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静かな街

賑やかだった記憶は古く
頭上を黒いコウモリが飛ぶ
途方もない水面には
オレンジの灯りが傾れ込む

沈み行く星、我々も。
私はここで自由になりたい
一口、口で溶かした水は
気泡となって散ったのだ

虫の鳴く声が響いてる
上品に跳ねる魚たち
やけに明るい夜景だな
今夜は月が綺麗だな

一人泣きたい夜のこと
必ず向かうあの川へ
醜く爛れた快楽の世界
泣くことだって楽じゃない

当たり前にある生き地獄
あんまり気付いてないみたい
水が誘うは涙のせいか
泣き声響かす静寂のせいか

今夜は静かに死なせておくれ
死なせておくれ、今だけは
川の流れは止まらない
それはそれは、冷ややかに。

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