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アザミ 1stワンマン配信ライブ 「ロックンロールは人知れず」を振り返ってみる

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今更ではあるが、2020年10月3日(土)に開催されたアザミの1stワンマン配信ライブ「ロックンロールは人知れず」を振り返ってみる。なぜ振り返ってみようと思ったかというと、間違いなく今年のVTuberライブのベストの1つとして語り継がれるべきだし、あと、個人的にすごく好きだから。このライブは、VTuberでありSSWのアザミがバーチャルの体ではなく3次元の体で挑んだライブなんだけど、界隈にいる俺たち、視聴者に求められるのは、許容ではなく"認識"なんだと思う。筆者自身、配信だからなし得たライブ表現であるとわかった上で、「歌唱力・楽曲」の圧倒的ポテンシャルを除いて、このライブが1つの表現方法としてもっと評価されるべきだと思っている。それだけいいライブだった。バーチャルの姿で活動する意味に対して俯瞰的に散々色々書いてきたけど、バーチャルの体にこだわる必要ないんじゃね?良いライブができればそれでいいんじゃね?って心底揺さぶられたライブでもある。表現においてバーチャルなのか生身なのかで討論するのはもう野暮なのかもしれない。それでもライブを見た上で「VTuberなのに3次元の体で?」に焦点をおいて討論してしまっている人は、早くタイムマシンで2020年まで飛んできてほしい。ミッドナイトトラベラーしたほうがいい。

今回はライブレポートではなく「何がどうよかったのか?」に焦点をおいて超絶個人的に話していこうと思う。と言えばいい感じに聞こえるけど、本当にただのライブを見た感想ですこれ。ライブのノウハウも、音楽のことも全然知らないやつが私情を織り交ぜて「良かった」で集約させようとしてる自己満足の記事です。「お前、アザミの良さ全然わかってねーな?」って思った方はぜひ喧嘩しましょう。

※特別にスクショ掲載許可をいただきました

ライブスタイル

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ライブは、ざっくり言うとライブハウスのステージにアザミが1人ギターを持ってバッキバキに演奏して歌うスタイル。全体像は要所要所で映るけど、顔は見えないようなカメラワークで展開される。後ろのスクリーンに映像が流れて、照明で楽曲ごとに緩急をつけていくかなりシンプルな演出なんだけど、影を追った表現や置かれたPCやお茶の日常感のアンバランスさがやけにセンセーショナル。トークは基本いつものVtuberの姿であるアザミが映し出されて、ゲストとのトークも同様に、あくまでVtuberである前提を保ちながら進行していく。

ライブ(3次元)

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トーク(Vtuber)

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ゲストトーク(VTuber)

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ゲストライブ(3次元+VTuber)

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ライブの構成はざっくりこんな流れ。基本的には、歌うときは生身で、喋りはいつものVTuberの姿でといった感じ。生身+VTuberの形式に関しては、最大限シンプルに行っていたという印象。正直違和感とかは全く無くて、シンプルに楽曲が良すぎてそっちに意識がいくから最終的に「曲がいい」で集結してしまう。話のベクトルを変えると、生身でやりながらもVTuberをゲストとして迎えながらしっかりライブを行うところに、文脈に対する意識を感じた。正直、「顔映んなかったらトークも生身でよくね?」って思いがちだけど、時折いつもの日常に引き戻す取り組み自体、自身があくまでVTuberであることの主張を表現しているように思えた。ほんとの意図は知らない。

生身と生ライブの臨場感

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そもそも俺は「ギターを持った女の子」がバカみたいに好きなんだが、そのバカみたいな愛のフィルターを取り除くところから始めなければこの記事は書けないんですね。女の子がギターをぶんぶん振り回して歌ってんの、無条件で好きじゃん。それでも、生身の生ライブっていう当たり前だけど当たり前じゃない光景を目の当たりにした時、VTuberが2Dや3Dでやるライブにはない臨場感が生まれることは確か。人間の所作ほど没入できるものはないなって至極当たり前の感想を述べたいわけだけど、これって「VTuberのライブ」って前提があるからこそ平凡な感覚が違う捉え方をするわけで、VTuberとしてカテゴライズされた楽曲を生身の女の子が歌う、その上歌ってる生身の女の子はVTuberであるアザミ本人っていう情報量。シンプルに感動して視聴してたけど、このライブって情報量めちゃくちゃ多いんですよね。

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好きな楽曲だったらなおさらなんだけど、この時こんな動きしてるっていう発見は、小さいようで実際は脳内にめちゃくちゃ刻まれることが多い。ギターとか楽器を演る人はそんな感じないかもだけど、我々楽器をやらない人からすると、ここってこんな力強く弾いてるんだとか、ここは弾いてないんだとか、そういう細かい発見だけでもご飯3杯は食べられる。普段見てる弾き語りの答え合わせをしているみたいで、とにかく何もかもが発見に溢れていて、好奇心が止まらなかった。当たり前なんだけど、生身のライブだからこその発見なんですよねこれ。

