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2022年中日ドラゴンズの記憶と記録②オープン戦振り返り

 こんにちは、ドリーです。

 前回に引き続き「2022年中日ドラゴンズの記憶と記録」シリーズです。たった3週間ほどですが色々発見などあったので今回も見ていきましょう。そして開幕後の構想も固まってきたのでそこを中心に触れていきます。

前作はこちら↓

シリーズを纏めたものはこちら↓


1.開幕直前!戦力チェック

 今回も例の如く戦力マップを使って戦力を見ていきます。少しシーズンモードに変えてみました。

1‐1.投手編

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 今回も先発から見ていきましょう。
 全体としては大野雄、柳、小笠原がちゃんと揃い続けられるなら問題ない布陣になると思います。柳は非常に良いですがスローカーブの多投が気になります。昨季カットボールの割合を増やして縦スラとのコンビネーションが合っていたので、アクセントとしてのスローカーブにしてもらいたいです。開幕ローテは大野雄→勝野→柳が週末(開幕3連戦)、小笠原→高橋宏→松葉が週の頭(本拠地開幕3連戦)になることが濃厚。高橋宏が投げ抹消濃厚なので7番手が必要になりますが、とりあえずは岡野がその役割を果たすことになるでしょう。その高橋宏は年齢がどうとかではなく素晴らしいと言えるので1軍に置かなきゃいけないレベルまで来たと思います。流石将来の日本のエース。勝野は非常に良い状態で開幕ローテを大逆転で掴みました。今年は改良したスライダーも使いながらローテを守って規定投球回に到達してほしいです。岡田は思っているよりも通用していますが、壁が見えてきていると思います。鈴木は先頭を抑えられなければ崩れる所の修正が必要です。福谷は3月8日が初登板だったのでまだ調整が必要になります。

 これを踏まえて5月までの先発予想を作りました。当たるかは別ですがこのようなローテが良いと思います。

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 中継ぎを見ていきましょう。
 勝ちパターンはロドリゲス→岩嵜→ライデルの3人で決定。ロドリゲスは思ったよりも通用しているのでどんどんストライクゾーンに投げていってほしいです。準勝ちパターンとして期待されるのが藤嶋、田島、福の3人。藤嶋と田島はオープン戦終盤での不調がシーズンに入っても続かないと良いですが…。福は少しモデルチェンジしたので様子見です。ロング適正も試されている山本と清水は再現性を披露して信頼を得られたら早い段階での準勝ちパターンへの昇格も考えられます。マルクは抜け球を減らすことが重要。谷元はしばらく2軍で調整してもらいましょう。必要になるときが来るはずです。森は新型コロナウイルス感染症で出遅れた分アピールに時間がかかっていますが、準備をしていれば必ず出番は来るので調子を上げておいてもらいたいです。祖父江は意外と快復が速かったのでそう遠くないうちに1軍昇格があると思います。石森と橋本と近藤は制球をどうにかしてください。あと橋本と近藤は持ち球増やさないとこれ以上の段階には行けないので、そろそろ他の変化球を完成させてほしいです。

1-2.野手編

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 今回は1・2軍両方の戦力マップを出します。

 ポジションごとに見ていきましょう。

 捕手:木下がレギュラーは確定。問題は体力だからシーズンが進むにつれてどうなるかだけ。2番手は悩みどころ。石橋も木下がいるとはいえこんなところで詰まってる場合ではない。桂は相変わらず相対的に1軍にいるレベル。結局石橋が2軍に行き、実質捕手2人体制となった。

 一塁手:ビシエドの状態が少し心配。開幕直後は我慢が続くか。
 二塁手:高橋周が意外と動けていて悪くない。周囲との連携は細部を詰める必要がある。打撃も多くは期待しないが2019~20年くらいやってくれるかも。万が一の場合には阿部もいるので少し安心できる…と思っていたら高橋周が左足関節内反捻挫で離脱。しばらくは阿部が中心になりそうだ。石垣が好調を維持できるならセカンドでの起用があるかもしれない。2軍では三ツ俣の怪我もあってかワカマツの出場機会が増えている。
 三塁手:石川昂が暫く固定になることを立浪監督が明言。フォームを昨季までと近いものにしてから良い当たりも出ている。新人の時に21打席連続無安打の後にあの澤村拓一のストレートを長打にできた選手だから慣れてくれば結果を出す可能性は十分にある。
 遊撃手:京田1択。ただ、打撃の状態が不安。結局当てろ、エンドランしろ、ゴロ転がせではこれまでの失敗を繰り返すだけ。不器用なタイプなので段階を踏めばいいのに飛ばせるように指導したはずなのに実戦の打席に立たせると小技重視というのは彼にとって矛盾していると感じるのでは。控えは溝脇とキャンプで少し試した高松。基本的に京田がフル出場になりそう。堂上よりも溝脇が優先されたのが意外で、これは首脳陣の意図を知りたい。2軍では土田が主に出場。

