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◆全国郷土ずし紹介 5月  高知県山間地方の「タケノコずし」

高知県の、海から距離がある地方では「田舎ずし」といって、山菜や野菜類のすしが作られます。これはこのコーナー・第9号にも載っています。その中でも今日は、とくにタケノコずしを紹介しましょう。春になるとニョキニョキ出てくるタケノコ。これを具にしたタケノコのちらしずしは全国どこにでもあるでしょうが、これを「鋳込み」のようにしたり姿ずしの具にしたりするのは、あまり例がないのではないでしょうか?
 写真の、丸いのが印象的なのがありますね。こちらが「鋳込み」型で、タケノコは短く切らないのですが、節はあらかじめ抜いておきます。煮込んで味を染みわたらせれば、あとはすしご飯の上でポンポンと叩きます。そうすると、タケノコの胴の部分にすしご飯が詰まって、これを輪切りにしていただきます。写真の真ん中で2本の竹が突っ立っているもの。タケノコの先っぽのすしですが、立派でしょう? でも、節をくり抜くのが大変なんですよ。もっとも最近では、先に短く切ってから詰めるものもありますが。
 もう一方の四角いすしの写真は、タケノコの押しずしです。これは同じタケノコでも地の方。どちらかといえば、少し固い方です。これを甘辛く炊いて簀の子の上に広げ、その上にすしご飯を。これをギュッと押します。
 タケノコを塩漬けにしておけばいつでもできそうですが、やはり、春が一番でしょう。


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