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【ライラック杯】俳句部門に参加いたします【16歳の春の私】

泥棒猫です。
ライラック杯の俳句部門で参加させて頂きます。
よろしくお願い致します!


2句の参加です。

ライラック チェルノブイリの 処女の墓


春の風 纏い闘う 十六歳



私が16歳の春、あのチェルノブイリのニュースが世界を揺るがし、当時の私は「これで世界が終わるんだ」と悲嘆に暮れた。
1年生の時に教わった現代社会の先生に、いったいどうなっちゃうのかを聞きに行ったほど。普段の私は先生に何かを聞きに行ったりするタイプじゃなかったのに。
本当に怖かった。

ちなみに件の先生は、「どうなるんだろうね」とか、そういうお返事だったような気がするけど、記憶がない。
一緒に教務室におられた別の先生が
「ああ、そうだそうだ。世界はもうダメになったんだ」
と、笑いながら口にしたのしか覚えていない。
その先生は元々口の悪い、敢えて露悪的な事ばかり言う先生だったので、多分真剣に怖がっている私が可哀そうというか、可愛いというか、バッカだなー、というニュアンスでの発言だったと思う。
そのこと自体には、別段なんの感情もない。たぶん。今ならめっちゃ問題になるのかもしれないけど。

そのあとで、どうやら私が言ったらしい言葉。

「私たちはみんな死んじゃうんだ。処女の墓がズラッと建つんだよ」

はぁ~?
私、そんな変なこと言ったかなぁ。本当だろうか????
それこそ露悪的な言葉を履く先生並みに、なんでそんなこと言ったのかも我ながら謎すぎる。
だけど30年以上経った今、あのときそう言って本気で怖がっていた私を、友人が記憶しているのだから、そうなんでしょうね😅
「あのセリフは衝撃的だったから、すごく覚えている」
と、証言するのだから。
笑い事じゃないんだけど、本当に無知で、無垢で、潔癖だったんだろうな、16歳の私。
世界全部が敵だと思っていたフシがある。

今更ながら、16歳の私に、いまの私から言ってあげたい。
「大丈夫。世界は終わってない。だから頑張って!待ってるからね」
と。


次はライラック杯、と発表があったとき、
すぐにこの2句が頭に浮かび、ノートに書き留めておいた。
ライラックの花は、私にとって東欧からロシアのあたりのイメージだからなのかな。
墓地のある丘に咲く、ライラックの花の風景が目に浮かぶ。
今、ようやくお墓参りに行けた気がする。
16歳の私と一緒に。



2句での参加です。どうぞよろしくお願いします。



ヨーロッパっぽい花ですよね。ライラック。





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