしか感覚はない。
幼いながら自分達は「変わり者」の自覚があって、その子は橋渡しのような存在だった。
体育祭のような行事で色々と覚えられなかった自分のミスも笑って許してくれたのもその子だけだった。
後で知った事ですが。
義務教育に突入する段階のこの世の終わりは果てしなかった。
長くビジョンのない世界をその子無しでどう生きていこうというのだ?
好みの保育士の興味を引く為に読書趣味になった。
図鑑や生物、人間学に興味を持ったきっかけもそこだった。
目標の人は、義務教育に上がる段階で結婚していたという現実のアンハッピーセットを見せつけて。
そして私を受け入れてくれたあの子も直ぐに転校していった。
私に残された灰色ではなく真っ黒な世界。
好きな図鑑も早々に切り替えて伝記にハマった。
聞きたくもない授業に、圧力から感じ取った
「大学」「結婚」「恋愛」エトセトラ
正直私には今も昔もこの、つまらぬ現実が嫌だった。
大人になった今では興味が潰えた事と好きな人の為なら努力できる証拠を客観的に得た。
だからか、現実逃避の為の妄想もリアリティを帯びてきて他のストレス発散方法を学ばざるを得なかった。
しかし、押し付けられた幸せ関係なしにその子と保育士に恩義はある。
保育士はもうどうでもいいが、いい意味で掛け値なく一緒に過ごしてくれたあの子は元気でやっているのだろうか?
いや、状態も何も関係はない。
もし、会える機会が何処かであるのなら手伝いたいことが山ほどある。
このまま恩を返せないまま、思い出も形骸化したら虚しくなると感じる事が多くなった。
この世がまだ捨てたものじゃないと思えるのもきっとその子が何かを自分にしてくれただけでは無いのかもしれない。
きっとあの子なら逞しく生きていける。
けれど、自分が発信するようになったきっかけやこれまでの停滞を崩してくれたのも今は離れている人達のおかげでもある。
失恋は保育士によるもの。
歳上に興味があるのはこの影響、とでも言うのだろうか?
取り敢えず、私は自分自身の利己的な側面と戦う道を選んで行く事になると思う。
失恋はマイナスに捉えられがちですが、私は絶望から見出すターニングポイントの壁だと感じています。
それもまた人生。
今回のそれは、どう凌いでいくとしようか。
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