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3歳牡馬界 振り返り 〜2強プラス1〜

◆ 全体観
超ハイペースから驚愕のレコードタイムで決着した皐月賞、一転して超スローペースの我慢合戦からの切れ味勝負となった日本ダービー。全く内容の異なる両レースを終え、両レースの勝ち馬が頭一つ抜けた感があります。

◆ トップ2強 〜両雄の競い合いは今後も続く〜
春のクラシック終了時点では、皐月賞馬ジャスティンミラノとダービー馬ダノンデサイルの2強となりました。
ダービーではダノンデサイルが先着しましたが、実力はほぼ同等だと思います。印象的なことは、両馬共に走る能力が高いだけではなく、素直で操縦性が高く、とても賢いということです。

ジャスティンミラノは高速レースも超スローペースも対処できる精神的な落ち着きがあり、また、共同通信杯でもダービーでも、騎手の指示通りにスッと好位置をとれる素直さも持ち合わせています。敢えて改善点を挙げるとすれば、ゲートからの一歩目がやや遅いことくらいでしょうか。

ダノンデサイルの魅力は切れ味鋭い末脚です。ダービー馬としてマークが厳しくなってからも、直線で円滑に進路を確保し突き抜けられるか、今後が楽しみです。彼の賢さを示すエピソードとして、ダービー後のウイニングランで観客席前に来た時、横山典騎手が挨拶をしている間、動かずに立ち止まっていました。状況を賢く理解していたようです。

◆ 2番手グループ
皐月賞とダービーの結果から見ると、以下の若者たちが2番手グループに位置しています。現状2強とは少し差を感じますが、大器晩成型もいるかもしれず、夏の間の成長に期待です。
シンエンペラー:皐月賞5着、ダービー3着
サンライズアース:皐月賞12着、ダービー4着
コスモキュランダ:皐月賞2着、ダービー6着
アーバンシック:皐月賞4着、ダービー11着

◆ プラス1
彼ら以外で忘れてはならないのは、皐月賞3着、NHKマイル完勝のジャンタルマンタルです。彼は現時点で既にマイルG1を2勝、3歳マイル界で他を寄せ付けず、古馬を交えた秋マイル戦線での活躍が期待される超新星です。
適性距離の関係から、今後ジャスティンミラノやダノンデサイルと同走する機会があるか不明ですが、3頭が揃って走るのを一度だけでも観てみたいと思っています。

◆ 父子二代の因縁
今年の日本ダービーから11年前、同じ5月26日に行われた2013年の日本ダービー。1着はジャスティンミラノの父キズナ、2着がダノンデサイルの父エピファネイアでした。
キズナとエピファネイアの直接対決は2勝2敗です。競走馬としても種牡馬としてもデビュー年が一緒の因縁は、息子の世代にも繋がっています。


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