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声が出なくなるまえに

 泥棒猫です。

 私は「繊細さん」ではない。言いたいことを結構言えてしまうほうだと思っているし、実際問題として口は災いの元・・・という反省のほうがずっと多い。だからストレスがない、というわけでもないという話。

 

 それはそうだよね。

 メンタルは結構強いほうだと思う。 

 けどその分、ストレスを抱えると、心より身体に反応が出る。

 例えば、湿疹。持病のリウマチも、発症から進行の早さはそうかもしれない。生理不順なんかもそう。頭痛もか。不整脈も関係あるかな。


 そして最も顕著に出るのが、ノド。つまり声だ。

 気管支炎に始まって、咽頭炎になるパターン。

 夜中に腰が痛くなるくらい咳が出るのが辛い。

 だけどそれとペアで、必ず声が枯れてしまうのだ。 

 ドラえもん(大山のぶ代版)のようになったこともあるし、ボヘミアン(=葛城ユキさん)には頻繁になり、場末の飲み屋のママ風の酒焼け声になったり、1年以上に渡って椿鬼奴さんだった時期もあった。

 まぁ地声も低いんだけどね。

  

 そして人生で2度、まったく声が出なくなったことがある。

 声帯が真っ赤を通り越して膿で白くブヨンブヨンになり、音を発せられなくなったのだ。あれは困った。ささやくことすらできないのだ。まるで無声映画。治るまで相当かかった。身体は元気になっても、声だけ重病人みたいなので電話対応でお客さんに非常に驚かれてしまう。



 木曜日に、お盆明けの忙しさがピークに達し、疲れ果てて帰宅したら、咽喉に違和感を覚えた。これはやばいパターンっぽい・・。

 いつもは彼と寝る前にFaceTimeで30分ぐらい話してから眠るけど、会食があるといっていたから帰宅を待ってたら夜中だなぁ。時差もあるし。先に休んじゃおっと。

 そんなことを思っていたら先回りして会食前に電話をくれた。

 ありがとう。安心して眠るね。精神安定剤のような効果だよ。


 そして早く眠ればいいのに、私の腹心の友と長電話をして、涙を流して転げまわるぐらい大爆笑してしまった。何がおかしいのか他人様にはさっぱり理解できないような話題でもおかしい。50を過ぎようと、箸が転げてもおかしいのだ。

 だから満ち足りてベットに入ったはずなのに。

 疲れていたから爆睡のはずなのに。


 夜中の2:30に目が覚めてしまった。

 そして急に、仕事のことを考えたら心拍数が上がってきたのだ。

「ダメダメ。眠らなきゃ」

 と思うのに、こんどは涙が溢れる。やだ、乙女なの?


 いや。乙女心ではない。

 明日のタスクが多すぎて、どう考えても無理じゃん、これ。って。

「会社に行きたくない!!!!!」

 って全身が叫んでいるんだわ。だからノドに違和感があるんだ。


 落ち着け、自分。まずは深呼吸して、深呼吸が咳を誘発。ひとしきり咳き込んだあとで、眠れないなら一旦起きよう。と電気をつけベットからでる。

 そこからお気に入りのコクヨさんCampusノートA4サイズ方眼・ノー201S5ーDに猛然と明日やるべきことを書き上げた。

 PCでやればいいのに、私は手書きが好きなのだ。

 ペンはZEBRAさんのSARASA0.5ブルー。ゲルインクが好き。


 びっしりA4に2枚。タスクは10件。

 それで落ち着くはずだったんだけどね。

 だんだん、これそのまま渡しちゃって明日は休んじゃえばよくない??と思ってきた。そうだよ、体調悪いんだから休もう。そうだそうだ。


 そう開き直ったらやっと眠りが訪れた。

 時刻は3:30。

 4:00起床で早めに出勤しようと考えていたけど、それもいいや。

 5:00まで寝た。ちゃんと深く。


 とりあえず出勤。声は俳優の平泉成さんで、音量はささやき女将ぐらい。

 ノドの痛みはなく、咳はでる。熱はナシ。


 出勤した私は上司・同僚に「声が出ません」と平泉成の声で伝え、A4に書いたタスクを上司に渡した。

 私の上司は非常に出来る男なので、すべてを察し

「優先順位はどれですか?あ、これとこれ、僕やります。これとこれはみんなに振ります。これは月曜日に考えましょう」とテキパキ。

 そして「すぐに病院に行ってください」とも。

 会社の隣のビルにある内科(初めて行った)へ行ったら、鶴のような瘦身のおじいさん先生が、私のささやき声に何度も「えっ?」と聞き返し、その都度看護師さんが通訳してくれた。

「リウマチがあるなら肺炎は怖いよね。気管支炎からくる軽い喘息発作かも。強めの薬出しとくね」と言って診察は終わり。

 処置室でノドにヨードチンキみたいなこげ茶の薬を塗られ、オエってなって涙目になりながら会社に戻った。

 その間、彼から「くれぐれも無理しないんだよ。早く帰って休むんだよ!」とメッセージも届き、心配してくれる人がいることに感謝。


 会社に戻ると当然だけど膨大な仕事が降ってきていた。だってタスク意外に日常業務がすでにキャパ超えてるんだもん。私のキャパというより、会社の1日の出荷量を超えているの。

 大変申し訳なく思うけど、それをザバーーーっと分けて丸投げし、私は早退した。正味1時間半しか仕事していない。ごめんね。


 帰宅してから、滾々と夕方まで撃たれたかのように眠り、目覚めたら声は普通のオジサンぐらいの低さにまで回復。よしよし。いいぞ。


 そして今日。少し鼻声だけどほぼ回復。

 あーよかったわ。

 私、今回は最小限に被害を食い止められたと思う。

 あのまま無理していたらまた声が出なくなる予感でいっぱいだった。


 今回は自画自賛しているけど、周りに迷惑をかけているのは間違いない。

 もっと強靭な身体になりたい。


 しかし、何かで読んだのだけれど、自分のキャパ超えた負荷がかかった場合、メンタル弱いと心の病に、メンタル強いと身体の病に、まず出てくるんだそうな。そのあと、もう一方にも出る、と。そうなったら相当進んでいるから手遅れにならないうちに静養するべし、と。


 なかなか思うようにはいかないけど、週末はゆっくり過ごそう。今はまだ土曜日の夕方。時間はたっぷりある。

 珈琲を淹れましょう。



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