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名馬紹介 テンポイント その3

(3) 競走成績 皐月賞まで
最初に、馬齢は当時の数え方で記載しますので、現在に当てはめると記載マイナス1歳(例:当時4歳→現在3歳)となること、ご留意下さい。

テンポイントは1975年8月の新馬戦をレコード勝ちする鮮烈なデビューを飾ると、続く特別戦と阪神3歳ステークスのいずれでも2着に大差をつけた圧勝。1975年の最優秀3歳牡馬に選ばれると同時に、クラシックの最有力候補になる順風満帆な3歳時をおくりました。

阪神3歳Sでの「見てくれこの脚、これが関西の期待テンポイントだ」という実況中継は有名です。当時、プロ野球で阪神は巨人に勝てず、さらに競馬界でも東高西低の傾向が強かった時代背景があります。上述の実況には、そんな関西陣営の「打倒東京」の想いが詰まっていました。私が初めて見た彼のレースはこの阪神3歳Sで、その後もほぼ全てのレースを見届けました。

テンポイントは関西の期待を一身に背負い、クラシック制覇に向け準備万端、年明け早々から東上しました。そして2連勝を加え、5戦5勝で皐月賞に挑みます。

皐月賞で初対決するのが、永遠のライバルとなったトウショウボーイです。テンポイントより一回り大きい鹿毛の美しい馬体、大きなストライドなのでユックリのように見えて、実はとてつもなく速い姿は「天馬」の愛称の通り、見えない翼があるようでした。彼はデビューが1月末と遅かったものの、そこから3連勝して、皐月賞に歩みを進めてきました。
僕が初めて見た彼のレースは、3戦目の「れんげ賞」です。一見して柔らかくて質の良い筋肉から繰り出される、雄大なストライドの美しいフォームに、今後テンポイントの最大のライバルになると確信しました。


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