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例のつぶやきについて

「とりあえず自作品について、手ごろな日常雑器ものはSNSや手渡しの直販のみで流通させて、ギャラリーはオブジェもの(アートの文脈に乗せる意思のあるもの)のみ展示しようという気持ちが固まりました。ので、そのようにしていこうと思います。またnoteに詳しい気持ちを書くと思います。」

↑これのことですね。これ以外の何かしら不穏なつぶやきを想像した人は踵を返してください。しかしこのツイートをしてからだいぶ時が経ってしまった。今更noteを書く必要があるのか?書きますが…


まぁツイートに書いたことで言いたいことはだいたい完結してるのでこれ以上の詳しい気持ちも何もないのではという感じも若干あるのですが、ここはツイッターを補足するツイッターなので、駄文とともに注釈めいたものをやっていこうというわけです。あとこのnoteを書いてる最中もハイボールをガバガバ飲んだりしてたので、文章はある程度グチャグチャになることが予想されるし、のちに細かい部分を訂正する可能性はあります。

そもそも作家が自分自身に関係する何かを表明するのは何のためかというと突き詰めれば自身がよりすっきりとした気持ちで活動できるようにするためであり、往々にしてわざわざ事をややこしくしようという感情は無いものです。ネットで話題になってるアレコレがややこしくなってるのは結局外野がワーワーしてるからっていうケースがだいたいだと思います。そして例外が発生して、更に、ややこしく……

意味もなくただのブログを不穏にしてはいけない。


この「すっきりした気持ち」というのが、基本的には制作においてもそうですが、今回の場合は値段のつけかたというのがあります。

今日の陶芸の展示はしぬほどざっくり分けると、日常ものの雑器を売るパターンと現代美術に寄ったオブジェ形態のものを売るパターンに分かれます。この2つは同じ土から造られ多くは同じ技法で制作されますが、作家によって制作意識が違うことがわりと多いです。

これまで僕はギャラリーで展示させてもらうとき、多くの場合はオブジェ作品と雑器作品を同じ空間に展示していました。グッズ販売スペースがあるからとか、オブジェだけだと空間が心もとないとか、いろいろな理由という名の言い訳めいたものがあったのですが、当然ギャラリー展示なので作品の形態にかかわらず売れたらマージンというものが発生します。マージンはギャラリーによってまちまちですが、だいたいの相場は決まってるので、自分の希望利益を出すにはどうしようかみたいなことを考えます。

僕は少し前から日常雑器はいくら値段を上げていってもこれ以上には上げたくないみたいな気持ちが出てきていました。そのボーダーはだいたい1万くらいなのですが、例えばマージンによって売値の半分がもってかれるとして自分が希望する利益を得ようと思ったら、仮に6000円欲しい器は12000円で売らないといけなくなる。個人的に日常雑器が一つ1万超えするのはもうそれ日常じゃないだろみたいなのがあり、あんまりその値段にはしたくないわけです。かといって8000円にすると仮に売れたときに自分の元に入ってくるのは4000円になる(それでも十分ありがたいといえばもちろんそうなのですが、この場合は希望する利益を得ていないからどうしてもモヤモヤしちゃうなという話です)。ギャラリーで展示させてもらうときには多かれ少なかれ毎回この気持ちはありました。

そこの気持ちに対して自分なりの折り合いをつけるということで、器ものとオブジェものの出展の扱いをそもそも変えようと思うに至りました。ギャラリーで展示されるものは現代美術のカテゴリーとし、納得できるだけの値段にする。日常雑器は(少なくとも僕は)現代美術のために作っているわけではないので、ギャラリーでは展示しない。直販でのみ扱うようにする。ただしこれは自分からの出展を考えた場合のことなので、「ぐいのみ展」みたいに完全に出すものが決まってる企画に向こうから誘われたらその限りではない。その時は普通に出します、なので結局はみなさま何も気にせず誘ってください。

要は「好きに出していいよ!」って誘われたら、うつわ物はもう出さないよ〜ってことです。これは今までずっと自分の意思が曖昧だったがゆえにこういうことになった結果なので、不都合が発生したのなら悪いのは間違いなく僕です。


あと日常の器と日常以外の器の差ってなんだよみたいなことになると、これはもう完全に主観になってくるので何も言えなくなってしまうのですが、抹茶茶碗・花器・植木鉢あたりは器(特定の目的のものを入れるためのかたち)型をしてるけどギャラリー空間でも出せるかなって感じです。特に個人的な活動として植木鉢を高値でやりとりするシリーズは大事だと思っているのでやっていきたい。

長々と書きましたが結局何を言いたいんやというと、世の同人誌や同人グッズを作ってる人たちや美味しい料理を出してくれる店の人たちホームセンターで売られる様々な部品を工場で作っている人たちetc.etc..は、あんなにも繊細で熱意のこもった素晴らしい創作物をすごいお手頃な価格で日々提供していて本当にすごいやばすぎるありがとうございますということです。みんなもどんどん好きなキャラクターのフィギュアを買おう。

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