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怪談・THE私XXVI:Turning 球根の死骸

※誰も読まなそうだから生きていた頃を話すよ。

  人間って植物に対してなんとも思ってないのだとカゴに放り投げられる根菜達から気付かされる。

ヴィーガン?ベジタリアン?

私は知ってる。

そいつらの暮らしを。

何かを軽視して生きている。

齧られないように毒を根に溜めているのに食らいつく。

ミニマリストもそう。
減らしても必要最低限の生活は捨てられない。

徹底できない品の良さは帰って醜い。
せめて俗世に浸かって過ちを実感して欲しい。

私を育てたあの人も、「生きる為だ」と何度も泣いてくれた。

許さない。
それでも恨む。当然だ。

けれど人間は食われる側に立てないから分からない。
そうも言ってくれた。

突き抜けている!

けれどその人に私は喰われない。

「自分は真っ当だ。」
と大声でいいながら後に垂れ流されるのは政治だの宗教だの恋愛だの同じ事。

私が球根から、人は『肉の塊』

けれど私は毒ごと齧られた。
もう死ぬ。
植物の死は軽い。

そう思い込んだまま…

✳︎

  側に気配がする。

誰?

鴻?海老?亀?

私は食せないことを知っているだろう?

何故か雰囲気は暖かった。

もう、食物連鎖から降りれたのかもしれない。

下手な会話をしないで態度で示してくれる。

初めてあった連中なのに。

少しくらい思想を話してみよう。

もう死んでるわけだから。




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