 左翼手:阿部が最有力だったが開幕はセカンドへ。鵜飼はこんなもんかな…。アリエルは打てない守れないでは話にならない。福留をスタメンで使うことはなるべく避けたい。平田はバットの問題ではないくらいにゾーン管理が雑で引っ張ったゴロが多い。逆方向への打撃はどこへ?
 中堅手:大島の守備が落ちていることが見え見えだが、他の候補もいないのが現状。打撃は勝手に上げてくるだろう。
 右翼手:岡林が結果を出した。バテた時、不調の時に他の選手で穴埋めができるか。右手負傷で早速それが試されることになるかも。
 外野手全体:守備固めには加藤翔が入る。武田健吾の退団もあったので1年間1軍にいそう。2軍ではプロスペクトがかなり優先されて出場機会を与えられているが、滝野と渡辺が復帰した時に溢れる分運用が難しくなる。既に福元は一塁での出場が増えていて外野での出場機会が限られている。

 

 次は気になる選手を個別に挙げていきます。

①石川昂弥
 先述の通り打撃で苦しんだのはそうだが、守備でも強い打球への対応が課題となっている。適正はセカンド石川昂サード高橋周かもしれない。まずは1年間戦うことを身につけて来季コンバートを検討したい。

②阿部寿樹
 外野守備は適応できている。打撃も良くなったが速球への対応は課題が残る。そこができなければ成績が下がってしまうのと、代打出場時に相手の中継ぎに対応できない確率が高くなる。シンプルなフォームにしたのでタイミングを合わせたらすぐに良くなるのでは。鍵になる選手なので打撃の状態は良くしておきたい。

③根尾昂
 この選手って何者なんでしょうね。「いや…これでは打つの難しいでしょ…」と思ったときでもなんかヒットを打ってしまう。一生BABIPが収束しないのかも。守備は良いが守備固めにするくらいなら2軍に置きたい。正直良い状態だとは思わない。

④ブライト健太
 別に注目されるような数字でもないが好きな選手だから許してください。なんであのスイングでヒット打てるの?と思うことがあってある意味期待が持てる。やはり1軍レベルになるとごまかしがきかないか。

⑤鵜飼航丞
 外に変化球投げたら抑えられると思われるようになってきた。ストレートはパワーでゴリ押して外野の前に落としているので粗さは否めないが、速球派には対応できそう。こういうタイプの打者が中日に入ったことは大きい。高橋周復帰後は阿部と相手投手のタイプに合わせて併用でも良いかも。守備のお粗末さは想定通り。まずはツボに入ったらどこまでも飛ばす打撃で貢献してほしい。


2.立浪政権の采配について

 いくらオープン戦といえども采配というのはところどころ見えてくるものなので確認しておきましょう。なんかラジオで中日ファンのとある芸能人が立浪監督の采配を批判するファンに「消えろ」とか「病気」とか「チームにとって害悪」とか言ったらしいですが、僕は忖度できないので思ったことをそのまま書きますね。消えるつもりもないですし何の病気か僕にはわかりません。監督1年目であるという忖度はしますが、監督が選手時代にミスタードラゴンズと呼ばれていたことで忖度するつもりはありません。

2-1.投手

 開幕投手は大野雄に決定。先発について特筆すべきことは高橋宏の起用法。プレシーズンでは中8日で回していましたが、シーズンに入るとどのような起用をしていくか気になります。先発転向の鈴木と岡田は先述の通りまだ上がってこない段階。ただ、中継ぎでも結果の出なかった2人なので大きな失敗とは言えないでしょう。中継ぎはロドリゲスの中継ぎ転向がハマるかもしれないですね。
 この時期の投手運用はそんなに言うことないんだよなぁ…(じゃあなんでやった)。ただ悪いと思う部分は全然なくて、今の戦力を前政権とは違う視点で如何にしてやりくりしていこうという方針が見えます。

