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みえない

薄暗い夜道を歩いている。
微かに照らしたのは、この大きな星空だった。
道標の星座は正直者
僕は彼等に示されて家に帰る。

ある時

この世界が大きな大きな街となった。
人のいのちが増えたから。
わいわいと賑わって、彼等は街に火を灯す。
そしたら世界が一気に明るくなったんだ。

瞬間、大好きだった星たちが一斉に姿を消した。

そのうち人は火遊びを始める。
高いところから街を見下ろしては、笑った。
僕の気持ちを無視してさ。

最後に広がったのは、幻想の世界だけだった。
帰り道を見失った僕に街の管理人はいう。

「ようこそ。ここでは誰もが自由を知らない。」

ウソツキがいる。見えてるだけの常識には。

騙されたら、君もウソツキ

そうやって人は進化してきた。
ずっとそうだったんだろう。

産み落とされてしまった、
ここはウソツキの世界。

でもね、みんなが楽しそうに笑っていた。

僕が見ているこの悪夢は、どうすれば誰かに伝わるのだろう。
大好きだったあの星空をもう一度みたいのに、目を閉じたこの街からじゃ何も見えやしない。

取り残されてしまったこの道はなんだか、
なんだかとても嫌な感じがする。
マルーンのような、クリムゾンのような。
火を灯し過ぎて燃えているんだ。

「きっとそっちの道は危ないよ。」

通りすがる人は振り向きもしなかった。

危ないってば。

「ねえ、、」

真っ赤に染まって、また死んでいく。
大切にしていた景色だったのに。

音に乗せれば少しくらい、口づさんではくれるんじゃないか。
そんなことばかり考えてる。

なんだかいつもうまくいかないな。
この色を口づさんでくれた人すら、笑っている。

すっかり迷子になってしまった、
もう僕にはなにもわからない。
独りぼっちだ。

うずくまっている間に完全に囲まれてしまった。
大きな大きな火の海だ。
誰か、助けてよ。

見上げても、星たちがいた空はもう真っ黒だ。

どこかで微かに唸る悲鳴を頼りに、必死に道を探している。

今はまだなにもみえない。

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