好奇心を煽る見せ方

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ライブは生身とはいっても顔が見えないように撮られている。ここで生じる「見えそうで見えない」の好奇心、この見せ方が実にズルい。これは人によって感覚が違うと思うけど、VTuberの中身を見たい人、見てもいい人、できれば見たくない人、絶対に見たくない人、でだいぶ印象が変わる。俺の場合、「見たい気持ちと見たくない気持ちが入り交じる」って感情がでかくて、このあやふやなところに見えるか見えないかのカメラワークが飛び込んでくると、「見たい」という気持ちに振られてしまう。基本的に首より下にフォーカスされてて、コンスタントに全体が映し出されるみたいなカメラワーク。頑張れば見えそうなもんだけど、全体が映し出されも顔はぼやけてて見えない。

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ピントがあったと思ったら俯いたり髪の毛で見えなかったり、とにかく見えない。「見たいけど見たくない」とか言ってたけど、後半とかもう「見せろよ!!!」とか思ってた。よくよく考えると、顔が見えるか見えないかって、VTuberとしての生死の境目みたいなところがあって、顔が見えるとアザミがアザミじゃなくなるかもとかそういうことも考えちゃったりとか、生身でライブするって諸刃の剣なんだなって思った。VTuberが生身でライブをやる!すごく革新的だ!って簡単に騒いでたけど、このフレーズでライブやるって並々ならぬ努力とか連携が必要なんだなって、至極当たり前のことを俺は言っていますよ。

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個人的には影を使った見せ方もすごく素敵だと思った。淡いんだよね。演出が。1つのステージに1人のアーティストしかいないんだけど、楽曲の数だけ世界をちゃんと作って、同じものを見せられてる感じがしない。綺羅びやかな先鋭さとアンニュイのバランスがごく自然と溶け込んでる感じ。この演出にアザミの歌が入ってくるわけだから配信ライブなのにガツンって没入してしまう。とにかくライブ全体の見せ方が素晴らしかった。

芯に響く感じ

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アザミの"歌"についても少し触れようと思う。俺は歌に関して専門的なことはわからないから大目に見てほしいし、あと表現的に怒られないか不安なんだけど、個人的には節節に感じるアザミの「毒々しさ」が好き。ギターが鳴り響く疾走感ある曲も、淡いポップな曲も、毒々しいアザミの人間性みたいなものが垣間見える。この毒って言葉には、等身大のアザミのいわばギャップみたいな要素が大きくて、表面的に作られたアーティストとしての様式美みたいなのがちゃんとあった上で、何かを訴えてるようなでも独り言のような歌詞をめちゃくちゃ綺麗に乗せて歌うところになんか毒々しさを感じてしまう。ラストシーンの「誰にも見せないライナーノーツ、僕だけが僕の思想を温める」とか、ミッドナイトトラベラーの「いつも繰り返すコード進行、些細なことで失う層と信仰心」の部分とか、内向きな感情の起伏がすげーって感じなのに、妙に収まった感じに歌い上げてる。聴いてる側にいつのまにか毒が回ってる感じ。

"許される"という前提

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今までの空気をぶち壊すことになるかもしれないけど、"許される"必要があるライブだったなって思った。アーティストとしてのポテンシャル、世界観の維持、端的に言うと「アザミがやったから許される」という感情がとにかくデカい。身も蓋もねぇって感じですよね。簡単に言うと、やればいいって話じゃないよってこと。人を選ぶ。VTuberが生身でライブをやるっていうの、ライブ後に「型破りで大胆不敵で革新的なライブ」だったっていう報酬が無条件で手に入るけど、その上で終着点がベストライブになり得るかはかなり重要で、意外と高いハードルを軽く飛び越えるようなパフォーマンスができないとVTuberが生身でライブやるって無理だなって思った。

何が言いたいのかというと、"めちゃくちゃ挑戦的なライブ"だったなということ。これってめちゃくちゃ挑戦的なんですよ。アザミだからこれやれるよね~って感情はもちろんあるけど、実際普段Vtuberとして活動している人が生身の体でVtuber人生の賜物である楽曲を大々的に披露するんですよ。よくよく考えるとめちゃくちゃ挑戦的。逆に、これをやってしまったら今後どうやって見せていくのかが個人的に気になった。もうVtuberの姿でライブしても満足しないのでは?という感情。とはいってもその辺に関して不安だという気持ちはほとんどなくて、いい楽曲を、いい音楽を彼女は追求していくんだろうなって感情が大きい。絶対に聴いてほしい音楽をこれからも届けてほしい。な!!!!!

最後に

最後に好きなアザミの楽曲を紹介しますね。全部いいってのが大前提で話すけど、アザミってなんでもいけるんじゃね?ってくらいどんな楽曲もめちゃくちゃ歌いこなすし、自分の世界を作るのが上手いってことは周知の事実だと思う。特にクラブでかかっても遜色ない淡い「現代のポップス」みたいなイメージが俺は最近強いんだけど、俺はね、圧倒的に「ホログラム」が1番好き。もうダントツのダントツでホログラムが好きです。俺はギターがぎやーんって鳴ってて疾走感ある楽曲にアザミの感情的な声が乗ってる楽曲が好きなんです。それが「ホログラム」。聴いたことない人はぜひ聴いてみてください。それではさようなら。

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