2-2.野手

 試合前の采配であるスタメンから見ていきましょう。まずは非公式戦のスタメン一覧を。

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 木下の打順を上げることをオープン戦終盤に試したことは良かったと思います。これで開幕はクリーンアップで迎えて彼の打棒を生かしやすい環境が整いました(尤もこれまでは上位打順に行くと打てなくなることがあったので木下自身の変化もあったと思います)。その他の打順を見ると、4番ビシエドは固定で高橋周と木下で挟む形が基本線で相性によっては変えていく形となるでしょう。結果がもう少し欲しいプロスペクトの石川昂は7番で負担を軽減、結果の出ている岡林は1・2番での起用が濃厚となりました。
 気になるのは2番打者への考え方。岡林+若手で1・2番を組む時は岡林を2番で起用するようになってきましたが、オープン戦最終戦での2番に加藤翔を置いて6番に高橋周を置くあたり、打順を詰めて相対的に良い打者に打席を多く回す発想には至っていないのかなと感じます。
 開幕スタメンには3番に福留を起用することを公表。菅野との相性もあるので2戦目以降にレフトがどのように起用されるかが楽しみです。
 ただし、全体的に見て昨季までと比較したら良くなっているとは感じます。

 続いて試合中の作戦について。
 非常に良く動きますね。盗塁に関してはシーズン入ったら別のチームになったかの如く大人しくなって動かないことは過去にも多くあるので問題ありません。むしろ失敗できるなら今のうちでしょう。
 相変わらず問題なのはフルカウントからのランエンドヒットの指示。ランナー1・2塁でもやるのはやめてほしいです。なぜランナーが2塁や3塁にエンドランを指示しないか。それは単純に空振りした時のアウトになるリスクが非常に高いからです。誰も彼もエンドランできないのでシーズンに入ったら自重してほしいです。そのための準備であれば良いと思いますが。
 あとはオープン戦終盤になるにつれてバントやヒットエンドランのサインが増えていったのも気になります。これは「点取れなかったら動きまくりますよ」というアピールにもなってしまいます。バントは序盤からやるものでもなく、得点期待値・得点確率を下げるものと言われています。勿論パワプロでいう「対ピンチF」のように投手のタイプやその後の打者によって考えなければならないことですが、3月13日オリックス戦であった2回無死1・2塁で打者木下、その後の打者は石川昂と京田という場面でバント指示というのはやめてほしいです。エンドランも結局は当てること、転がすことが優先になって長打は望めず基本的に進塁打となることが多いので3つアウトを取られる前に点を取るスポーツである性質上、アウトになるリスクの高い作戦は慎重に考えてもらいたいです。あとは作戦によって打撃を崩す恐れもあるので多用は避けたいところです。これは「ゴロを転がせ」などの指示でも同じです。それによって前政権で打撃不振になった選手もいたので。

 ただ、こういうことって点が取れないから動くようになってしまう部分があるのでまずは打てるようにしたいですね。できることなら打てなくてもどっしり構えていてほしいですが、そういうことは現政権に限らず難しいのかなと感じます。

 野手の作戦は打順は良くなっていて試合中の作戦は前任者がこれをやっていたら間違いなく批判の嵐だっただろうなというものが多いという印象です。

 2軍は大野奨が先発マスクを被る試合が多かったのがファンの中でも賛否を呼びました。これは1軍当落線上の投手をリード面で優れている大野奨と組ませてあげようという意図が考えられます。

3.今年の中日に望むこと

 こんなに補強せずに言い訳して若手を使う時期みたいに言って一生再建期であるという言い逃れをしそうな親会社がいるのでとても優勝とは言えません。どうせ今年勝てなくても世間一般には前政権のせいにしてもらえるので今のうちに現代野球のトレンドや作戦を理解して監督自身の理想と現実を埋めてください。あと中堅以上のレベルの低さと新外国人選手を獲得していないことから若手を出すことが増えるので彼らが結果残せるようにしてあげてください、使えば育つというほど甘くないので(というかもしそうなら根尾はもうレギュラーです)。打つ方は一瞬にして変わるものでもないと思うのでもう少し待ちます。


 以上でオープン戦の振り返りを終わります。最後まで読んで頂きありがとうございました。

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