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◆全国郷土ずし紹介 3月  韓国全羅南道の「ホンオフェ」

これは実はおすしじゃありません。でも発酵ずしなどなじみがない韓国で「発酵させた、独特な香りのする魚」といえば、まず出されるのがこれ。「ホンオフェ」といいます。「フェ」は膾で、「ホンオ」はガンギエイ。ですからエイのお造り料理のことですね。しかしこれ、世界で2番目に臭い食べ物だといわれています。ちなみに1番目はスウェーデンのニシンの塩漬け「シュールストレミング」だそうですよ。
 だいたいホンオに限らずエイ一般やサメなど軟骨魚類は、体内で生成されたアンモニアを尿素に変えてどんどん溜め込み、その尿素を体内に溶け込ませることで、海水と同じくらい濃い体液や血液を作り出しています。尿素そのものは無臭なのですが、時間とともに、尿素はアンモニアに戻ってしまいます。生きていれば再び尿素に戻す事もできるのですが、死んでしまうと、アンモニアだけが残るのです。これが臭いのです。
 ホンオも新鮮なうちは臭いもないのですが、韓国の人は、わざと臭いが出るように、刺身や切り身を壺に入れ、4〜5日置いておくのです。冬を代表する、全羅南道の木浦産のホンオフェが有名ですが、今では年中、ソウル市内でも、スーパーに売っています。
 味ですか? 味は白味であっさりとしていますが、とにかく臭い。というか、この臭いは目に痛い! マッコリ(白酒)でもなきゃ、私にはやってられませんでした。

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